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「同僚のPC」を勝手に覗いていた営業マンの末路。監視カメラを仕掛けられ…

日刊SPA! 2024年11月8日 8時51分

都内の会社に勤務する菅智也さん(仮名・30代)は、信頼していた会社の同僚に裏切られていた経験を持っている。菅さんは大学を卒業後、システム会社に就職。営業部に配属された。ここで同僚の青木さん(仮名・30代)と出会った。
◆営業リストを活躍し、順調に結果を残す

「入社式のときにたまたま隣の席に座ったことから、仲良くなったのが青木でした。研修も同じで、配属先も営業部に。ライバルという考えは自分にはなく、お互いに営業の方法をアドバイスする、飲みに行って上司の愚痴を言うなど、助け合って仕事をしていました。私が悩んだときには、優しい言葉をかけてくれたりして、信用しきっていました」

菅さんは出世をするため、努力を重ねていったそう。

「営業先をリスト化して、電話営業での感触、初回訪問で感じたこと、契約の見通し、客先からの要望、そのためにやらなければいけない事項などをすべてExcelに記載して保存していました。もともと営業トークは得意なので、すぐに結果が出るようになって、営業成績がトップになりました。回りからは『出世間違いなし』と言われましたし、自分も『もっとがんばろう』と思っていました。青木のことは、特に気にしていませんでした」

◆リストアップしていた顧客が奪われていた

営業マンとして結果を出した菅さんですが、あるときから、「おかしい」と思う出来事が続くようになったそう。

「私がリストアップしていた顧客を、青木が先に売り込みをかけ、注文を取るという事態が多くなったんです。最初はたまたま被っていたかなと思ったのですが、青木の取ってくる仕事は、決まって私が『ここはいけそう』とチェックしていた客ばかりで。『おかしい』と思うようになりました。なぜなのか聞いてみると『たまたまだよ』とごまかされていました」

同僚の青木さんに疑念を抱いた菅さん。試しに、トラップを仕掛けたという。

「青木は『たまたま』と言ってますが、なにかがおかしいと感じた私は、Excelファイルにすでに断られた顧客に『感触あり』、受注できそうなところに『感触なし』と書き換えて保存しておきました」

◆監視カメラに映っていたのは…

トラップを仕掛けた菅さん。その結果は、思っていた通りだった。

「青木は私が『感触あり』と書いたところに営業をかけていました。もちろん、そこは私が『脈なし』と判断したところですから、契約は取れません。上司に相談したところ、『俺はそうは思わない』とのことで、疑いを晴らすため、私と青木のパソコン画面が見えるような形で監視カメラを設置し、様子を見ることになりました」

カメラには衝撃の行動が映っていた。

「1週間後、カメラを確認すると、全員が帰ったあと、青木が私のパソコンを起動して、パスワードを入力、ファイルをプリントアウトする様子が映ってしました。なぜ私のパスワードを知っていたのか、気持ちが悪かったですね。ここで裏切られていることを知りました」

ファイルを盗み見していた青木さん。結局、どうなったのだろうか。

「青木は私以外のパソコンにも盗み見が発覚。不正アクセス禁止法違反まがいの行為ということで、謹慎処分になりました。居づらくなったんでしょう、そのまま復帰することなく、辞めていきました。どうやってパスワードを見破ったのか、なぜ私がファイルに顧客の情報をまとめていることを知っていたのかは、教えてもらえませんでした」

パスワードがかかっている同僚のパソコンを盗み見する行為は、場合によっては不正アクセス禁止法に抵触する可能性もあるほか、自分の信用を大きく失うことになる。いくら魔がさしたとしても決して許されない。躍進する同僚の姿がうらやましければ、頭を下げてでも直接ノウハウを聞きだすのが、成功への一番の近道ではないか。

<TEXT/佐藤俊治>

【佐藤俊治】
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など

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