―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第499回をよろしくお願いします。
◆ユニクロ、GU、ZARAではなく無印!
今回はユニクロでもGUでもZARAでもなく無印!
ここ数年でファッション性が高まっている無印の商品の中でも、おすすめを3つ紹介させていただきます。すべて新作なのでまだまだ在庫も潤沢、今からでも購入可能です。ショッピングの参考にぜひ!
◆希少な繊維を使用した傑作セットアップ
・紳士 木の実から作ったカポック混コーデュロイジャケット 7990円
・紳士 木の実から作ったカポック混コーデュロイワイドパンツ 4990円
今回の無印、セットアップ提案が多いですが、こちらも例に漏れず上下揃いのアイテム。もちろん単体で着用しても十分かっこいいですが、上下で揃えることで毎日のコーディネートにも悩まなくなるでしょう。
こちらは大変珍しい「カポック繊維」を使ったもの。カポックとは熱帯アメリカや西アフリカ、東南アジアなどを中心に栽培される樹木。吸湿性が高く機能性が極めて高いのですが、軽量すぎて繊維にする加工が難しく、近年になって開発が進みようやくアパレル衣料に使われるようになりました。
中空構造になっており、非常に軽いのが大きな特徴。無印はコーデュロイ以外にもデニムなどでもカポック混素材を使いますが、どれも重厚なメンズウェアの印象をしっかりと備えながら驚くほど軽量で着心地のいいものとなっており、毎年人気を博しています。
◆見た目と実用性を見事に両立
決して安い素材ではないので、量販店で扱えているのは無印くらい。ユニクロでもカポックは見当たりません。
こちらのコーデュロイは太畝で古着のような起毛感を備えたもの。重みのあるガッシリとした見た目でまさにヴィンテージライクな印象ですが、袖を通してみると驚くほど着心地がよく軽い。
古着屋さんでこの手のアイテムを探すと見た目の印象通りズッシリと重く、特に30代以上となると「肩を凝る」理由にもなったりします。が、無印のカポック混は「見た目は重いのに、着心地は軽い」、見た目と実用性を両立しているのですね。
古着風のゆったりとしたサイズ感の上下ですが、トップスは着丈がやや短くコンパクト。パンツも裾に向けてわずかにテーパードしておりメリハリのある印象。ワイドといってもルーズになりすぎずバランス良くまとまっています。
素材にとにかく高級感があり、また起毛による光沢で安っぽいイメージもまったくありません。ヴィンテージトレンドの今にぴったりのアイテム。これに後述するシューズを合わせるだけでもおしゃれに決まるので初心者には嬉しいところです。
◆チープさは皆無のナイロン100%コート
・紳士 洗える中わた ステンカラーコート 9990円
ナイロン100%のステンカラーコート。ナイロンも表面に自然なシワ感を備えたものとなっており、天然繊維ぽい風合いになっています。
撥水性が高く、光沢による高級感もあり、落ち感もあるナイロン素材ですが、この手の量販店が作るとどうにも薄っぺらい風合いが強くどうしてもチープな印象になってしまいます。が、無印は中綿を入れることでこれを解消。
通常、中綿はダウンやブルゾンなどで使われるアウトドアな仕様ですが、フォーマルライクなステンカラーにあえて中綿を入れることで生地の張り感をUP。膨らみがあり、厚手で高級感のある生地に見せています。
◆フォーマルコートの上品さも備える
加えて、もちろん防寒性もあがるので春秋のわずかな期間しか使えないステンカラーコートが、冬まで延命できるというわけ。これで9990円なら安い!
サイズ感はトレンドを意識したゆったりシルエット。着丈も長くルーズな印象でサマになります。すっぽり体型も隠してくれるので着る人を選ばないのも嬉しい。
襟はやや小さめに設計されており、フォーマルコートの上品さも同時に備えています。しかも、これで「洗える」というのだから文句なし。
◆本革なのに異常に安いレザーシューズ
・紳士 疲れにくい 革の端材を再利用した チロリアン 8990円
最後はレザーシューズ。ここ数年トレンドとなっているチロリアンシューズですが、こちら本革としては異常に安い。
しかも、GUの本革と違い、風合いも美しく自然な印象(GUは4990円などで本革ですが、やはり素材は顔料を多く使ったお化粧レザーで、ナチュラルレザーならではの風合いは少なく合皮に近い印象です。値段からすればこれでも相当頑張ってると思いますが)。
8990円でこのクオリティなら間違いなく買いです。商品タイトルにある「革の端材を利用した」というのはいわゆる「リサイクルレザー」のこと。
革を裁断する際に出てくる端材などを集めて粉砕した後にシート状にする技術があります。そのシートをもう一度素材として使っているのがこの手のリサイクルレザー。厳密には本革と言えるかどうか微妙なラインではあるのですが、元々が本革なので風合いも十分だし合皮と違い伸びやすくまた味もしっかり出てくれるので安心。
◆やや細身ですっきりとした印象に
巷に多くあるチロリアンシューズと異なり、やや細身ですっきりとした印象に仕上げているのが特徴。スリムスラックスなどでも合わせやすく、またトウはやや幅があるためワイドでも違和感はゼロ。
さらにソールがスニーカーソールを使っているため歩き心地に大変優れており疲れにくい。ここまで積み重ねて8990円なら買いとしかいえません。
以上、無印の新作おすすめ3品紹介いたしました。ご参考に。
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第499回をよろしくお願いします。
◆ユニクロ、GU、ZARAではなく無印!
