「これはすごいな、“本物”のアイドルだ……」
吸い込まれそうな瞳。ファインダー越しに彼女を見つめるカメラマンが、思わず感嘆の声を漏らした。
10月4日で12周年を迎えたアイドルグループ「ゆるめるモ!」の新メンバー、らきさん。アイドルになってまだ間もないが、すでにSNSでは何度もバズを経験し、大きな注目を集めている。そんな彼女が何者なのか、まだ一般的にはあまり知られていない。
そこで今回は、インタビューを申し込んでみたのである。
◆SNSで話題のアイドルを直撃!
「自分の単独企画として取材を受けるのが初めてで、すごく緊張しています……」
じつは事前にスタッフと“インタビューの練習”をしたそうで、その様子の動画を送ってくれていたのだ。初々しくて可愛くて、筆者はもう会う前から“胸キュン”だった。
SNSでは「あのちゃん(元メンバー)に似ている」との声もある。だが、らきさんは「私は私なりにがんばるつもりです」と話す。
今でこそステージで輝いているが、もともとはかなりの人見知りで、人前に出るどころか、人と話すこと自体が苦手だった。
「小学生の頃は本当に人前で全く喋れなかったんです。発表会や授業中の音読とかは、友達に助けてもらっていました」
そんななかでも絵を描くことが大好きだったらきさん。
休み時間になると、ずっとスケッチブックに向かっていたという。
◆お姉ちゃんのステージを見て「私もアイドルになりたい!」
引っ込み思案だった彼女に心境の変化が訪れる。
「お姉ちゃんがアイドルになったんです。本当に王道な感じの。私はアイドルには興味がなくてよく知らなかったんですが、お姉ちゃんのステージを見て『すごい! 私もアイドルになりたい!ステージに立ってみたい!』と思うようになったんです」
らきさんは姉が所属する事務所のオーディションを受けた。そして見事、一次審査に合格し、二次審査に進んだにもかかわらず、「辞退してしまいました」と話す。
いったい、何があったのだろうか?
「自分に自信がなくて、やっぱり無理かなあって。当時は垢抜けていなかったし、お姉ちゃんと一緒にアイドルになりたかったんだけど、もしも受かっても違うグループになっちゃうし、今のままでもいいかなあ……もじもじ……みたいな心境でした(笑)」
◆ゆるめるモ!の曲が苦しい学校生活で“心の支え”に
ちょうどその頃、通っていた中学校では苦境に立たされていたらきさん。
「“いじめ”というほどではないかもしれないけど、あんまり人間関係がうまくいかなくて、へんに真面目な部分があったので学校を休むってことを知らなくて。毎日泣きながら登校していました。
友達もいない、部活も入っていない、そんな私の“心の支え”になったのが、ゆるめるモ!の『Only You』という曲でした。最初は歌詞の意味までは考えなかったんですが、とにかくメロディーを聴いているとテンションが上がって。
ゆるめるモ!の存在は、あのちゃんのSNSで知りました。それで、『Only You』を聴きながら頑張って学校に通っていたら、友達ができて。そしたら、また急に『アイドルになりたい』という思いが湧いてくるようになったんですよね」
◆大きなステージで歌っている自分の姿が想像できた
らきさんは再び「お姉ちゃんと一緒にやりたい」と考えたが、それは現実的には難しかったという。
「じゃあどこで? 誰とアイドルをやろう? って考えたときに、苦しい時期を救ってくれたゆるめるモ!でアイドルがやりたい。そう思って検索したら、たまたまオーディションがあったんです」
オーディションは、ゆるめるモ!結成以来、11年ぶりのものだった。
「もう『やったー!』って、受かってもいないのに喜んでいました。アイドルの先輩であるお姉ちゃんは『本当にゆるめるモ!受けるの?』なんて言っていましたが(笑)、なぜかオーディションの時点で、自分がゆるめるモ!に加入して、大きなステージで歌っている姿が想像できたんです」
◆家族の応援でなんとか審査を通過
らきさんの母親はタロット占いが趣味で、よく当たるそうだが、ゆるめるモ!のオーディションに関連する占いを何回しても不思議と縁起の良いカードしか出てこなかったという。
「しかもオーディションの締切は私の誕生日。もうこれは受けるしかない!と思いました」
オーディションは一次審査、二次審査と順調に進んだが、三次審査はらきさんが大の苦手だという“ライブ配信”だった。
「最初は本当にやりたくなくて、家族に『頑張れ!』って応援してもらいながら、なんとか乗り切ったというか。毎日2〜3時間、ずっと家族に見守ってもらいながらライブ配信していましたね」
◆最終審査に合格「とりあえず頑張ってみようかな」
いよいよ最終審査に進んだが、大一番の日、らきさんは10分の遅刻&忘れ物をしてしまう。
「この日は終始冷や汗で『まわりのみんなはちゃんとしているのに(泣)』って、かなり焦りました。最終審査は3チームに分かれてダンスと歌を披露したのですが、終わってから結果が発表されるまで3時間以上待たされました」
らきさんは誰とも会話をせず、おとなしく結果を待っていたそう。自分の名前が呼ばれた瞬間は「本当に受かっちゃった!」と“動揺”したそうだ。
「そのときは正直、“今からでも辞めようかな……”と思いました(笑)。でも、やってみないとわからないし、とりあえず頑張ってみようかなって」
◆驚きの連続でも「成長を実感」
しかし実際に加入してみると驚くことばかりだったという。
「ゆるめるモ!ってグループ名とコンセプト(※窮屈な世の中を私達がゆるめるもん!)から活動もゆるいと思っていたのに、ぜんぜん大変でびっくり(笑)。めちゃくちゃしっかりとやる感じで驚きましたね。
デビュー時は声が出なくて、プロデューサーに『高いのはやめてください』と直談判したり。でも今は出なかった高音も出るようになったので、自分でも成長を感じているし、なにより歌うことがより楽しくなりました」
◆“家で毎日ゴロゴロ”の生活が一変!
