はじめましての方も初めましてじゃない方もこんにちは。ミニマリストで元スタバ店員の阪口ゆうこ(@sakaguchiyuko___)です。どうもどうも、こう見えて10年間も店員やってました。
スタバに行って、緑のエプロンをつけたスタッフに癒しや活力をもらった人も多いと思う。そして、「よく見たら黒い人もおるな……」と、気づいている人もいるだろう。そうなのです。スタバには緑のエプロンのスタッフだけでなく、黒のエプロンのスタッフが存在するのだ。今日も元気にスタバ話。そして箸休め会でございます。レツゴー。
◆ブラックエプロンの星の秘密
黒いエプロンは緑のエプロンと違い、胸元に名前の刺繍が入る。色の効果なのか、ネーム入りの特別な仕様だからなのか、自然と「中ボス感」が出るようになっている。名前の他にも星マークの刺繍が入っている人もいるのだが、これがそのスタッフがすごい証明なのだ。
ブラックエプロンを獲得するには、年に一度開催されるテストに合格しなければならない。そのテストに一度合格すれば黒いエプロンは獲得できる。2回合格すれば星が刺繍される。3回合格すれば星が3つになる。4回では星が4つになる。
そして、テストに6回合格すると星は6つになる計算だが、スペース上の問題なのか刺繍の星は5つ以上集めると金星ひとつに集約される。
なので、金星が2つ並んでいる人はブラックエプロンのテストに10回以上合格していることになる。一度だけ金星が並んでいるスタッフの人を見たことがあるが、興奮して動悸がした。とにかく、胸に刺繍される星の数は、それだけ何度もテストに合格しているという猛者の証なのだ。
◆どうやって獲得するのか
前述の通り、ブラックエプロンを獲得するには、年に一度あるテストに合格しなければならない。私も受けた経験があるが、普通に難しいテストなのだ。まずは、スターバックス®︎で取り扱うコーヒー豆全般の知識を頭に入れる必要がある。
それも、身震いするほど細かい部分まで。期間限定コーヒーの販売順、生産地、農場の名前、相性のいいフード等、コーヒー豆のバッグの裏面に書いてある説明すべての暗記は当たり前だった。
さらに、「この先の人生で役立つ確率が極めて低いのでは」と、頭の片隅で思いながら、コーヒー生産地の民族衣装の名前や伝統的な楽器の名前を記憶した覚えがある。頭からは煙が出ていた。しかも、その問題が実際テストに出たことがある。恐ろしい会社だと思った。
それに加え、コーヒーに関する一般的な知識も頭に入れなければならない。こちらの勉強は今でも役立っている。偏りはあるが、世界地図に詳しくなったのだ。
コーヒーが生産されるラテンアメリカやアフリカ、インドネシアあたりに関してはどこの位置になんという国があるか、今も形を見ただけですべて言える。具体的にどう役立っているかというと、家族でクイズ番組を見ている時に地理問題の解答率が高く少し尊敬される。……あ、それ以外思いつかない。
◆ブラックエプロンのすごいところ
何を隠そう私も黒い女でした。私が獲得したのは10年も昔のこと。当時は、ブラックエプロンは1店舗に1人いたらすごいと言われていた。というのも、当時の合格率は3%だったから。え、私すごくないか……!
