はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。ミニマリストで元スタバ店員の阪口ゆうこ(@sakaguchiyuko___)です。 こう見えて10年も働いていました。
残暑が厳しいこの日、「9月としては過去最高の暑さです」などと、朝の情報番組で若いアナウンサーの方が言っているのを見た。ここのところ毎日「過去最高です」を聞いている。つまりは、過去最高を毎日更新している。アナウンサーの方の笑顔に反し、視聴者である私は般若のような形相でそれを聞いている。
◆京都3店舗のみで販売されている縁起物
そしてついに、自分の中で何かが切れてしまったのか、暑いついでに「日本の中でも群を抜いて異常に暑い」で有名な、京都に行ってみた。というのも先月、日刊SPA!のスタバネタを探している最中に見つけてしまったのだ。
なんという破格のキュートさ。数年前に話題になったことを思い出して、同時に自分の中の化け物のような物欲が雄叫びを上げた。
御所人形の老舗として日本伝統の人形を作り続ける「島田耕園人形工房」と、スターバックス®︎が共同開発した京都の限定3店舗のみで2020年より販売されている「縁起物チャーム」と「御所人形チャーム」だ。この縁起物チャームと御所人形チャームは、福玉というガチャのようなボールの中に入っていて「中身は秘密」という遊び心溢れる運ゲーアイテムなのだ。
シロ・クロ・ミケの3柄の招き猫と駒犬、這児という赤ちゃんの5種類があり、それぞれには意味がある。
【縁起物チャーム招き猫土鈴シロ】清く美しいひとを招く
【縁起物チャーム招き猫土鈴クロ】黒字を招く
【縁起物チャーム招き猫土鈴ミケ】幸福を招く
【縁起物チャーム駒犬土鈴】子宝に恵まれる、安産多産のお守り
【御所人形チャーム這児】幼児の厄を祓う魔除けや身代わりの人形
◆京都3店舗のみで販売されている縁起物
それぞれの店舗にこの5種類がすべて売っているわけではない。手に入る縁起物チャームはそれぞれの店舗でちがう。3店舗共通で販売しているのは、這児と駒犬の2種類で、シロ・クロ・ミケの3種類は、それぞれの店舗で販売しているものがちがう。
その希少価値からか、某有名フリマサイトでは2倍以上の価格で転売が絶えないのである。そして、私事ではございますが、猫を飼っておりまして。それが真っ黒と真っ白の2匹であり、この手のグッズには目がないのである。一度雄叫びを上げた物欲は引っ込むことがなかった。涼しくなるのを待てなかったのだ。
京都に住む友人に「ノリで京都に行く」と伝えたら「命が惜しくないのか、この親不孝者」と言われたが、物欲に背中を押されて最高気温を叩き出す京都に向かった。
京都駅前からバスに乗ってまずは清水へ。こんなに暑いのに京都の観光客は恐ろしい数だった。海外の方も多いが日本人も多い。おそらく日本人は「こんなクソ暑い平日の昼間に、みんな何やってんの」と思っているだろう。私も思ったのでお互い様だ。
バスはギュウギュウでなかなか乗ることができず、3ターン目でやっと乗れた。
◆1店舗目:京都二寧坂ヤサカ茶屋店
ここはジャパンなのか。と、戸惑うほど海外の観光客が多い二寧坂。スターバックス®︎二寧坂ヤサカ茶屋店には、這児・駒犬・クロの3種が販売されている。
レジ前で「縁起物が欲しいです」と言うと、スタッフの方が奥からポケモンのモンスターボールのような福玉がたくさん入った木の箱をレジカウンターに出してくれた。
「当店舗では3種類を用意しているのですが、現在、駒犬を切らしております」とおっしゃった。ということは、この福玉の山には、這児とクロの2種類があるということになる。絶対にクロが欲しい筆者としては、ここで失敗するわけにはいかなかったので慎重になった。
というのも、お値段を見て吃驚仰天。2700YENという。一般ピーポーのお財布事情からするとお高い。
◆中身の見極め方!?