成長を実感しているのはアイドル活動だけではなく、私生活の中でもあったようだ。
「以前は、あまり外出しなかったので電車にも1人で乗れなかったんですよ。今でも乗り換えは微妙だけど、1人で電車に乗ったり、出かけたりすることができるようになりました。
家で毎日ゴロゴロしかしていなかったのに、ゆるめるモ!に加入してからは、週5日はお仕事をしている。まさに生活が一変しましたね」
10月で結成12年周年を迎えたゆるめるモ!。ライブにイベントにレッスンと、多忙を極めるらきさんだが、今後の野望とは?
「ゆるめるモ!でZeppツアーがやりたい!あとはイラストを描くのも好きだから、イラストも描き続けたいですね。
よく意外って驚かれますが、じつはモータースポーツが好きで、バイクの免許をいつか取りたいと思っています。そのうち仕事やコラボとかできたら嬉しいな!」
自身の辛い時期を救ってくれたゆるめるモ!に加入して、アイドル活動を始めたらきさん。今後は彼女が悩める誰かを救っていくに違いない。
<取材・文/吉沢さりぃ、編集・撮影/藤井厚年>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
吸い込まれそうな瞳。ファインダー越しに彼女を見つめるカメラマンが、思わず感嘆の声を漏らした。
10月4日で12周年を迎えたアイドルグループ「ゆるめるモ!」の新メンバー、らきさん。アイドルになってまだ間もないが、すでにSNSでは何度もバズを経験し、大きな注目を集めている。そんな彼女が何者なのか、まだ一般的にはあまり知られていない。
そこで今回は、インタビューを申し込んでみたのである。
◆SNSで話題のアイドルを直撃!
「自分の単独企画として取材を受けるのが初めてで、すごく緊張しています……」
じつは事前にスタッフと“インタビューの練習”をしたそうで、その様子の動画を送ってくれていたのだ。初々しくて可愛くて、筆者はもう会う前から“胸キュン”だった。
SNSでは「あのちゃん(元メンバー)に似ている」との声もある。だが、らきさんは「私は私なりにがんばるつもりです」と話す。
今でこそステージで輝いているが、もともとはかなりの人見知りで、人前に出るどころか、人と話すこと自体が苦手だった。
「小学生の頃は本当に人前で全く喋れなかったんです。発表会や授業中の音読とかは、友達に助けてもらっていました」
そんななかでも絵を描くことが大好きだったらきさん。
休み時間になると、ずっとスケッチブックに向かっていたという。
◆お姉ちゃんのステージを見て「私もアイドルになりたい!」
引っ込み思案だった彼女に心境の変化が訪れる。
「お姉ちゃんがアイドルになったんです。本当に王道な感じの。私はアイドルには興味がなくてよく知らなかったんですが、お姉ちゃんのステージを見て『すごい! 私もアイドルになりたい!ステージに立ってみたい!』と思うようになったんです」
らきさんは姉が所属する事務所のオーディションを受けた。そして見事、一次審査に合格し、二次審査に進んだにもかかわらず、「辞退してしまいました」と話す。
いったい、何があったのだろうか?
