恋愛や婚活の出会い探しに広く活用されているマッチングアプリ。ブライダル総研(株式会社リクルート)の調査「婚活実態調査2023」によると、独身の4人に1人がマッチングアプリで出会いを求めたことがあるという結果になったそうだ。
今回のご紹介するエピソードは、とある女性がマッチングアプリで出会った男性とラブホテルに行った際に起きた衝撃的な一夜の話だ。
◆マッチした強面男性とドライブ
5年前の冬、マッチングアプリで知り合った強面の男性とデートしたという関西在住のOL・飯田美波さん(仮名・28歳)。
「大学卒業後、出会いを求めてマッチングアプリを始めたばかりの頃で、当時私は23歳でした。マッチしたなかに『いいな』と思う3つ上の男性がいたんです。彼は輸入家具を取り扱う会社に勤めていると言っていました。硬派な顔立ちで、威圧感のある男性でしたが、私はその凛々しさに惹かれ、何度か食事に行って親しくなっていきました」
その彼から「次は1日デートしよう」と誘われ、ドライブに行くことになったそうだ。
「彼の車で神戸をドライブデートしました。楽しい時間はあっという間に過ぎ、六甲山から見えるきれいな夜景を眺めてデートは終了。……とはならず、二人とも離れがたかったので、ロマンチックな雰囲気のまま、山道沿いにあるラブホテルへ向かったんです」
◆六甲山沿いのラブホテルへ
街灯も少ない山道に、ポツンとあるラブホテル。二人を乗せた車は吸い込まれるようにそのホテルへ。
「付き合ってない男性と体を重ねることに少し抵抗はあったものの、そこはバリ島をイメージしたちょっと高級な南国風ホテルで雰囲気がよかったし、何より私は彼のことを好きになっていたので、ホテルで一緒にいられるのが嬉しかったのを覚えています」
だが、甘い時間を過ごした後、外の道路から聞こえて来た“ある音”に、彼はひどく怯えはじめたというのだ。
その音とは、パトカーのサイレンだった。
「こんな山奥の道路でサイレンが鳴り響いていたので珍しいなとは思いましたが、そのけたたましい音を聞いた彼は、急に挙動不審な動きが目立つようになり、ひどく落ち着かない様子でした。スマホで何やら調べたり、一度部屋を出てわざわざ外の様子を気にしたり。部屋に戻ってきたときには、車に積んでいたのか、黒いボックスケースを手に持っていました。
……何かおかしい。そう思った私は、彼が眠り込んだのを見計らい、一抹の恐怖を抱えつつも興味本位で黒いボックスケースを開けてみたんです」
◆ケースの中身は4匹のトカゲだった
飯田さんがケースの中を覗いてみると……。
「中からは何やらカサコソと音がしました。部屋が暗くすぐにはわかりませんでしたが、ケースから姿を現したのは、なんと4匹の生きたトカゲ。私が驚いて『きゃー!』と声をあげてしまったので、彼は起きてしまい……恐る恐る尋ねてみたんです、『何これ?』と。
すると彼は、オーストラリアから密輸したトカゲで、現地ではすぐに捕まえられる品種だけど、日本では珍しいから一匹30万円で売れるのだとひょうひょうと答え始めました。彼はトカゲの違法輸入をしている密売人だったんです」
男性が犯罪者とわかり、飯田さんは怖くなって部屋から逃げ出したそうだ。
「なんだか彼の喋り方や表情もサイコ感が出てきていて、クスリでもやってるんじゃないかとも思って、めっちゃ怖くなりました。だから彼がトイレに行っている間に私は荷物をまとめ、必死にホテルの出口に向かったんです。なんとか外に出られたものの、ここは六甲山……とてつもない絶望感でしたね」
◆暗い山道をひたすら走った
山道一本しか道路はなく、車はほとんど走っておらず、タクシーなんて捕まるはずもなかったという。
「私はとにかく逃げたい一心で下山しようと山道を走っていると、ホテルのほうから車の走る音が聞こえてきました。『彼が追ってきたのだ』と思い咄嗟に草むらに身を潜めていると……通り過ぎたのはやはり彼の車で。夜の山はとても不気味で、ホテルの部屋での恐怖心と山の雰囲気も相まって足がすくみました……。それでもなんとか家まで帰って、彼の連絡先はすぐさまブロック。幸い、その後は何も連絡はなく、縁を切ることができました」
山道沿いのラブホテルで一緒にいた男性が犯罪者だと発覚――飯田さんが無事だったことがなによりだろう。
(取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)