真剣な眼差しでひとつひとつ照明に透かしてみたが、中は見えない。どうしたものかと思案していたら、スタッフの方が「ちょっと振ってみてください」とおっしゃった。
ひとつひとつ振ってみると、音の違いがあることに気づいた。コロコロと中身が転がるだけの感触のものと、何かがカタカタとぶつかる音がするものがある。スタッフの方がおっしゃるには、駒犬と招き猫の3種は中に鈴が入っている仕様だが、這児だけは中に鈴が入っていない人形なのだとか。
そして、この日は駒犬が売り切れということは、コロコロと音が鳴るものはクロでしかないのである。「君に決めた!」とほぼポケモンのノリで、2つをお買い上げをした。
◆2店舗目:京都祇園ホテル店
二寧坂から歩いて12分。次は京都祇園アパホテル1階にある京都祇園ホテル店に向かった。ちなみにこの時点でTシャツは絞れるくらい汗を含んでいた。よりによってこんな暑い日にスタバ行脚するなんて、狂気の沙汰である。
乗る予定だったバスが目の前で発車した時は、朝に見たアナウンサーのお姉さんが脳内に歪みながら浮かんだ。
この店舗では、這児・駒犬・ミケが販売されている。レジカウンターには木製の島田耕園人形工房の紹介書きや福玉の説明書きがあった。
こちらには目的のものはなかったので、駒犬でもミケでもどっちでもいいという富豪の感覚でコロコロと音が鳴るものをひとつ購入した。
◆3店舗目:京阪祇園四条駅店
最後の店舗は、2店舗目の京都祇園ホテル店から歩いて8分のところに位置する、京阪祇園四条駅の構内にある店舗だ。
駅に続く階段が嬉しかった。古い映画で、地下で彷徨った人が地上に出る喜びを爆発させるシーンをみたことがあるが、私は真逆である。「ち……地下だ!やっと太陽から逃れられる!」。この瞬間は死ぬまで忘れない。
階段を降りると、すぐにスターバックス®︎がある。そして店内に入ると右手に商品棚があり、非常にひっそりと厳かに福玉が用意されていた。一般のお客さんなら見逃すだろう。しかし私は見逃さなかった。
この炎天下で歩き疲れ、目的をいち早く遂行し、コーヒーよりもビールを欲していたからだ。
最後の福玉。ここも運でしかない。いちばん上にあった福玉を振るとコロコロと音がしたのでそれをレジに持って行った。シロが出ますように。そして、一刻も早くビールにありつけますように。
◆そして結果は…
この、ガチャを開けるドキドキ感、嫌いな人はいないだろう。家に帰って早速、福玉のゴールドのテープの封を剥がして開封してみたら……なんと。
各店舗限定のシロ・クロ・ミケが大当たりしていた。そして、振ってもコロコロと音が鳴らなかった福玉の中はやはり這児だった。
背中には、木製の小さなプレートが付いていて、島田耕園とスターバックス®︎のコラボで、ご当地限定を表す「東山」の文字が書いてある。猫たちの後ろ姿の愛くるしさもたまらない。
暑くて溶けそうだったことも、縁起物を買ったことでこの記事の執筆料がぶっ飛びそうなことも忘れて、達成感と高揚感が全身を包んだ。ビールも最高の味だった。毎年、期間限定で干支の縁起物チャームも販売していると公式HPに記載があり、残念ながら今年分はすでに販売終了したようだが、2025年は味のある「巳」が、期待できそうだ。
こんな暑い日は、絶対に絶対にオススメしないが、特別な店舗をハシゴしたり、限定品を求めて観光するのも楽しい。私のように究極に暇な方がいたら、ぜひやってみてほしい。
<TEXT/阪口ゆうこ>
【阪口ゆうこ】
1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___
残暑が厳しいこの日、「9月としては過去最高の暑さです」などと、朝の情報番組で若いアナウンサーの方が言っているのを見た。ここのところ毎日「過去最高です」を聞いている。つまりは、過去最高を毎日更新している。アナウンサーの方の笑顔に反し、視聴者である私は般若のような形相でそれを聞いている。
◆京都3店舗のみで販売されている縁起物
そしてついに、自分の中で何かが切れてしまったのか、暑いついでに「日本の中でも群を抜いて異常に暑い」で有名な、京都に行ってみた。というのも先月、日刊SPA!のスタバネタを探している最中に見つけてしまったのだ。
なんという破格のキュートさ。数年前に話題になったことを思い出して、同時に自分の中の化け物のような物欲が雄叫びを上げた。
御所人形の老舗として日本伝統の人形を作り続ける「島田耕園人形工房」と、スターバックス®︎が共同開発した京都の限定3店舗のみで2020年より販売されている「縁起物チャーム」と「御所人形チャーム」だ。この縁起物チャームと御所人形チャームは、福玉というガチャのようなボールの中に入っていて「中身は秘密」という遊び心溢れる運ゲーアイテムなのだ。
シロ・クロ・ミケの3柄の招き猫と駒犬、這児という赤ちゃんの5種類があり、それぞれには意味がある。
【縁起物チャーム招き猫土鈴シロ】清く美しいひとを招く
【縁起物チャーム招き猫土鈴クロ】黒字を招く
【縁起物チャーム招き猫土鈴ミケ】幸福を招く
【縁起物チャーム駒犬土鈴】子宝に恵まれる、安産多産のお守り
【御所人形チャーム這児】幼児の厄を祓う魔除けや身代わりの人形
◆京都3店舗のみで販売されている縁起物
それぞれの店舗にこの5種類がすべて売っているわけではない。手に入る縁起物チャームはそれぞれの店舗でちがう。3店舗共通で販売しているのは、這児と駒犬の2種類で、シロ・クロ・ミケの3種類は、それぞれの店舗で販売しているものがちがう。
その希少価値からか、某有名フリマサイトでは2倍以上の価格で転売が絶えないのである。そして、私事ではございますが、猫を飼っておりまして。それが真っ黒と真っ白の2匹であり、この手のグッズには目がないのである。一度雄叫びを上げた物欲は引っ込むことがなかった。涼しくなるのを待てなかったのだ。
京都に住む友人に「ノリで京都に行く」と伝えたら「命が惜しくないのか、この親不孝者」と言われたが、物欲に背中を押されて最高気温を叩き出す京都に向かった。
京都駅前からバスに乗ってまずは清水へ。こんなに暑いのに京都の観光客は恐ろしい数だった。海外の方も多いが日本人も多い。おそらく日本人は「こんなクソ暑い平日の昼間に、みんな何やってんの」と思っているだろう。私も思ったのでお互い様だ。
バスはギュウギュウでなかなか乗ることができず、3ターン目でやっと乗れた。
◆1店舗目:京都二寧坂ヤサカ茶屋店
ここはジャパンなのか。と、戸惑うほど海外の観光客が多い二寧坂。スターバックス®︎二寧坂ヤサカ茶屋店には、這児・駒犬・クロの3種が販売されている。
レジ前で「縁起物が欲しいです」と言うと、スタッフの方が奥からポケモンのモンスターボールのような福玉がたくさん入った木の箱をレジカウンターに出してくれた。
「当店舗では3種類を用意しているのですが、現在、駒犬を切らしております」とおっしゃった。ということは、この福玉の山には、這児とクロの2種類があるということになる。絶対にクロが欲しい筆者としては、ここで失敗するわけにはいかなかったので慎重になった。
というのも、お値段を見て吃驚仰天。2700YENという。一般ピーポーのお財布事情からするとお高い。
◆中身の見極め方!?
