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「バックミラーを覗くとパトカーが…」あおり運転で逮捕されかけた45歳男性の“ヒヤッとした”体験

日刊SPA! 2024年11月18日 8時51分

 相変わらずニュースで報道される「あおり運転」。後続車にパッシングされて、車間距離を極端に詰められる、などの光景がすぐ頭に浮かぶのではないでしょうか。ただ、実際にはさまざまなケースが発生しているようです。今回は、かなり稀な状況をレポートしました。全国のドライバーは一見の価値ありです。
◆隣町の歯医者へ行く日だった

 特異な体験を報告してくれたのは、北海道のA町で飲食業を営む宮田さん(仮名・45歳)です。お店の定休日を利用して、B市にある歯医者に行くことになっていました。

「実は私、名古屋の出身なんです。A出身の妻と一緒に飲食店を営んでいますが、あそこは本当に美しい町です。青い池は特に有名ですよね。ただ、医療関係施設はそれほど多くなく、年に数回はB市まで行かざるを得ないのが少し大変ですね」

 宮田さんは、歯医者の予約時刻よりも前にB市で用事があったので、自宅を8時過ぎに出ました。車の往来はまだ少なく、国道に出るまでの道道をゆっくり北進していました。

◆割り込んできた整備不良の軽自動車

 自宅を出てから10分くらい走っていると、突然前方に軽自動車が割り込んできたといいます。

「こんな田舎道ではめったに急ブレーキは踏まないのですが、あの時はびっくりしました。クラクションを鳴らそうか迷ったのですが、初心者マークが付いていたので少し車間距離を空けるようにしました。でもよく見ると、時々減速する割にはブレーキランプが点灯していないことに気づいたんです」

 ブレーキランプが点灯しないと追突される危険があるので、ヘッドライトを何度もパッシングさせて知らせたようですが、全く気づく様子がなかったので軽くクラクションも鳴らしたといいます。

「正直悩みましたが、事故が起きてからでは遅いと思い、少し乱暴ですがクラクションを何度か鳴らしました。でも、全く反応しないので、もうこうなったら気づくまで軽自動車の後方を走るしかないとまで思うようになりました」

◆気が付けばパトカーに追尾されていた

 もう少し走るとB市街に出るため、宮田さんは思い切って長めのクラクションを鳴らしました。すると、前方の軽自動車は停止するどころか、少し速度を上げて逃げるように走っていたといいます。

「追い越し禁止区間でなかったら、無理やりにでも追い越して停止させる手段もありましたが、さすがにそれはできませんでした。ところが、もう知らせるのは止めようと諦めかけた時、ふとバックミラーをのぞくと、私の後方に赤色灯を点けたパトカーが見えました。私は一瞬『え?』と、状況が理解できなかったのですが、『次の交差点を超えた辺りで停車してください』と言われたので従うしかありませんでした」

 パトカーから降りてきた警察官は、宮田さんに「あおり運転の通報がありましてね」と、免許証の提示を求めてきたそうです。

◆もう少しで逮捕されるところだった

 全く状況が飲み込めなかった宮田さんは、強気な言葉で警察官に停車させた理由を求めました。すると――。

「あなたの前を走っていた軽自動車に、ヘッドライトをパッシングさせたり、クラクションを執拗に鳴らしたりして威嚇しましたよね。助手席に乗っていた母親から110番を受けました。こちらとしても、緊急性を感じたので、すぐに追尾しました」と、警察官から信じられないような言葉が返ってきたのです。

 宮田さんは、前の車の整備不良を知らせたかったという旨の説明をしたところ、警察官の様子が一変し、別の警察官が、少し先で停車している軽自動車の整備不良を確認しに行ったところ、しばらくして戻ってきたかと思うと、「なるほど、そういうことだったのですね。私も、整備不良を現認しました。停止のご協力ありがとうございました」と、ようやく状況を理解してもらった宮田さん。

 しばらくして、前方を走っていた軽自動車の親子も宮田さんの方へ歩いてきました。そして、深々と頭を下げ謝罪したといいます。

「善意って何なのでしょうか。でも、最後に警察官から『われわれも“あおり運転”との通報があったので追尾しましたが、宮田さんの行動は間違っていません』と言われたことが救いでしたけど」

<TEXT/ベルクちゃん>

【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

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