今回はユニクロでもGUでもZARAでもなく無印!
ここ数年でファッション性が高まっている無印の商品の中でも、おすすめを3つ紹介させていただきます。すべて新作なのでまだまだ在庫も潤沢、今からでも購入可能です。ショッピングの参考にぜひ!
◆希少な繊維を使用した傑作セットアップ
・紳士 木の実から作ったカポック混コーデュロイジャケット 7990円
・紳士 木の実から作ったカポック混コーデュロイワイドパンツ 4990円
今回の無印、セットアップ提案が多いですが、こちらも例に漏れず上下揃いのアイテム。もちろん単体で着用しても十分かっこいいですが、上下で揃えることで毎日のコーディネートにも悩まなくなるでしょう。
こちらは大変珍しい「カポック繊維」を使ったもの。カポックとは熱帯アメリカや西アフリカ、東南アジアなどを中心に栽培される樹木。吸湿性が高く機能性が極めて高いのですが、軽量すぎて繊維にする加工が難しく、近年になって開発が進みようやくアパレル衣料に使われるようになりました。
中空構造になっており、非常に軽いのが大きな特徴。無印はコーデュロイ以外にもデニムなどでもカポック混素材を使いますが、どれも重厚なメンズウェアの印象をしっかりと備えながら驚くほど軽量で着心地のいいものとなっており、毎年人気を博しています。
◆見た目と実用性を見事に両立
決して安い素材ではないので、量販店で扱えているのは無印くらい。ユニクロでもカポックは見当たりません。
こちらのコーデュロイは太畝で古着のような起毛感を備えたもの。重みのあるガッシリとした見た目でまさにヴィンテージライクな印象ですが、袖を通してみると驚くほど着心地がよく軽い。
古着屋さんでこの手のアイテムを探すと見た目の印象通りズッシリと重く、特に30代以上となると「肩を凝る」理由にもなったりします。が、無印のカポック混は「見た目は重いのに、着心地は軽い」、見た目と実用性を両立しているのですね。
古着風のゆったりとしたサイズ感の上下ですが、トップスは着丈がやや短くコンパクト。パンツも裾に向けてわずかにテーパードしておりメリハリのある印象。ワイドといってもルーズになりすぎずバランス良くまとまっています。
素材にとにかく高級感があり、また起毛による光沢で安っぽいイメージもまったくありません。ヴィンテージトレンドの今にぴったりのアイテム。これに後述するシューズを合わせるだけでもおしゃれに決まるので初心者には嬉しいところです。
◆チープさは皆無のナイロン100%コート
・紳士 洗える中わた ステンカラーコート 9990円
ナイロン100%のステンカラーコート。ナイロンも表面に自然なシワ感を備えたものとなっており、天然繊維ぽい風合いになっています。
撥水性が高く、光沢による高級感もあり、落ち感もあるナイロン素材ですが、この手の量販店が作るとどうにも薄っぺらい風合いが強くどうしてもチープな印象になってしまいます。が、無印は中綿を入れることでこれを解消。
通常、中綿はダウンやブルゾンなどで使われるアウトドアな仕様ですが、フォーマルライクなステンカラーにあえて中綿を入れることで生地の張り感をUP。膨らみがあり、厚手で高級感のある生地に見せています。
◆フォーマルコートの上品さも備える
加えて、もちろん防寒性もあがるので春秋のわずかな期間しか使えないステンカラーコートが、冬まで延命できるというわけ。これで9990円なら安い!
サイズ感はトレンドを意識したゆったりシルエット。着丈も長くルーズな印象でサマになります。すっぽり体型も隠してくれるので着る人を選ばないのも嬉しい。
襟はやや小さめに設計されており、フォーマルコートの上品さも同時に備えています。しかも、これで「洗える」というのだから文句なし。
◆本革なのに異常に安いレザーシューズ
・紳士 疲れにくい 革の端材を再利用した チロリアン 8990円
最後はレザーシューズ。ここ数年トレンドとなっているチロリアンシューズですが、こちら本革としては異常に安い。
しかも、GUの本革と違い、風合いも美しく自然な印象(GUは4990円などで本革ですが、やはり素材は顔料を多く使ったお化粧レザーで、ナチュラルレザーならではの風合いは少なく合皮に近い印象です。値段からすればこれでも相当頑張ってると思いますが)。
8990円でこのクオリティなら間違いなく買いです。商品タイトルにある「革の端材を利用した」というのはいわゆる「リサイクルレザー」のこと。
革を裁断する際に出てくる端材などを集めて粉砕した後にシート状にする技術があります。そのシートをもう一度素材として使っているのがこの手のリサイクルレザー。厳密には本革と言えるかどうか微妙なラインではあるのですが、元々が本革なので風合いも十分だし合皮と違い伸びやすくまた味もしっかり出てくれるので安心。
◆やや細身ですっきりとした印象に
巷に多くあるチロリアンシューズと異なり、やや細身ですっきりとした印象に仕上げているのが特徴。スリムスラックスなどでも合わせやすく、またトウはやや幅があるためワイドでも違和感はゼロ。
さらにソールがスニーカーソールを使っているため歩き心地に大変優れており疲れにくい。ここまで積み重ねて8990円なら買いとしかいえません。
以上、無印の新作おすすめ3品紹介いたしました。ご参考に。
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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