2024年4月からスタートし、高視聴率をマークした朝の連続テレビ小説『虎に翼』で主人公・寅子を演じて、名実ともに現役トップ俳優になった伊藤沙莉。
子役時代に活躍した後は数年伸び悩む期間を経たものの、『ひよっこ』（NHK）、『獣になれない私たち』（日本テレビ系）などで個性的でクセのある脇役を演じて、ついには若手女優界のトップに躍り出た。
そんな伊藤沙莉に続くブレイク必至の俳優は放送中の秋ドラマに存在するのか？ 最前線の現場で活躍するテレビマンたちが惚れこむ、主演以外の逸材俳優を教えてもらった。
◆世界的な評価を得るクールビューティ・仁村紗和
まずは、サスペンスドラマを得意とする40代のドラマプロデューサー・Ａ氏はこう語る。
「『若草物語 -恋する姉妹と恋せぬ私-』（日本テレビ系、日曜午後10時30分～）に出演している仁村紗和さん。すでにいろんな作品に引っ張りだこの彼女ですが、同作をきっかけに国民的な女優への足掛かりを掴むだろうと思っています。
昨年オンエアされた『SHUT UP』（テレビ東京系）で芯のある主人公・由希を演じて「アジアコンテンツアワード＆グローバルOTTアワード2024」最優秀新人賞を受賞したり、『わたしのお嫁くん』（フジテレビ系）で演じたクセの強いキャラ・赤嶺がSNSで大きな反響を呼んだり、カメレオンのようにキャラクターを演じ分けるセンスは同世代の女優の中でも群を抜いています。
同作でも、結婚を夢見る四姉妹の長女・恵を演じていますが、しっかり者だがモヤモヤを抱える役どころがリアルで説得力がある。クールビューティで凛としたルックスは、男女どちらからも支持されるはずです」
世界でも評価を受ける、次世代のカメレオン女優から目が離せなそうだ。さらに、Ａ氏は注目する2人の俳優も挙げた。
◆舞台から飛躍を遂げる柿澤勇人と味方良介
「秋ドラマで『全領域異常解決室』（フジテレビ系・水曜午後10時～）と『ライオンの隠れ家』（TBS系・金曜午後10時～）の2作に出演している柿澤勇人さんですね。
劇団四季出身のミュージカル俳優ですが、近年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』（ＮＨＫ）や『不適切にもほどがある！』（TBS系）などのドラマに出演。
彫りの深い色気を感じさせるルックスは華がありますし、ミュージカル仕込みの役作りも非常にうまい。『ライオンの隠れ家』ではスマートに見えるが難点を抱える難しいキャラクターを自然に演じており、ついつい画面に惹きつけられる俳優ですね。
もう一人は、『教場』シリーズ（フジテレビ系）に出演していた味方良介さん。彼も舞台や2.5次元舞台で活躍していた役者ですが、テレビドラマでもその能力を遺憾なく発揮している。
秋ドラマでは『嘘解きレトリック』（フジテレビ系、月曜午後9時～）に出演し、鈴鹿央士さん演じる主人公に振り回される生真面目な刑事を堂々と演じている。
舞台となる昭和初期の世界観に入り込み、ハキハキとしたセリフ回しでストーリーを引き締めているのが印象的です。
柿澤さんも味方さんも30歳を過ぎていますが、ディーン・フジオカさんや松下洸平さんのように、“大人の魅力”でドラマ界でもブレイクするだろうと思っています」
◆兄・菅田将暉とは違う魅力で輝きそうな菅生新樹
続いて、制作会社に勤務する30代のキャスティング担当・B氏にも、気になる俳優を聞いた。
「朝の連続テレビ小説『おむすび』（NHK、月～金曜午前8時～）で、主人公・結の幼なじみを演じている菅生新樹さん。彼は早くもオファーが殺到してスケジュールがなかなか確保できない。
菅田将暉さんの弟として、昨年の日曜劇場『下克上球児』（TBS系）でも話題を博した彼は、当初こそ演技の荒っぽさが目立ちましたが、作品ごとに演技の抑揚と存在感に磨きがかかっている。
同作では、将来はIT業界を目指す野球部員・陽太を演じていますが、田舎生まれの純粋さを持つ武骨な男子高校生を見事に演じ切っている。
兄の菅田さんはミステリアスでつかみどころのない雰囲気を醸し出していますが、弟の菅生さんは男らしくピュアな役どころが似合う。意外にこういうキャラクターを演じられる若手俳優は少ない。近いうちに菅田さんとは違う形のイケメン俳優としてブレイクすると思っています」
兄の菅田将暉に続き、弟の菅生新樹もブレイクを遂げれば、兄弟で映像業界を席巻するだろう。
◆「乃木坂46」久保史緒里＆元「日向坂46」影山優佳は女優の素質あり