私は暗記が苦手だったので、半年間も泥臭い反復学習をした記憶がある。勉強量もすごいのだが、それよりもはるかにすごいことがある。
それは、ブラックエプロンを獲得しても、時給は1円も上がらないという点。ネーム入りの黒いマイエプロンがもらえる。よくよく考えるとそれだけなのだ。それでもスタッフは愛が止まらずテストを受ける。
今でも私がエプロンを捨てられないのは、あの頃の努力をしていた自分の象徴だからである。中には黒いエプロンを付けることがステータスだと思っているスタッフもいる。ゲーム感覚で知識を楽しんでいるスタッフもいるだろう。何が原動力なのか、人それぞれなのだ。ちなみに私は、「黒エプロンは体が細く見えるから」理由はそれ一択だった。
◆合格率は1割弱
日本で一番合格率の低い国家資格は司法書士だそうだ。2023年の司法書士は1万3372人の受験者に対し、合格者は695人。それすなわち合格率は5.19%。そして、ブラックエプロンのここ数年の合格率は約8%。この合格率は公認会計士レベルなのだとか。ひゃー。
だが、そもそもブラックエプロンを獲得するにはスターバックス®︎に入社、在籍していなければならない。地域によっては、「全然採用されない!」で、有名なスターバックス。それでいうと、日本一難しい資格といってもいいのではないだろうか。
◆ドリンクが特別美味しいのは嘘
黒いエプロンの人に淹れてもらったからコーヒーが美味しい。時々耳にしていたがこれは嘘だ。緑のエプロンであっても黒いエプロンであっても、コーヒーを淹れる手順は全員同じ。エプロンの色に違いはあっても、味に違いはないはずなのだ。
もし、ブラックエプロンのスタッフにコーヒーを淹れてもらうと特別美味しい気がする人がいるとしたら、色が持つ魔力かもしれない。
ブラックエプロンのスタッフの正しい活用法があるとしたら、コーヒー豆の質問をするといい。むしろ、コーヒーのことを聞いて欲しくて黒を身につけているスタッフが多いのでそこはどんどん攻めていいはずだ。
◆ブラックエプロンの問題をいくつか
記憶を辿って10問ほど出してみます。
Qカフェインの日本名は何というでしょう?
(茶素)
Qコーヒー発祥の地エチオピアの首都アジスアベバ、日本語の意味は?
(新しい花)
Q世界で最も高価なコーヒー「コピルアク」は、何の糞から採取されている?
(ジャコウネコ)
Q日本で初めてできた喫茶店の名前は?
(可否茶館)
Qコーヒー発見伝説に出てくる山羊飼いの少年の名前は?
(カルディ)
Qイエメンではコーヒーをなんと呼ぶ?
(ブン)
Qインドネシアでは?
(コピ)
Qブラジルでは?
(カッフェー)
Q韓国では?
(コッピー)
いくつ正解できたでしょうか? ちなみに上記の知識は、私の人生ではまだ役に立っていません。黒い人を見かけたら、是非ともコーヒー豆の話を聞いてみてください。スタバの黒エプロンの方は、スタバの豆には愛があるので詳しいのです。愛がなければあんなに勉強できませんから。
<TEXT/阪口ゆうこ>
【阪口ゆうこ】
1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___
スタバに行って、緑のエプロンをつけたスタッフに癒しや活力をもらった人も多いと思う。そして、「よく見たら黒い人もおるな……」と、気づいている人もいるだろう。そうなのです。スタバには緑のエプロンのスタッフだけでなく、黒のエプロンのスタッフが存在するのだ。今日も元気にスタバ話。そして箸休め会でございます。レツゴー。
◆ブラックエプロンの星の秘密
黒いエプロンは緑のエプロンと違い、胸元に名前の刺繍が入る。色の効果なのか、ネーム入りの特別な仕様だからなのか、自然と「中ボス感」が出るようになっている。名前の他にも星マークの刺繍が入っている人もいるのだが、これがそのスタッフがすごい証明なのだ。
ブラックエプロンを獲得するには、年に一度開催されるテストに合格しなければならない。そのテストに一度合格すれば黒いエプロンは獲得できる。2回合格すれば星が刺繍される。3回合格すれば星が3つになる。4回では星が4つになる。
そして、テストに6回合格すると星は6つになる計算だが、スペース上の問題なのか刺繍の星は5つ以上集めると金星ひとつに集約される。
なので、金星が2つ並んでいる人はブラックエプロンのテストに10回以上合格していることになる。一度だけ金星が並んでいるスタッフの人を見たことがあるが、興奮して動悸がした。とにかく、胸に刺繍される星の数は、それだけ何度もテストに合格しているという猛者の証なのだ。
◆どうやって獲得するのか
前述の通り、ブラックエプロンを獲得するには、年に一度あるテストに合格しなければならない。私も受けた経験があるが、普通に難しいテストなのだ。まずは、スターバックス®︎で取り扱うコーヒー豆全般の知識を頭に入れる必要がある。
それも、身震いするほど細かい部分まで。期間限定コーヒーの販売順、生産地、農場の名前、相性のいいフード等、コーヒー豆のバッグの裏面に書いてある説明すべての暗記は当たり前だった。
さらに、「この先の人生で役立つ確率が極めて低いのでは」と、頭の片隅で思いながら、コーヒー生産地の民族衣装の名前や伝統的な楽器の名前を記憶した覚えがある。頭からは煙が出ていた。しかも、その問題が実際テストに出たことがある。恐ろしい会社だと思った。
それに加え、コーヒーに関する一般的な知識も頭に入れなければならない。こちらの勉強は今でも役立っている。偏りはあるが、世界地図に詳しくなったのだ。
コーヒーが生産されるラテンアメリカやアフリカ、インドネシアあたりに関してはどこの位置になんという国があるか、今も形を見ただけですべて言える。具体的にどう役立っているかというと、家族でクイズ番組を見ている時に地理問題の解答率が高く少し尊敬される。……あ、それ以外思いつかない。
◆ブラックエプロンのすごいところ
何を隠そう私も黒い女でした。私が獲得したのは10年も昔のこと。当時は、ブラックエプロンは1店舗に1人いたらすごいと言われていた。というのも、当時の合格率は3%だったから。え、私すごくないか……!
