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自治会で「いつも反対意見しか出さない」やっかいな老人2人組。住人の“仕返し”で大焦りするハメに

日刊SPA! 2024年11月10日 8時52分

 住民たちで組織される自治会や町内会は、地域内で行うイベントの企画運営をはじめ、ゴミステーションの管理や自治体への陳情などを行う、いわば地域や集落の最高決定機関。
 特に大型マンションの場合は入居者のみで組織され、定期的に行う必要がある大規模修繕工事について話し合い、依頼する業者もここでの採決によって決定される。

 しかし、働き盛りの現役世代は仕事や子育てに追われ、役員に選出されない限りは自治体や町内会の活動に消極的な人がほとんどだろう。そのため、会合に参加するのはシニア世代ばかりなんてことも珍しくない。

◆どの議題にもことごとく反対するアンチ老人2人組に辟易

 赤井怜太さん(仮名・48歳)一家が暮らすのは、首都圏郊外にある築40数年の大型マンション。もともと彼の実家でもあったが、両親は父親の早期リタイアに合わせて地方に移住。職場に1時間ほどで通勤できることから15年前に赤井さんが家族で住み始めた。

 以前は自治会の集まりには一切顔を出さなかったが、現在は役員として活動。頼まれて断り切れなかったのが理由だが、月2回開催される会合には毎回参加している。

「土日いずれかの午前中にマンション内の自治会室で行われ、毎回25名前後が参加。ただ、役員以外はほぼ全員がすでに定年した60代半ば以上の男性。こんなこと言うと怒られそうですが、時間を持て余して暇つぶし感覚で参加している方が多いみたいです(苦笑)」

 このマンションはもともと両親と親しかった住民も多く、彼も長年住んでいる人からは「赤井さんところの長男坊」として可愛がられているとか。周りも不慣れな役員の仕事を何かとフォローしてくれ、そこは助かっていたそうだ。

 ただし、困ったこともある。どの議題についても必ずと言っていいほど噛みついてくる年配男性たちがいるからだ。

◆前回と同じ業者で決まりかけていた大規模修繕工事にも異議と唱え…

「しかも、あえてアンチ的な意見を主張し、それを楽しんでいるフシがあります。感情論的な意見が目立ちますし、代案を出せとは言いませんが、こうしたほうがいいんじゃないかといった提案などもほとんどないので……。

 相手は70代の男性2人なのですが、彼らが居ない時にある住民の方が『まるでジジイの悪役同盟だな』って呟いたらみんな大爆笑。私もツボに入ってしまい、飲んでいたお茶を吹き出しそうになりました(笑)」

 自治会内では完全にヒール扱いで孤立している感はあるが、2人組でお互い仲間がいるからかなぜか強気。いちばん困ったのは、大規模修繕の業者選びについて。前回の修繕工事をはじめ、大小さまざまな工事を請け負ってくれたA社にお願いする方向で検討していた中、2人組は別のB社を推してきたのだ。

「『工事費用が安い』というのがその理由です。確かに、修繕のクオリティが同じなら1円でも安いに越したことはありません。珍しく一考に値する意見でしたが、ゼネコン業界で働いていた役員の方が調べてくれたところ、B社は追加費用などで当初の見積もりより大幅に高くなってしまうケースがあることがわかったんです。

 見積もりは両社に出してもらいましたが、最終的には多少割高でも追加費用を取られる可能性が低く、過去の工事で信頼と実績のあるA社にお願いすることに決まりました。それでも2人は最後までB社を主張して譲りませんでしたけどね」

◆次期役員に推薦しようとすると急に及び腰に

 現在は任期も残り半年を切り、子供向けのクリスマスや正月のイベントは控えているが、今季の自治会としての大きな業務はほぼ終え、最近の議題テーマは次期役員について。

 基本的には自薦、ないし他薦で立候補者を募っているが、今回は問題のアンチ2人組を役員として推薦する声が挙がったのだ。

「最初は2人のうち、年長のほうの方をある役員が『いつも会合に参加して積極的に意見を述べてくれますし、私は○○さんを推薦します』と言い、それに同調して周りから拍手が起こったんです。私も手を叩きましたが、みんなはっきりいって悪ノリです(苦笑)」

 突然、次期役員に推された本人は物凄く焦ったようで断ろうとしたが、当然こちらも簡単には引き下がらない。途中からは矛先を2人組のもう1人に変えて、同じように役員就任を迫ったそうだ。

「頑なに拒んだので最後は引き下がりましたが、『会合はほぼ皆勤賞なのに役員になるのはなぜ嫌なんですか?』と詰められて2人ともこの時ばかりはたじたじでした。全員これまでのうっぷんが溜まっていたんでしょうね。会合が終わった時は、いつになくみんなスッキリした顔をしていました」

 自治会や町内会の集まりが同じシニア世代でさえ、いたずらに議論を長引かせようとするアンチ2人組の姿勢には目に余るものがあったようだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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