お笑いトリオ・ジャングルポケットの元メンバーだった斉藤慎二が、ロケバス車内で起こした事件。
被害に遭った女性のことを思うと残念で仕方ないが、芸能人たちが乗り込む“ロケバス車内”は、一般的にはイメージしにくいかもしれない。筆者(吉沢さりぃ)は最近、ほとんど表立った仕事をしていないが、一応はグラビアアイドル。何度もロケバスに乗った経験がある。
そういった行為が起きたという話は聞いたことがないが、今回は、筆者がロケバス車内で経験した少し変わった出来事を紹介しよう。
◆絶対に寝てはいけないロケバス
ある地方番組のロケバスでのことだった。その収録は女の子が多く、5人くらいいたはず。
番組のプロデューサーとスタッフ、そして女の子たちを乗せてロケバスは出発。
「さぁて、寝ますか……」
筆者はまだスッピンのままだったが、収録前に顔をつくればいいでしょと、上着を顔までかけて寝る気満々だった。すると、若いアイドルの子が驚きながら「さりぃさん! 寝たらダメですよ!」と、小声で言いながら筆者を揺らしてきたのだ。
「なんの冗談ですか……私は朝まで飲んでいたので眠いんですよ、寝るよ」と伝え、また上着をかけて寝ようとすると「ダメです! この番組の移動は寝たらダメなんです!」と、大量のフリスクを見せられた。
「嘘だろ」と思いつつも、30分だけ頑張って起きていたが……。
◆「本当に寝たらやばいのかも……」
30分経っても本当に誰も寝ない。若いアイドルは、気が狂ったようにフリスクを口に入れ続け、先輩グラドルはコックリコックリしながらも、爪を立てて腕をかきむしっていた。
筆者は「こりゃ本当に寝たらやばいのかも……」と耐え抜くことを決意した。
目的地に着き、収録をこなす。動いたり話したりしている間は、まぁなんとか持ち堪えた。問題は帰りだ。
自業自得だが、朝まで飲んでロケバスで眠る!という予定でいたため、昨日は無睡眠でまぶたは限界。寝てはいけないにもかかわらず、メンバー全員がおとなしくてあまり喋らないし、よくわからないバラード曲までかかっているし、ロケバス運転手の運転がうますぎて「寝ろ!」と言われているような状況だった。
◆「寝たら仕事をクビ」なのに大爆睡
そもそも、なぜ寝たらいけないんだろうか? フリスクの子に聞いてみると「寝たらもう撮影に呼ばれないらしいですよ」という。
意味不明な理由だが、当時、本当にド底辺のグラドルだった筆者は、仕事ひとつでも失ったら一巻の終わり、絶対に寝てはいけない、寝たら終わる、寝たら干される、ダメだ、寝たらダメだ……と思った。
結果、筆者は寝た。それどころか大爆睡して、周囲に寝言まで披露していたらしい。
フリスクの子が何度も起こそうとしたが、もう無理だと諦めたそうだ。
到着して目覚めたときはこの世の終わりかと思ったが「吉沢、お前スゲェな。ここまで寝るなって言われて爆睡できるって逆にすごい」と評価(?)されたのだ。
その後も収録に呼ばれ、ロケバスに乗るたびに気をつけていたものの、たいてい爆睡。その度胸を買われたのか知らないが、クビは繋がっていたのだ。
◆枕営業で有名な子を「彼女」と言い張るプロデューサー
他にはこんなことがあった。これまた女の子ばかりのロケバスでの移動中。
番組のプロデューサーが彼のやっている番組にメインで出演している女の子のことを「俺の“彼女”がさぁ〜」と言って、のろけはじめたのだ。
まぁ薄々そんな感じだろうとは思っていたが、その“彼女”さんは枕営業で有名な子だった。仕事をくれる人にはもちろんのこと、最後までしているのかまでは知らないが、ファンの人にもご奉仕しているような子だった。
筆者も含め、まわりの女の子はみんなその事実を知っていたので「この人にも手を出しているんだ!」と思いつつも、全員が苦笑しながら「良いですねぇ」「彼女さん綺麗ですよねぇ」などと言って、話を合わせていた。
◆聞きたくない話が延々と続く…
気を良くしたプロデューサーは、出会いからデートの様子、彼女の生い立ちまで話したが……住所や年齢、家族構成など、我々が彼女から聞かされている話とだいぶ食い違っていた。
「あれ、彼女さんってあそこに住んでいるんじゃないでしたっけ?」「あれ、兄弟いましたっけ?」などと、わざわざ聞き返す子もいて面白かった。
筆者は余計なことを言って、変な事態に巻き込まれたくないと思い、聞き流しているうちにまた寝てしまった。たかだか1時間の移動だったが、ものすごく長く感じた。
そういえば、筆者はもうずいぶんロケバスに乗るような仕事をしていないが、車内で寝たらダメなのもきついが、こういう話が続くのもきついなと、改めて思ってしまった。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