私は暗記が苦手だったので、半年間も泥臭い反復学習をした記憶がある。勉強量もすごいのだが、それよりもはるかにすごいことがある。
それは、ブラックエプロンを獲得しても、時給は1円も上がらないという点。ネーム入りの黒いマイエプロンがもらえる。よくよく考えるとそれだけなのだ。それでもスタッフは愛が止まらずテストを受ける。
今でも私がエプロンを捨てられないのは、あの頃の努力をしていた自分の象徴だからである。中には黒いエプロンを付けることがステータスだと思っているスタッフもいる。ゲーム感覚で知識を楽しんでいるスタッフもいるだろう。何が原動力なのか、人それぞれなのだ。ちなみに私は、「黒エプロンは体が細く見えるから」理由はそれ一択だった。
◆合格率は1割弱
日本で一番合格率の低い国家資格は司法書士だそうだ。2023年の司法書士は1万3372人の受験者に対し、合格者は695人。それすなわち合格率は5.19%。そして、ブラックエプロンのここ数年の合格率は約8%。この合格率は公認会計士レベルなのだとか。ひゃー。
だが、そもそもブラックエプロンを獲得するにはスターバックス®︎に入社、在籍していなければならない。地域によっては、「全然採用されない!」で、有名なスターバックス。それでいうと、日本一難しい資格といってもいいのではないだろうか。
◆ドリンクが特別美味しいのは嘘
黒いエプロンの人に淹れてもらったからコーヒーが美味しい。時々耳にしていたがこれは嘘だ。緑のエプロンであっても黒いエプロンであっても、コーヒーを淹れる手順は全員同じ。エプロンの色に違いはあっても、味に違いはないはずなのだ。
もし、ブラックエプロンのスタッフにコーヒーを淹れてもらうと特別美味しい気がする人がいるとしたら、色が持つ魔力かもしれない。
ブラックエプロンのスタッフの正しい活用法があるとしたら、コーヒー豆の質問をするといい。むしろ、コーヒーのことを聞いて欲しくて黒を身につけているスタッフが多いのでそこはどんどん攻めていいはずだ。
◆ブラックエプロンの問題をいくつか
記憶を辿って10問ほど出してみます。
Qカフェインの日本名は何というでしょう?
(茶素)
Qコーヒー発祥の地エチオピアの首都アジスアベバ、日本語の意味は?
(新しい花)
Q世界で最も高価なコーヒー「コピルアク」は、何の糞から採取されている?
(ジャコウネコ)
Q日本で初めてできた喫茶店の名前は?
(可否茶館)
Qコーヒー発見伝説に出てくる山羊飼いの少年の名前は?
(カルディ)
Qイエメンではコーヒーをなんと呼ぶ?
(ブン)
Qインドネシアでは?
(コピ)
Qブラジルでは?
(カッフェー)
Q韓国では?
(コッピー)
いくつ正解できたでしょうか? ちなみに上記の知識は、私の人生ではまだ役に立っていません。黒い人を見かけたら、是非ともコーヒー豆の話を聞いてみてください。スタバの黒エプロンの方は、スタバの豆には愛があるので詳しいのです。愛がなければあんなに勉強できませんから。
<TEXT/阪口ゆうこ>
【阪口ゆうこ】
1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___