「自分に自信がなくて、やっぱり無理かなあって。当時は垢抜けていなかったし、お姉ちゃんと一緒にアイドルになりたかったんだけど、もしも受かっても違うグループになっちゃうし、今のままでもいいかなあ……もじもじ……みたいな心境でした(笑)」
◆ゆるめるモ!の曲が苦しい学校生活で“心の支え”に
ちょうどその頃、通っていた中学校では苦境に立たされていたらきさん。
「“いじめ”というほどではないかもしれないけど、あんまり人間関係がうまくいかなくて、へんに真面目な部分があったので学校を休むってことを知らなくて。毎日泣きながら登校していました。
友達もいない、部活も入っていない、そんな私の“心の支え”になったのが、ゆるめるモ!の『Only You』という曲でした。最初は歌詞の意味までは考えなかったんですが、とにかくメロディーを聴いているとテンションが上がって。
ゆるめるモ!の存在は、あのちゃんのSNSで知りました。それで、『Only You』を聴きながら頑張って学校に通っていたら、友達ができて。そしたら、また急に『アイドルになりたい』という思いが湧いてくるようになったんですよね」
◆大きなステージで歌っている自分の姿が想像できた
らきさんは再び「お姉ちゃんと一緒にやりたい」と考えたが、それは現実的には難しかったという。
「じゃあどこで? 誰とアイドルをやろう? って考えたときに、苦しい時期を救ってくれたゆるめるモ!でアイドルがやりたい。そう思って検索したら、たまたまオーディションがあったんです」
オーディションは、ゆるめるモ!結成以来、11年ぶりのものだった。
「もう『やったー!』って、受かってもいないのに喜んでいました。アイドルの先輩であるお姉ちゃんは『本当にゆるめるモ!受けるの?』なんて言っていましたが(笑)、なぜかオーディションの時点で、自分がゆるめるモ!に加入して、大きなステージで歌っている姿が想像できたんです」
◆家族の応援でなんとか審査を通過
らきさんの母親はタロット占いが趣味で、よく当たるそうだが、ゆるめるモ!のオーディションに関連する占いを何回しても不思議と縁起の良いカードしか出てこなかったという。
「しかもオーディションの締切は私の誕生日。もうこれは受けるしかない!と思いました」
オーディションは一次審査、二次審査と順調に進んだが、三次審査はらきさんが大の苦手だという“ライブ配信”だった。
「最初は本当にやりたくなくて、家族に『頑張れ!』って応援してもらいながら、なんとか乗り切ったというか。毎日2〜3時間、ずっと家族に見守ってもらいながらライブ配信していましたね」
◆最終審査に合格「とりあえず頑張ってみようかな」
いよいよ最終審査に進んだが、大一番の日、らきさんは10分の遅刻&忘れ物をしてしまう。
「この日は終始冷や汗で『まわりのみんなはちゃんとしているのに(泣)』って、かなり焦りました。最終審査は3チームに分かれてダンスと歌を披露したのですが、終わってから結果が発表されるまで3時間以上待たされました」
らきさんは誰とも会話をせず、おとなしく結果を待っていたそう。自分の名前が呼ばれた瞬間は「本当に受かっちゃった!」と“動揺”したそうだ。
「そのときは正直、“今からでも辞めようかな……”と思いました(笑)。でも、やってみないとわからないし、とりあえず頑張ってみようかなって」
◆驚きの連続でも「成長を実感」
しかし実際に加入してみると驚くことばかりだったという。
「ゆるめるモ!ってグループ名とコンセプト(※窮屈な世の中を私達がゆるめるもん!)から活動もゆるいと思っていたのに、ぜんぜん大変でびっくり(笑)。めちゃくちゃしっかりとやる感じで驚きましたね。
デビュー時は声が出なくて、プロデューサーに『高いのはやめてください』と直談判したり。でも今は出なかった高音も出るようになったので、自分でも成長を感じているし、なにより歌うことがより楽しくなりました」
◆“家で毎日ゴロゴロ”の生活が一変!
成長を実感しているのはアイドル活動だけではなく、私生活の中でもあったようだ。
「以前は、あまり外出しなかったので電車にも1人で乗れなかったんですよ。今でも乗り換えは微妙だけど、1人で電車に乗ったり、出かけたりすることができるようになりました。
家で毎日ゴロゴロしかしていなかったのに、ゆるめるモ!に加入してからは、週5日はお仕事をしている。まさに生活が一変しましたね」
10月で結成12年周年を迎えたゆるめるモ!。ライブにイベントにレッスンと、多忙を極めるらきさんだが、今後の野望とは?
「ゆるめるモ!でZeppツアーがやりたい!あとはイラストを描くのも好きだから、イラストも描き続けたいですね。
よく意外って驚かれますが、じつはモータースポーツが好きで、バイクの免許をいつか取りたいと思っています。そのうち仕事やコラボとかできたら嬉しいな!」
自身の辛い時期を救ってくれたゆるめるモ!に加入して、アイドル活動を始めたらきさん。今後は彼女が悩める誰かを救っていくに違いない。
<取材・文/吉沢さりぃ、編集・撮影/藤井厚年>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720