過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年8月6日 記事は取材時の状況、ご注意ください) * * *
いまや65歳定年が普通になったが、「ホンネを言えば60歳で仕事を辞めたい」という人は多いはず。そのために必要なのは、やはりお金だ。年収ダウンの再雇用にすがることなく、爽やかに会社との別れを告げるにはどんな戦略が必要なのか。老後資金、退職金、住居費などを多角的に分析!
◆定年退職を機に海外へ移住
60歳の誕生日を機に会社を定年退職。2年前にビーチリゾートとして知られるタイのパタヤに移住したのが、小野公則さん(62歳)だ。
「退職金2000万円と持っていた1LDKマンションが800万円弱で売れたので、計2800万円を元手に移住しましたが、大正解でしたね。もちろん独身だからできたことですが、築浅50㎡のコンドミニアムを680万円で買い、今は猫と楽しく暮らしています」
小野さんが移住を決めたのは50代前半のこと。タイを訪れたことがあったのに加え、自分の老後をシミュレーションした結果、「日本では年金頼りで生活をするとすり減るだけだが、タイならゆとりある暮らしができる」と判断した。
◆日本での年金生活はカツカツだがタイでは余裕
「65歳から年金をもらう場合、僕は額面で約14万7000円の予定です。日本ではこの額だとカツカツの生活ですが、タイなら物価が安いので生活費は8万円ほどで済む。普通に暮らしながら6万円は貯蓄できます。
当初はバンコクも考えたのですが、パタヤのほうが物価は2割ほど安く、環境もいいので選びました」
◆最低1200万円あればパタヤに移住可能
もちろん移住となれば他にもコストがかかる。ただ、「最低でも1200万円あればパタヤに移住できる」と言う。
「移住後に賃貸と購入のどちらを選ぶかでコストが変わります。パタヤの場合、私と同程度のコンドミニアムを買うなら800万円ほど必要です。さらに移住手続きや交通費、年金受給までの5年間の生活費(月8万円)を足すと、だいたい1800万円になります。
一方、賃貸なら購入費はかかりませんが、月4万円ほどの家賃がかかる計算で、5年で約1200万円ですね」
◆海外生活での主な不安は…
とはいえ、いきなりの海外生活で不安はないのか?
「しいていえば健康ですね。日常で使う薬は街のクリニックで安く手に入るのですが、手術や高度な医療を受ける必要が出ると医療費が一気に跳ね上がります。相談できる人が周囲にいないのもリスク。なので、予想外の出費を想定して、60歳の段階で3000万円くらいあると、より安心だと思いますね」
今は「ゆっくり起きて散歩やプールやジムに行き、あとは自宅で動画を観てのんびり暮らしている」と、スローライフを満喫する小野さん。このような自由な暮らしもマネー戦略次第で夢ではない。
取材・文/週刊SPA!編集部
いまや65歳定年が普通になったが、「ホンネを言えば60歳で仕事を辞めたい」という人は多いはず。そのために必要なのは、やはりお金だ。年収ダウンの再雇用にすがることなく、爽やかに会社との別れを告げるにはどんな戦略が必要なのか。老後資金、退職金、住居費などを多角的に分析!
◆定年退職を機に海外へ移住
60歳の誕生日を機に会社を定年退職。2年前にビーチリゾートとして知られるタイのパタヤに移住したのが、小野公則さん(62歳)だ。
「退職金2000万円と持っていた1LDKマンションが800万円弱で売れたので、計2800万円を元手に移住しましたが、大正解でしたね。もちろん独身だからできたことですが、築浅50㎡のコンドミニアムを680万円で買い、今は猫と楽しく暮らしています」
小野さんが移住を決めたのは50代前半のこと。タイを訪れたことがあったのに加え、自分の老後をシミュレーションした結果、「日本では年金頼りで生活をするとすり減るだけだが、タイならゆとりある暮らしができる」と判断した。
◆日本での年金生活はカツカツだがタイでは余裕
「65歳から年金をもらう場合、僕は額面で約14万7000円の予定です。日本ではこの額だとカツカツの生活ですが、タイなら物価が安いので生活費は8万円ほどで済む。普通に暮らしながら6万円は貯蓄できます。
当初はバンコクも考えたのですが、パタヤのほうが物価は2割ほど安く、環境もいいので選びました」
◆最低1200万円あればパタヤに移住可能
もちろん移住となれば他にもコストがかかる。ただ、「最低でも1200万円あればパタヤに移住できる」と言う。
「移住後に賃貸と購入のどちらを選ぶかでコストが変わります。パタヤの場合、私と同程度のコンドミニアムを買うなら800万円ほど必要です。さらに移住手続きや交通費、年金受給までの5年間の生活費(月8万円)を足すと、だいたい1800万円になります。
一方、賃貸なら購入費はかかりませんが、月4万円ほどの家賃がかかる計算で、5年で約1200万円ですね」
◆海外生活での主な不安は…
とはいえ、いきなりの海外生活で不安はないのか?
「しいていえば健康ですね。日常で使う薬は街のクリニックで安く手に入るのですが、手術や高度な医療を受ける必要が出ると医療費が一気に跳ね上がります。相談できる人が周囲にいないのもリスク。なので、予想外の出費を想定して、60歳の段階で3000万円くらいあると、より安心だと思いますね」
今は「ゆっくり起きて散歩やプールやジムに行き、あとは自宅で動画を観てのんびり暮らしている」と、スローライフを満喫する小野さん。このような自由な暮らしもマネー戦略次第で夢ではない。
取材・文/週刊SPA!編集部