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元セクシー女優が「“本物の素人女優”が激減したワケ」を暴露。“ギャラ事情の変化”も影響

日刊SPA! 2024年9月28日 15時52分

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。
◆本物の“素人女優”が消えた理由

 ビデオのキャッチフレーズ「素人大学生デビュー」を筆者は飽きるほど見てきたし、きっとユーザーも同じ気持ちを抱えていると思う。素人が矢継ぎ早に現れすぎて、みんな「ハイハイ、もうええでしょう!」と食傷気味なのだ。

 もう現在のセクシー業界に、右も左もわからないウブな娘はいない。デビュー時からすでに玄人であることがほとんどで、本気の“シロートさん”は壊滅状態になっているという。

 なぜ“本物”が消えたのか? そして今デビューする女性たちは、一体どのような職業を経てセクシー女優へと辿り着くのだろうか。怒られない範囲でこっそり暴露していこう。

◆令和の時代に本物の素人が激減した裏事情

 数年前までは高校卒業してすぐ業界入りするとか、大学生やOLが突然ビデオに出ちゃうとか、夜職やパパ活、芸能活動などを一切挟まず、即デビューの例が結構あった。

 私はこのような、人気商売や夜の世界を一切知らない状態で女優になる人のことを「本物の素人」と勝手に呼んでいる。当時は本物素人が業界に憧れて扉を叩くなんてのも、決して珍しくはなかった。

 ただ、令和の時代突入以降は、この手のケースがめっきり減った。もうギャラも高くないし、セクシー女優にならずとも“プチお色気系インフルエンサー”の方が稼げる&注目度が上がることも多い。今は大抵、夜職を一回挟んで女優デビューをするのがデフォルトだから、ガチ素人が壊滅状態になるのも致し方がないのだろう。

 では、今の業界の女性たちはどのような職業から華麗な転職を果たすのか。わざわざ私が言わなくても想像がつくだろうけど、みなさんが納得いくように理由もセットで解説していこう。

 説明不要の“オトナのワンダーランド”からやって来た女優は、いつの時代も圧倒的に多い。運ばれ屋さん、お風呂屋さん、きわどいマッサージ屋さんなど、出身地は様々。

 ワンダーランドの従業員と並行してデビューする人もいれば、ビデオに全振りしてお店をやめるパターンもある。前者はキャストとしての知名度を上げるために出演するか、二方向でうまく稼ぎたい気持ちが強いため、「軸」は女優ではなく店なのだろう。後者はもうキャストを卒業したいとか、女優だけで頑張りたいとか、わざわざ一本に絞る理由が多岐にわたる。最近はセクシー業界が大きく稼げるわけではないので、ビデオだけに寄せる事例はかなり減っているけど……。

 いずれにせよ彼女たちは体を使って働くことに慣れているし、何よりガッツがある。身バレをさほど気にせず「なんだ、店出た方が稼げるじゃん」と思わないタイプだと、業界が長続きする傾向が強い。

◆夜の飲み屋さんからセクシー女優へ転向するケースも

 そして最近多いのが、飲み屋さんからセクシー女優への転向。港区にある会員制ラウンジ出身の子が続々と増えていて、お店に在籍しながら女優業を並行するらしい。

 昔から飲み屋出身の女性はたくさんいるものの、なぜ近年になって急増したのか? 答えは簡単、高級な飲み屋で働ける人は単純に「見た目がいいから」でしかない。ナチュラルなのか改造済みかはさておき、彼女たちは映像に出る前から全てが完成している。事務所としてもすでに完璧な状態で人前に出せるのは有り難いため、有名な飲み屋勤務の女性は超ウェルカムなのだ。

 そんなダイヤモンド級の人材は何をもって業界入りするのかというと、やっぱりカネ。ビデオの収入には依存しておらず、女優という肩書きを使ってパパ活や海外出稼ぎでさらなる高収入を狙うぜ! といったところ。ある意味、とっても頭が良い。

 ぶっちゃけるとお金に対しての貪欲さはオトナのワンダーランドの子たちより、もっとすごいかもしれない。だからこそ美にストイックだし、自分の値段を分かり切っているから立ち回りも上手。そりゃ単体デビューもイージーで、事務所も大切にするわけだ。

◆以前はタブーだった同人ビデオから表の世界へ

「同人ビデオに出た子は撮りません」と言っていたメーカーが多かったあの時代から一変。現在は同人から“逆輸入”され、表のビデオにデビューする女性が増えている。同人→正規ビデオは少し前ならタブー視されていた例なので、締め付けがユルくなった点に私は大きく驚いた。

 同人ビデオに出演していた女性からすると、「もう表に出ようが裏に出ようが身バレの危険性は変わらない」と言う。それに表の世界でないと撮影環境もあまり良いものではなく、場合によっては病気の検査もいい加減だ。どうせ出るならしっかりとしたところを……と考えると、自然と正規ビデオへと辿り着く。

 あとは映像に出て、撮影現場や人前に出る楽しさを知り、正式なセクシー女優デビューするパターンも少なくはないとか。“逆輸入”が可能になったからこそ、女性たちの夢も広がったのだろう。今人気の女優も実は同人ビデオ出身という裏話も、実はそこそこ多いのだ。

◆「本物の素人」を追い求めるのは難しい

 セクシー業界は飛び込むのに勇気が必要な世界なので、「本物素人」を追い求めるのが難しい。素人風の玄人に抵抗がある人もいるだろうが、人前であっさり脱げる時点でだいぶ気合いが入っているので、冷静に考えればわかることだと思う。

「プロ」は最初からエンターテイナーとしての“基本のキ”ができているため、お客さんを楽しませる能力も、現場とうまくやる力もある。ファンからしても、業界の人間からしても有難い存在なのだから、「裏の顔・玄人/表の顔・素人」という女優が増えるのは決して悪いことではない。

 ただ個人的な意見を言うと、「本物素人」が減ってしまうのは少し寂しい。どの業界も今はダイヤの原石を見つけるのではなく、完成したダイヤモンドを欲しがる一方だから……。イチから磨く時代が終わってしまっていることに、軽くショックを受けている勝手な私がいる。

文/たかなし亜妖

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

―[元セクシー女優のよもやま話]―

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