国内外の主要空港には、ほぼ必ず設置されているラウンジ。ビジネスクラス以上の乗客、または上級マイル会員、特定のクレジットカードやプライオリティ・パスの所有者など入室条件は各ラウンジで異なるが搭乗前にくつろぐことができ、利用資格を持つことが一種のステータスにもなっている。
会社員の峰村翔一さん(仮名・33歳)は、昨夏に休暇でタイを訪れた際、奮発して香港経由のキャセイパシフィック航空のビジネスクラスを利用。香港では約3時間半の乗り継ぎ時間があったが入国して市内観光するには短かったため、空港ラウンジに滞在することを選んだ。
◆横になるも隣のカップルが気になって寝れない
「実は、旅行系のYouTube動画が好きでキャセイ航空の香港のラウンジのレベルが高いのは知っていました。だから、ラウンジに行くことも自分の中では大きな旅の目的になっていたんです」
香港は同エアラインのハブ空港で、ターミナル内には5か所の直営ラウンジが存在。うち2か所はファーストクラス用ラウンジで利用資格がないため、迷った末に選んだのは『ザ・ピア』というラウンジ。ここはラウンジの奥に仮眠スペースを設けており、そこで横になってくつろぎたかったからだ。
「成田―香港のフライトは朝9時台と出発が早かったのでチェックインがギリギリになってしまい、成田のラウンジではコーヒーを飲む程度の時間しか滞在できなかったんです。それに前の晩、準備などで遅くまで起きていたこと、機内でも映画を観ていたから香港到着後は急に睡魔に襲われてしまって(苦笑)」
幸いにも仮眠スペースは空きがあったのでベッドを確保。シャワールームでさっぱりした後、軽くひと眠りしようと思ったがなかなか寝付くことはできなかった。その原因は隣のベッドを陣取っていた若い白人カップル。先程からずっとイチャついていたからだ。
「濃厚なキスでもしているのか粘着音が時折聞こえていました。そもそも会話する人もいない静かな場所ですし、そこまで神経質なタイプじゃなかったのですがあの時は気になってしまったんです」
◆静かにするように注意する別の男性客に対して逆ギレ
これだけなら百歩譲って“文化の違い”と見ることもできるが、若い2人はこれだけでは我慢できなかった。彼はその様子をチラ見した程度だったが、ベッドの上でもぞもぞと動く2人。しばらくすると吐息混じりに女性の嬌声が聞こえてきたそうだ。
「激しい喘ぎ声ではなかったですが、まさかここでおっぱじめるつもりなのかなって。この時点で睡魔は完全に吹っ飛んでしまい、いい加減にしろよと思いつつも好奇心でさらなる展開にちょっと期待している自分もいました(笑)」
すると、ここでカップルを挟んで反対側のベッドで横になっていた別の白人男性が「お楽しみのところ悪いが、もう少し静かにしてもらえないか」とやんわりと注意。これに対し、カップルの彼氏は謝るどころか「シャラップ!!(黙れ!!)」と返してしまう。
「いやいや、うるさいのはアンタらのほうだろとツッコみたい気分でしたが、この逆ギレにも言われた白人男性は動じていませんでした。40歳くらいのビジネスマン風の方でしたが、先程の柔らかな口調から打って変わって『うるさいから静かにしろって言ってんだよ!』と声を荒げていました」
ところが、困ったのはこの直後。男性が「君もそう思うだろ?」と話を振ってきたのだ。
◆そそくさとラウンジを出て行ったカップル
「この時がいちばん焦りました。とりあえず、『Yeah(そうですね)』と同意を示すとカップルの彼氏には一瞬睨まれましたが、さすがにバツが悪かったのか荷物を持って仮眠スペースからそそくさと出ていきました。
自分ひとりでは注意できなかったと思うので、男性にはよく言ってくれたと感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、あのままカップルを放置していたらもっと激しいことをした可能性は高かったでしょうし、そう考えると少しもったいないことをしたかもしれませんけど(笑)」
結局、寝るタイミングを逃してしまい、搭乗ゲートに向かうまで起きていた峰村さん。それでも目の前で調理してくるラウンジ名物の麺料理、ビールなどを飲み食いして満足いくひと時を過ごすことができたようだ。
◆問題のカップルは同じ飛行機の乗客だった
「ハプニングはありましたけど、旅行にこういうことは付き物ですから。ただ、驚いたのはカップルが同じ飛行機の乗客だったこと。さすがに機内には大人しく過ごしてたようですけどね」
日本にも一部の国際線ラウンジに仮眠スペースが設けられているが、ここは文字通り仮眠するための場所で起きていても静かにするのがルール。恋人と盛り上がってしまったのは理解できるが、周囲の迷惑なるような真似は控えてほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