また、Ｂ氏は秋クールに出演する逸材女優として、国民的アイドルの名前も挙げた。
「『未来の私にブッかまされる！？』（NHK、月～木曜午後10時45分～）に出演している「乃木坂46」の久保史緒里さんがブレイクすると思っています。
『どうする家康』（NHK）で五徳という女性役を演じたときから、力強い目力と物怖じしないセリフで強い意志を持つキャラに憑依していて、アイドルとは思えない魅力を感じていました。
秋ドラマの『未来の私にブッかまされる！？』では、恋人の変化に戸惑いながらも自分の気持ちを出すようになっていく健気なヒロインをコミカルかつ繊細に演技していて、新たな一面を見せてくれています。きっとグループを卒業しても、女優として羽ばたける存在ですね。
それと『オクトー ～感情捜査官 心野朱梨～ Season2』（日本テレビ系、木曜午後23時59分～）に出演している、元「日向坂46」の影山優佳さんにも期待しています。表現力に定評があり、演技に対しても研究熱心だと業界では有名。女優としての飛躍が楽しみです」
◆『虎に翼』で注目を浴びた土居志央梨は大化けの予感
最後に、アニメや恋愛ドラマを手掛ける20代の女性脚本家・C氏にも、注目している女優を教えてもらった。
「『虎に翼』（NHK）にハマっていて、クールで凛々しい山田よね役を演じた土居志央梨さんが大好きだったのですが、秋ドラマでも魅力十分な活躍をしていますよ。
『無能の鷹』（テレビ朝日系、金曜午後11時15分～）で髪型をオレンジに変えて、自由気ままな性格の女性エンジニアを演じていますが、『虎に翼』とは全く違うキャラで“本当に同じ女優さんなの？”と思うほど。
変幻自在な役作りをできる能力の高さを目の当たりにして、さらに好きな女優さんになりました。今後もいろんな作品で活躍すると思います」
ここまで、秋ドラマでは主演クラスではないものの、業界人たちが演技力やルックス、存在感に光るものを感じるブレイク間近の俳優たちを紹介してきた。
この秋は主演俳優のシーンだけでなく彼らの演技にも注目しておけば、よりテレビドラマを楽しんで観られるはずだ。
ライター／木田トウセイ
【木田トウセイ】
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
子役時代に活躍した後は数年伸び悩む期間を経たものの、『ひよっこ』（NHK）、『獣になれない私たち』（日本テレビ系）などで個性的でクセのある脇役を演じて、ついには若手女優界のトップに躍り出た。
そんな伊藤沙莉に続くブレイク必至の俳優は放送中の秋ドラマに存在するのか？ 最前線の現場で活躍するテレビマンたちが惚れこむ、主演以外の逸材俳優を教えてもらった。
◆世界的な評価を得るクールビューティ・仁村紗和
まずは、サスペンスドラマを得意とする40代のドラマプロデューサー・Ａ氏はこう語る。
「『若草物語 -恋する姉妹と恋せぬ私-』（日本テレビ系、日曜午後10時30分～）に出演している仁村紗和さん。すでにいろんな作品に引っ張りだこの彼女ですが、同作をきっかけに国民的な女優への足掛かりを掴むだろうと思っています。
昨年オンエアされた『SHUT UP』（テレビ東京系）で芯のある主人公・由希を演じて「アジアコンテンツアワード＆グローバルOTTアワード2024」最優秀新人賞を受賞したり、『わたしのお嫁くん』（フジテレビ系）で演じたクセの強いキャラ・赤嶺がSNSで大きな反響を呼んだり、カメレオンのようにキャラクターを演じ分けるセンスは同世代の女優の中でも群を抜いています。
同作でも、結婚を夢見る四姉妹の長女・恵を演じていますが、しっかり者だがモヤモヤを抱える役どころがリアルで説得力がある。クールビューティで凛としたルックスは、男女どちらからも支持されるはずです」
世界でも評価を受ける、次世代のカメレオン女優から目が離せなそうだ。さらに、Ａ氏は注目する2人の俳優も挙げた。
◆舞台から飛躍を遂げる柿澤勇人と味方良介
「秋ドラマで『全領域異常解決室』（フジテレビ系・水曜午後10時～）と『ライオンの隠れ家』（TBS系・金曜午後10時～）の2作に出演している柿澤勇人さんですね。
劇団四季出身のミュージカル俳優ですが、近年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』（ＮＨＫ）や『不適切にもほどがある！』（TBS系）などのドラマに出演。
