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友だちがいないサラリーマン50歳、長時間労働をした結果…出世や転職も厳しくなっていた――大反響ニュース傑作選

日刊SPA! 2024年9月29日 8時45分

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2022年2月26日 記事は取材時の状況) *  *  *

 青春時代、仲間たちと思い思いに語り合ったのも今は昔。50代、人生の終盤戦に臨もうとする男たちに「友だちがいない」のは、今やデフォルトのようだ。そして孤独がもたらす悪影響を、50代男たちはあまりに安く見積もっている。そんな彼らがこれから支払う“代償“とは――。

◆出世や転職の成功にも影響。友だちの有無、数、質が今後ますます重視される時代に

 友だちがいないと、仕事にも悪影響を与える。そんな残酷な事実に直面するのが、メーカー勤務の江成博さん(仮名・50歳)だ。

「若い頃は転勤が多かったこともあり、友だちといえば会社の同期や先輩後輩がメインでした。朝までW杯を一緒に観てから出社するくらいには仲のよいメンツだったのに、50代にもなると立場に差がでてきて。自分の直属の上司が同期だったり、部下として迎えるのがかつての先輩だったりすることはザラです。

 一番萎えるのは若い頃かわいがっていた後輩に決裁のハンコをもらいに行く瞬間ですね。男の尊厳を踏みにじられる思いがして……つまらないプライドだとはわかっていても、捨てられない。会社の人と飲みに行きたいなんてまったく思わないですよ」

◆労働市場における流動性が一番低い50代男性

 一念発起し転職を志したところで、今の50代には容易ではない。

 厚生労働省が発表する令和元年の年齢・階級別転職入職率を見ると、50~54歳は6.3%、55~59歳には5.3%と低下。50代男性は労働市場における流動性が一番低い時期にいることがわかる。

◆長時間労働が当たり前な結果…

 こうした現状を前に、「日本の会社員は、仕事熱心な人であればあるほど、中年以降孤立する」と語るのは、人事組織コンサルタントの安田雅彦氏だ。

「旧態依然な会社ほど転勤や出張、長時間労働が当たり前となり、忠誠心が高い社員は会社に人生の主導権を握られがちです。会社の用事を優先すれば、当然、社外の友だちはどんどん減っていく。しかし、会社内の友人たちも出世や退職などで立場が変わるごとに疎遠になってしまうもの。結果、友だちがいなくなるのです」

◆人との繋がりが多い人材の価値が高まる

 友だちがいなくても、仕事で成果を出していればいいのでは……。そんな声も聞こえてきそうだが、今後の社会では、友だちの有無が社内の評価や出世に影響を与える可能性もあるというから厄介だ。

「昨今、企業の経営層には『イノベーションを起こすには、多様性のある人材が必要』という考えを持つ人が増えています。実際、三井住友海上では副業や出向経験のある人間を管理職にするとの方針を発表しました。それと同じように、友だちが多い人はその分、さまざまな情報や知見が入ってくるし、いろんなネットワークを持っている。今後、より人との繋がりが多い人材の価値が高まる傾向は強まっていくでしょう」

◆友だちの有無は転職にも影響

 出世や社内の存在感のみならず、友だちの有無は中年以降の転職にも、大きな影響を与える可能性が。

「年齢的に条件の悪い中年会社員が新しい職場を探すのは至難の業です。ただ、最近は知人から推薦されて採用に至るリファラル採用を導入する企業も多く、そうした企業には友だちが多いほうが有利なのは言うまでもありません」

 友だちの多さが、自分の仕事や収入にも直結する––そんな時代は、もうそこまで来ているのだ。

◆★友だちゼロの危険ポイント

・人脈や知識がなく社内で評価が下がる

・コミュ力低下で出世転職に悪影響

・中年からの転職のチャンスを逃す

【人事組織コンサルタント 安田雅彦氏】
ジョンソン&ジョンソンやラッシュジャパンの人事責任者を経て、人事組織コンサルティング会社・We Are The Peopleを起業

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/高橋宏幸 モデル/丸井大福>

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