被害に遭った女性のことを思うと残念で仕方ないが、芸能人たちが乗り込む“ロケバス車内”は、一般的にはイメージしにくいかもしれない。筆者(吉沢さりぃ)は最近、ほとんど表立った仕事をしていないが、一応はグラビアアイドル。何度もロケバスに乗った経験がある。
そういった行為が起きたという話は聞いたことがないが、今回は、筆者がロケバス車内で経験した少し変わった出来事を紹介しよう。
◆絶対に寝てはいけないロケバス
ある地方番組のロケバスでのことだった。その収録は女の子が多く、5人くらいいたはず。
番組のプロデューサーとスタッフ、そして女の子たちを乗せてロケバスは出発。
「さぁて、寝ますか……」
筆者はまだスッピンのままだったが、収録前に顔をつくればいいでしょと、上着を顔までかけて寝る気満々だった。すると、若いアイドルの子が驚きながら「さりぃさん! 寝たらダメですよ!」と、小声で言いながら筆者を揺らしてきたのだ。
「なんの冗談ですか……私は朝まで飲んでいたので眠いんですよ、寝るよ」と伝え、また上着をかけて寝ようとすると「ダメです! この番組の移動は寝たらダメなんです!」と、大量のフリスクを見せられた。
「嘘だろ」と思いつつも、30分だけ頑張って起きていたが……。
◆「本当に寝たらやばいのかも……」
30分経っても本当に誰も寝ない。若いアイドルは、気が狂ったようにフリスクを口に入れ続け、先輩グラドルはコックリコックリしながらも、爪を立てて腕をかきむしっていた。
筆者は「こりゃ本当に寝たらやばいのかも……」と耐え抜くことを決意した。
目的地に着き、収録をこなす。動いたり話したりしている間は、まぁなんとか持ち堪えた。問題は帰りだ。
自業自得だが、朝まで飲んでロケバスで眠る!という予定でいたため、昨日は無睡眠でまぶたは限界。寝てはいけないにもかかわらず、メンバー全員がおとなしくてあまり喋らないし、よくわからないバラード曲までかかっているし、ロケバス運転手の運転がうますぎて「寝ろ!」と言われているような状況だった。
◆「寝たら仕事をクビ」なのに大爆睡
そもそも、なぜ寝たらいけないんだろうか? フリスクの子に聞いてみると「寝たらもう撮影に呼ばれないらしいですよ」という。
意味不明な理由だが、当時、本当にド底辺のグラドルだった筆者は、仕事ひとつでも失ったら一巻の終わり、絶対に寝てはいけない、寝たら終わる、寝たら干される、ダメだ、寝たらダメだ……と思った。
結果、筆者は寝た。それどころか大爆睡して、周囲に寝言まで披露していたらしい。
フリスクの子が何度も起こそうとしたが、もう無理だと諦めたそうだ。
到着して目覚めたときはこの世の終わりかと思ったが「吉沢、お前スゲェな。ここまで寝るなって言われて爆睡できるって逆にすごい」と評価(?)されたのだ。
その後も収録に呼ばれ、ロケバスに乗るたびに気をつけていたものの、たいてい爆睡。その度胸を買われたのか知らないが、クビは繋がっていたのだ。
◆枕営業で有名な子を「彼女」と言い張るプロデューサー
他にはこんなことがあった。これまた女の子ばかりのロケバスでの移動中。
番組のプロデューサーが彼のやっている番組にメインで出演している女の子のことを「俺の“彼女”がさぁ〜」と言って、のろけはじめたのだ。
まぁ薄々そんな感じだろうとは思っていたが、その“彼女”さんは枕営業で有名な子だった。仕事をくれる人にはもちろんのこと、最後までしているのかまでは知らないが、ファンの人にもご奉仕しているような子だった。
筆者も含め、まわりの女の子はみんなその事実を知っていたので「この人にも手を出しているんだ!」と思いつつも、全員が苦笑しながら「良いですねぇ」「彼女さん綺麗ですよねぇ」などと言って、話を合わせていた。
◆聞きたくない話が延々と続く…
気を良くしたプロデューサーは、出会いからデートの様子、彼女の生い立ちまで話したが……住所や年齢、家族構成など、我々が彼女から聞かされている話とだいぶ食い違っていた。
「あれ、彼女さんってあそこに住んでいるんじゃないでしたっけ?」「あれ、兄弟いましたっけ?」などと、わざわざ聞き返す子もいて面白かった。
筆者は余計なことを言って、変な事態に巻き込まれたくないと思い、聞き流しているうちにまた寝てしまった。たかだか1時間の移動だったが、ものすごく長く感じた。
そういえば、筆者はもうずいぶんロケバスに乗るような仕事をしていないが、車内で寝たらダメなのもきついが、こういう話が続くのもきついなと、改めて思ってしまった。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720