彫りの深い色気を感じさせるルックスは華がありますし、ミュージカル仕込みの役作りも非常にうまい。『ライオンの隠れ家』ではスマートに見えるが難点を抱える難しいキャラクターを自然に演じており、ついつい画面に惹きつけられる俳優ですね。
もう一人は、『教場』シリーズ（フジテレビ系）に出演していた味方良介さん。彼も舞台や2.5次元舞台で活躍していた役者ですが、テレビドラマでもその能力を遺憾なく発揮している。
秋ドラマでは『嘘解きレトリック』（フジテレビ系、月曜午後9時～）に出演し、鈴鹿央士さん演じる主人公に振り回される生真面目な刑事を堂々と演じている。
舞台となる昭和初期の世界観に入り込み、ハキハキとしたセリフ回しでストーリーを引き締めているのが印象的です。
柿澤さんも味方さんも30歳を過ぎていますが、ディーン・フジオカさんや松下洸平さんのように、“大人の魅力”でドラマ界でもブレイクするだろうと思っています」
◆兄・菅田将暉とは違う魅力で輝きそうな菅生新樹
続いて、制作会社に勤務する30代のキャスティング担当・B氏にも、気になる俳優を聞いた。
「朝の連続テレビ小説『おむすび』（NHK、月～金曜午前8時～）で、主人公・結の幼なじみを演じている菅生新樹さん。彼は早くもオファーが殺到してスケジュールがなかなか確保できない。
菅田将暉さんの弟として、昨年の日曜劇場『下克上球児』（TBS系）でも話題を博した彼は、当初こそ演技の荒っぽさが目立ちましたが、作品ごとに演技の抑揚と存在感に磨きがかかっている。
同作では、将来はIT業界を目指す野球部員・陽太を演じていますが、田舎生まれの純粋さを持つ武骨な男子高校生を見事に演じ切っている。
兄の菅田さんはミステリアスでつかみどころのない雰囲気を醸し出していますが、弟の菅生さんは男らしくピュアな役どころが似合う。意外にこういうキャラクターを演じられる若手俳優は少ない。近いうちに菅田さんとは違う形のイケメン俳優としてブレイクすると思っています」
兄の菅田将暉に続き、弟の菅生新樹もブレイクを遂げれば、兄弟で映像業界を席巻するだろう。
◆「乃木坂46」久保史緒里＆元「日向坂46」影山優佳は女優の素質あり
また、Ｂ氏は秋クールに出演する逸材女優として、国民的アイドルの名前も挙げた。
「『未来の私にブッかまされる！？』（NHK、月～木曜午後10時45分～）に出演している「乃木坂46」の久保史緒里さんがブレイクすると思っています。
『どうする家康』（NHK）で五徳という女性役を演じたときから、力強い目力と物怖じしないセリフで強い意志を持つキャラに憑依していて、アイドルとは思えない魅力を感じていました。
秋ドラマの『未来の私にブッかまされる！？』では、恋人の変化に戸惑いながらも自分の気持ちを出すようになっていく健気なヒロインをコミカルかつ繊細に演技していて、新たな一面を見せてくれています。きっとグループを卒業しても、女優として羽ばたける存在ですね。
それと『オクトー ～感情捜査官 心野朱梨～ Season2』（日本テレビ系、木曜午後23時59分～）に出演している、元「日向坂46」の影山優佳さんにも期待しています。表現力に定評があり、演技に対しても研究熱心だと業界では有名。女優としての飛躍が楽しみです」
◆『虎に翼』で注目を浴びた土居志央梨は大化けの予感
最後に、アニメや恋愛ドラマを手掛ける20代の女性脚本家・C氏にも、注目している女優を教えてもらった。
「『虎に翼』（NHK）にハマっていて、クールで凛々しい山田よね役を演じた土居志央梨さんが大好きだったのですが、秋ドラマでも魅力十分な活躍をしていますよ。
『無能の鷹』（テレビ朝日系、金曜午後11時15分～）で髪型をオレンジに変えて、自由気ままな性格の女性エンジニアを演じていますが、『虎に翼』とは全く違うキャラで“本当に同じ女優さんなの？”と思うほど。
変幻自在な役作りをできる能力の高さを目の当たりにして、さらに好きな女優さんになりました。今後もいろんな作品で活躍すると思います」
ここまで、秋ドラマでは主演クラスではないものの、業界人たちが演技力やルックス、存在感に光るものを感じるブレイク間近の俳優たちを紹介してきた。
この秋は主演俳優のシーンだけでなく彼らの演技にも注目しておけば、よりテレビドラマを楽しんで観られるはずだ。
ライター／木田トウセイ
【木田トウセイ】
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。