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10年ぶりに“運命の再会”した後輩とのデートがまさかの展開に。性格もまるで別人…

日刊SPA! 2024年10月12日 15時52分

 恋愛や婚活のツールとして一般化した「マッチングアプリ」。だが、時としてさまざまなトラブルやハプニングに巻き込まれることもある。今回は、大学時代の後輩とたまたまマッチングした男性が巻き込まれてしまった最悪の“出会い”を紹介していく。
◆大学時代の美人後輩と運命のマッチングに興奮

 30歳を過ぎた頃から友人の結婚式が立て続き、「結婚しないといけないな」と焦り始めていたシステムエンジニアの河田康平さん(仮名・32歳)。結婚した友人が「マッチングアプリで出会った」という話を聞き、昨年1月から、利用者の多い2つのマッチングアプリに登録し、活動を始めたそうだ。

 すると開始して数日後に、女性側から「いいね!」が届いていることに気づいた河田さん。お相手は、1歳下でパッチリとした大きな目が印象的なキレイな女性。まさかの逆アプローチに浮足立っていると、あることに気が付いたという。

「トップ画面の写真を見たときはキレイな子だなと浮かれていたのですが、他の写真やプロフィールを見ていると、どこかで会ったことがあるような気がして……。しばらくして、もう一方のアプリからも同じ子から「いいね!」が届いていたんです。

 そこでようやく、大学時代に所属していたゼミの後輩・大山美奈子さん(仮名・31歳)だということに気づきました。当時、合同ゼミで授業を受けたりしたことはあったけどあまり話した記憶もないし、連絡先も知らないので、自分だと気づいていないんだろうと思いました」

◆「先輩に気があったので……」と言われて再会することに

 すぐにアプリのメッセージで、素直に「××大学の××ゼミで1学年上だった河田です。久しぶりだね。俺だと気づかなかった?」と送った河田さん。

 すると、「お久しぶりです! もちろん覚えていますよ。当時から気になっていたので偶然見つけて『いいね!』しちゃいました」と返事が来たそうだ。

「昔から俺のこと気になっていたんだ……」と、さらに舞い上がった河田さんは、美奈子さんと数回メッセージのやり取りをして、まずは食事をすることに。彼女から新大久保にあるカレー屋を提案されて、そこでランチデートをする流れになったという。

 韓流ファンの若い女性たちでごった返す新大久保駅で待ち合わせしていると、清楚な美人が「河田さん! お久しぶりで~す!」と大声で手を振っていた。それが美奈子さんだった。

 ルックスは当時のままだったが、大学時代の彼女はすごく静かなイメージ。しかし、新大久保駅に待っていた彼女はまるで別人のようにハキハキとしていた性格になっていた。

「10年前の印象と違いすぎることは気になっていましたが、笑顔を絶やさずに話してくれてその場はすごく楽しかったんです。彼女の仕事が“フリーランスの営業”とのことだったので、きっと仕事をするうえでコミュニケーション能力も上がったのだろうと感心していました。これまでの恋愛遍歴や大学時代の話で盛り上がった後は、俺の仕事に関する話題が多かったですね」

◆ブラック労働の愚痴を親身に聞いてくれて……

 ここで違和感に気づいてもおかしくないが、当時の河田さんは、給料も少なく残業も多いシステムエンジニアの仕事にストレスが溜まっていたこともあり、「大変ですねぇ」「残業とかありえないですよ!」と仕事の愚痴を親身に聞いてくれる美奈子さんの言葉に救われたという。

「デートも終わりに近づいたとき、彼女が『私も前の仕事がツラくて辞めてしまったんです。でも、今の仕事を始めてからはストレスがかからないし、稼ぎも数倍になったんです』と言ってきました。彼女の仕事について気になりましたが、それ以上は語らず後日デートする約束だけして、その日は解散になりました。

 LINEを交換して、彼女の投稿を見ていると高額のバッグやコートを買った写真をアップしていて、本当に稼いでいるんだなと信じていました」

◆2度目のデートでいきなり“仮想通貨”の勧誘

 それから1週間後。またも新大久保駅に集合し、別のカフェでデートをすることに。河田さんは「お酒を飲まない?」と誘ったものの、美奈子さんは下戸ということでランチを提案。できればお酒を飲んで距離を縮めたかった河田さんだが、切り替えてランチデートを楽しもうと思い、待ち合わせ場所に向かったという。しかし、ここで彼女の本性が明らかになった。

「ランチプレートを食べ終わった後に、彼女の口から『仮想通貨って分かりますか?』という言葉が出たんです。

 俺は投資に興味がなかったので『聞いたことはあるけど……』とだけ答えると、これまで以上にハイテンションになって、『仮想通貨の代理業をやっているんですけど……』とまくしたててきました。その常軌を逸した目つきや口調にようやく違和感を覚えました」

 早口で語られた内容を要約すると、彼女はアメリカ生まれの新しい仮想通貨『S』の代理取引に関わっており、自分に初期費用60万円を預ければ3カ月で倍にさせることができるという勧誘だった。

 初心者の美奈子さんでも現在は月に200万近く稼げるようになったのは「AIを駆使した自動取引ツールがあるから」とも説明。さらに「河田さんも始めたら、ブラック労働から逃げられますよ。絶対稼げます!」と追い打ちをかけてきたという。

「勘の鈍い俺でも『これは詐欺じゃないか』と感じました。でも、いきなり彼女に反論することもできず『考えさせてほしい』と伝えると、慌てた彼女は『キャンペーンが終わりますよ。早くしないと稼げなくなりますよ』とムチャクチャなことを言ってきたので、ランチ代を渡して解散しました」

◆デート場所で“仮想通貨マルチ”だったと確信

 帰宅した河田さんは仮想通貨『S』について調べると、同様の勧誘を繰り返して会員を増やすマルチ商法が行われているニュース記事を発見。初期費用が戻らないまま連絡が取れなくなった大学生の被害が綴られていた。また、こうした仮想通貨マルチを行なう集団の拠点が“新大久保駅周辺”だということを知り、戦慄が走ったそうだ。

「待ち合わせ場所が2回とも“新大久保”であることにずっと疑問を持っていましたが、ようやく合点がいきましたね。最初に仕事の話をしつこく聞かれたとき、違和感に気づくべきでした……。それからも彼女からLINEでパーティーの誘いなどが来ましたがすべて無視しましたね」

◆アプリでの“運命の再会”の真相

 そもそも河田さんはマッチングアプリのプロフィール欄に大学名と学部を入力しており、美奈子さんは検索機能を利用して“運命の再会”を探っていたのではと推測。

「大学時代のキレイな後輩とマッチングできるなんて……と浮かれていた自分が情けないです。すぐにプロフィール欄の大学名や学部は伏せるようにしました」

 世の中にはドラマのような運命の再会も、ラクな金儲けもないことを痛感した河田さん。それからは地道にマッチングアプリで出会いを探し求め、公務員の彼女ができたそうだ。皆さんもウマすぎる話には要注意を!

<ライター/木田トウセイ>

【木田トウセイ】
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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