―[乗り物で腹が立った話]―
会社員の峰村翔一さん(仮名・33歳)は、昨夏に休暇でタイを訪れた際、奮発して香港経由のキャセイパシフィック航空のビジネスクラスを利用。香港では約3時間半の乗り継ぎ時間があったが入国して市内観光するには短かったため、空港ラウンジに滞在することを選んだ。
◆横になるも隣のカップルが気になって寝れない
「実は、旅行系のYouTube動画が好きでキャセイ航空の香港のラウンジのレベルが高いのは知っていました。だから、ラウンジに行くことも自分の中では大きな旅の目的になっていたんです」
香港は同エアラインのハブ空港で、ターミナル内には5か所の直営ラウンジが存在。うち2か所はファーストクラス用ラウンジで利用資格がないため、迷った末に選んだのは『ザ・ピア』というラウンジ。ここはラウンジの奥に仮眠スペースを設けており、そこで横になってくつろぎたかったからだ。
「成田―香港のフライトは朝9時台と出発が早かったのでチェックインがギリギリになってしまい、成田のラウンジではコーヒーを飲む程度の時間しか滞在できなかったんです。それに前の晩、準備などで遅くまで起きていたこと、機内でも映画を観ていたから香港到着後は急に睡魔に襲われてしまって(苦笑)」
幸いにも仮眠スペースは空きがあったのでベッドを確保。シャワールームでさっぱりした後、軽くひと眠りしようと思ったがなかなか寝付くことはできなかった。その原因は隣のベッドを陣取っていた若い白人カップル。先程からずっとイチャついていたからだ。
「濃厚なキスでもしているのか粘着音が時折聞こえていました。そもそも会話する人もいない静かな場所ですし、そこまで神経質なタイプじゃなかったのですがあの時は気になってしまったんです」
◆静かにするように注意する別の男性客に対して逆ギレ
これだけなら百歩譲って“文化の違い”と見ることもできるが、若い2人はこれだけでは我慢できなかった。彼はその様子をチラ見した程度だったが、ベッドの上でもぞもぞと動く2人。しばらくすると吐息混じりに女性の嬌声が聞こえてきたそうだ。
「激しい喘ぎ声ではなかったですが、まさかここでおっぱじめるつもりなのかなって。この時点で睡魔は完全に吹っ飛んでしまい、いい加減にしろよと思いつつも好奇心でさらなる展開にちょっと期待している自分もいました(笑)」
すると、ここでカップルを挟んで反対側のベッドで横になっていた別の白人男性が「お楽しみのところ悪いが、もう少し静かにしてもらえないか」とやんわりと注意。これに対し、カップルの彼氏は謝るどころか「シャラップ!!(黙れ!!)」と返してしまう。
「いやいや、うるさいのはアンタらのほうだろとツッコみたい気分でしたが、この逆ギレにも言われた白人男性は動じていませんでした。40歳くらいのビジネスマン風の方でしたが、先程の柔らかな口調から打って変わって『うるさいから静かにしろって言ってんだよ!』と声を荒げていました」
ところが、困ったのはこの直後。男性が「君もそう思うだろ?」と話を振ってきたのだ。
◆そそくさとラウンジを出て行ったカップル
「この時がいちばん焦りました。とりあえず、『Yeah(そうですね)』と同意を示すとカップルの彼氏には一瞬睨まれましたが、さすがにバツが悪かったのか荷物を持って仮眠スペースからそそくさと出ていきました。
自分ひとりでは注意できなかったと思うので、男性にはよく言ってくれたと感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、あのままカップルを放置していたらもっと激しいことをした可能性は高かったでしょうし、そう考えると少しもったいないことをしたかもしれませんけど(笑)」
結局、寝るタイミングを逃してしまい、搭乗ゲートに向かうまで起きていた峰村さん。それでも目の前で調理してくるラウンジ名物の麺料理、ビールなどを飲み食いして満足いくひと時を過ごすことができたようだ。
◆問題のカップルは同じ飛行機の乗客だった
「ハプニングはありましたけど、旅行にこういうことは付き物ですから。ただ、驚いたのはカップルが同じ飛行機の乗客だったこと。さすがに機内には大人しく過ごしてたようですけどね」
日本にも一部の国際線ラウンジに仮眠スペースが設けられているが、ここは文字通り仮眠するための場所で起きていても静かにするのがルール。恋人と盛り上がってしまったのは理解できるが、周囲の迷惑なるような真似は控えてほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
―[乗り物で腹が立った話]―