【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。
今回のご紹介するエピソードは、とある女性がマッチングアプリで出会った男性とラブホテルに行った際に起きた衝撃的な一夜の話だ。
◆マッチした強面男性とドライブ
5年前の冬、マッチングアプリで知り合った強面の男性とデートしたという関西在住のOL・飯田美波さん(仮名・28歳)。
「大学卒業後、出会いを求めてマッチングアプリを始めたばかりの頃で、当時私は23歳でした。マッチしたなかに『いいな』と思う3つ上の男性がいたんです。彼は輸入家具を取り扱う会社に勤めていると言っていました。硬派な顔立ちで、威圧感のある男性でしたが、私はその凛々しさに惹かれ、何度か食事に行って親しくなっていきました」
その彼から「次は1日デートしよう」と誘われ、ドライブに行くことになったそうだ。
「彼の車で神戸をドライブデートしました。楽しい時間はあっという間に過ぎ、六甲山から見えるきれいな夜景を眺めてデートは終了。……とはならず、二人とも離れがたかったので、ロマンチックな雰囲気のまま、山道沿いにあるラブホテルへ向かったんです」
◆六甲山沿いのラブホテルへ
街灯も少ない山道に、ポツンとあるラブホテル。二人を乗せた車は吸い込まれるようにそのホテルへ。
「付き合ってない男性と体を重ねることに少し抵抗はあったものの、そこはバリ島をイメージしたちょっと高級な南国風ホテルで雰囲気がよかったし、何より私は彼のことを好きになっていたので、ホテルで一緒にいられるのが嬉しかったのを覚えています」
だが、甘い時間を過ごした後、外の道路から聞こえて来た“ある音”に、彼はひどく怯えはじめたというのだ。
その音とは、パトカーのサイレンだった。
「こんな山奥の道路でサイレンが鳴り響いていたので珍しいなとは思いましたが、そのけたたましい音を聞いた彼は、急に挙動不審な動きが目立つようになり、ひどく落ち着かない様子でした。スマホで何やら調べたり、一度部屋を出てわざわざ外の様子を気にしたり。部屋に戻ってきたときには、車に積んでいたのか、黒いボックスケースを手に持っていました。
……何かおかしい。そう思った私は、彼が眠り込んだのを見計らい、一抹の恐怖を抱えつつも興味本位で黒いボックスケースを開けてみたんです」
◆ケースの中身は4匹のトカゲだった
飯田さんがケースの中を覗いてみると……。
「中からは何やらカサコソと音がしました。部屋が暗くすぐにはわかりませんでしたが、ケースから姿を現したのは、なんと4匹の生きたトカゲ。私が驚いて『きゃー!』と声をあげてしまったので、彼は起きてしまい……恐る恐る尋ねてみたんです、『何これ?』と。
すると彼は、オーストラリアから密輸したトカゲで、現地ではすぐに捕まえられる品種だけど、日本では珍しいから一匹30万円で売れるのだとひょうひょうと答え始めました。彼はトカゲの違法輸入をしている密売人だったんです」
男性が犯罪者とわかり、飯田さんは怖くなって部屋から逃げ出したそうだ。
「なんだか彼の喋り方や表情もサイコ感が出てきていて、クスリでもやってるんじゃないかとも思って、めっちゃ怖くなりました。だから彼がトイレに行っている間に私は荷物をまとめ、必死にホテルの出口に向かったんです。なんとか外に出られたものの、ここは六甲山……とてつもない絶望感でしたね」
◆暗い山道をひたすら走った
山道一本しか道路はなく、車はほとんど走っておらず、タクシーなんて捕まるはずもなかったという。
「私はとにかく逃げたい一心で下山しようと山道を走っていると、ホテルのほうから車の走る音が聞こえてきました。『彼が追ってきたのだ』と思い咄嗟に草むらに身を潜めていると……通り過ぎたのはやはり彼の車で。夜の山はとても不気味で、ホテルの部屋での恐怖心と山の雰囲気も相まって足がすくみました……。それでもなんとか家まで帰って、彼の連絡先はすぐさまブロック。幸い、その後は何も連絡はなく、縁を切ることができました」
山道沿いのラブホテルで一緒にいた男性が犯罪者だと発覚――飯田さんが無事だったことがなによりだろう。
(取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)
【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。