真剣な眼差しでひとつひとつ照明に透かしてみたが、中は見えない。どうしたものかと思案していたら、スタッフの方が「ちょっと振ってみてください」とおっしゃった。
ひとつひとつ振ってみると、音の違いがあることに気づいた。コロコロと中身が転がるだけの感触のものと、何かがカタカタとぶつかる音がするものがある。スタッフの方がおっしゃるには、駒犬と招き猫の3種は中に鈴が入っている仕様だが、這児だけは中に鈴が入っていない人形なのだとか。
そして、この日は駒犬が売り切れということは、コロコロと音が鳴るものはクロでしかないのである。「君に決めた!」とほぼポケモンのノリで、2つをお買い上げをした。
◆2店舗目:京都祇園ホテル店
二寧坂から歩いて12分。次は京都祇園アパホテル1階にある京都祇園ホテル店に向かった。ちなみにこの時点でTシャツは絞れるくらい汗を含んでいた。よりによってこんな暑い日にスタバ行脚するなんて、狂気の沙汰である。
乗る予定だったバスが目の前で発車した時は、朝に見たアナウンサーのお姉さんが脳内に歪みながら浮かんだ。
この店舗では、這児・駒犬・ミケが販売されている。レジカウンターには木製の島田耕園人形工房の紹介書きや福玉の説明書きがあった。
こちらには目的のものはなかったので、駒犬でもミケでもどっちでもいいという富豪の感覚でコロコロと音が鳴るものをひとつ購入した。
◆3店舗目:京阪祇園四条駅店
最後の店舗は、2店舗目の京都祇園ホテル店から歩いて8分のところに位置する、京阪祇園四条駅の構内にある店舗だ。
駅に続く階段が嬉しかった。古い映画で、地下で彷徨った人が地上に出る喜びを爆発させるシーンをみたことがあるが、私は真逆である。「ち……地下だ!やっと太陽から逃れられる!」。この瞬間は死ぬまで忘れない。
階段を降りると、すぐにスターバックス®︎がある。そして店内に入ると右手に商品棚があり、非常にひっそりと厳かに福玉が用意されていた。一般のお客さんなら見逃すだろう。しかし私は見逃さなかった。
この炎天下で歩き疲れ、目的をいち早く遂行し、コーヒーよりもビールを欲していたからだ。
最後の福玉。ここも運でしかない。いちばん上にあった福玉を振るとコロコロと音がしたのでそれをレジに持って行った。シロが出ますように。そして、一刻も早くビールにありつけますように。
◆そして結果は…
この、ガチャを開けるドキドキ感、嫌いな人はいないだろう。家に帰って早速、福玉のゴールドのテープの封を剥がして開封してみたら……なんと。
各店舗限定のシロ・クロ・ミケが大当たりしていた。そして、振ってもコロコロと音が鳴らなかった福玉の中はやはり這児だった。
背中には、木製の小さなプレートが付いていて、島田耕園とスターバックス®︎のコラボで、ご当地限定を表す「東山」の文字が書いてある。猫たちの後ろ姿の愛くるしさもたまらない。
暑くて溶けそうだったことも、縁起物を買ったことでこの記事の執筆料がぶっ飛びそうなことも忘れて、達成感と高揚感が全身を包んだ。ビールも最高の味だった。毎年、期間限定で干支の縁起物チャームも販売していると公式HPに記載があり、残念ながら今年分はすでに販売終了したようだが、2025年は味のある「巳」が、期待できそうだ。
こんな暑い日は、絶対に絶対にオススメしないが、特別な店舗をハシゴしたり、限定品を求めて観光するのも楽しい。私のように究極に暇な方がいたら、ぜひやってみてほしい。
<TEXT/阪口ゆうこ>
【阪口ゆうこ】
1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___