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ユニクロ・GU・無印・ZARA「ブランド品に擬態するには最適」「3000円に見えない出来」コスパ最強のブーツ4選

日刊SPA! 2024年11月20日 12時24分

―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第506回をよろしくお願いします。
◆完売前に買っておきたい「格安ブーツの傑作」

 今回はファストファッションのブーツ特集! 寒くなり、そろそろブーツを探している人もいるのでは??

 今回は「一番高くて1万円! 格安でブーツを買うならこれ!」というアイテムを紹介してまいります!

◆ZARA
・ポインテッドトゥ レザーチェルシーブーツ 1万990円

 スエードレザーを使ったブーツ。かなり細身でスラリとした形をしており、ビジネスシーンでも着用可能。

 GUなど以前はスエードモデルを多数展開していましたが、最近はあまり積極的ではありません。どちらかというと、どのファストブランドも表革を使うことが多く、スエードはレア。起毛感などクレームが出やすいのも理由かもしれません。

 ところが、ZARAだけは継続してスエードブーツやシューズを出してくれており、ありがたい。ファストブランドのレザーは高くても1万円程度。価格高騰著しい牛革がこの値段で買えるということは結局、どれも「上質」とは言い難いものばかりなのです。

◆値段を隠したいならスエードがおすすめ

 傷や風合いを隠すため、顔料をたっぷり使ったものばかりで経年変化などもまったく望めません。リアルレザーに違いはありませんが、1万円台でまともな牛革を使ったレザーシューズが手に入るわけもない。だとすると、個人的にはスエードがおすすめなのです。

 スエードは表革と比べて光沢感が少なく、風合いがバレにくい。やすいレザーでもさして違いがわかりにくく、ブランド品に擬態するには最適です。

 こちらのZARAのシューズもハイブランドライクなシャープなデザインとスエードレザーで1万円とは思えないほどの仕上がり。値段を隠したいならスエードがおすすめですよ。

◆GU
・スクエアトゥヒールブーツ+E 2990円(SALE中)

 こちらはGUのブーツ。上述の通りですが、3000円程度で上質なレザーブーツが買えるはずもなく、こちらも当然「質のいいレザー」とは言いがたいし、顔料たっぷりでさして、経年変化も望めません。

 しかし、割り切ってしまえば、「3000円の使い捨て価格できれいなフォルムのブーツが買える」ともいえる。

 顔料をたっぷり使ったレザーはたしかに経年変化が望めず、上質とは言いがたいものの、逆に雨や雪などがついても浸透しにくく、タフで耐久性が高いとも言えます。特に手入れをしなくても最初から光沢があり、何も気にせず使い続けられるのもいいところ。

◆幅広いコーディネートに対応可能

 さらにGUのこちらはフォルムは素晴らしい出来。ヒールが高く、身長や足長に見せることができるけれど、ソールはさほど分厚いわけではないので自然な印象に。

 ビジネスシーンでも活用できるくらいシャープなシルエットとなっており、幅広いコーディネートに対応可能。レザー自体は褒められたものではないですが、3000円程度でこれが手に入るならいいかも。

「長く愛用する」のではなく1~2シーズンを乗り切るために購入するなら全然アリ。3000円には見えません。

◆ユニクロ
・サイドゴアブーツ 5990円

 今季、珍しくユニクロが出してきたブーツがこちら。

 特別ラインである「ユニクロC」で展開してきており、これがなかなか売れてない模様。発売からかなり時間が経っているにもかかわらず、売れ筋である26~27cmあたりはまだまだ残ってる。というのもこれ合皮なんですよね。

 合皮のイメージは近年、変化してきています。サステナブルや動物愛護などさまざまな理由からハイブランドが「あえて」合皮を選択することも増えてきており、その流れで各社合皮とは思えない合皮を開発(余談ですが、そもそも動物愛護と言ってもレザーの多くは食用の肉から皮部分を提供してもらっていることが多く、「レザーアイテムを作るために殺傷する」ことはありません。

 畜産副産物であるため、愛護を謳うならまず食肉を批判すべきであり、このフェイクレザーへ進む流れにもいささかの疑問はあるのですが……それはまあ横に置いておきましょう)。

 ラグジュアリーな印象や本革を超える風合いなどを備えたファブリックも誕生していて、もう普通のレザーを遥か超えるコストのフェイクもあるくらい。合皮=粗悪という図式は成り立たなくなっています。

◆細かな部分での作り込みが半端ない

 ですが、やはり「イメージ」というものがある。

「弟分であるGUがリアルレザーを使っているのに、ユニクロがフェイクレザーなんかい。GUがリアルレザーで3千円程度なのにユニクロは合皮で5990円なんかい。」とツッコミたくなるのもよくわかる。あまり人気が出ないのも理解できます。ただ、このシューズ合皮とはいえかなり凝っています。

 まずレザー自体は天然のシボを再現しており、本革同様の風合いに。さらにコバ部分は手間のかかるグッドイヤー製法やノルウィージャン製法を模したようなステッチワークが見えるので、一瞬「あれ? 高級ブーツなのかな?」と騙されそうになります。

 ブーツ最大の難点である「着脱しにくさ」も履き口にストレッチ性とキックバック性を備えたネオプレン素材を採用しており、フィット感はありながらも着脱が楽チン。丸みのあるシルエットでほどよく足に馴染み、クッション材なども使い歩き心地は抜群。ソールは滑りにくい、オリジナルのものを採用しており、こうした細かな部分での作り込みが半端じゃありません。

 GUと比較すると合皮だけにイメージこそ悪いものの、実は着用感も見た目もかなりクオリティの高いアイテムに仕上がっています。ただ、やはり値段がもう少し安いとありがたい。このままセールまで待って、値下げしたところを狙うのもアリでしょう。

◆無印良品
・紳士 疲れにくい 革の端材を再利用した チロリアン 8990円

 最後は無印良品から。

 こちらはリサイクルレザーを採用したもの。リサイクルレザーとは生産時に出る革の端材……切れ端ですね。これを集めて粉砕し、再びシート状にする技術があります。これをリサイクルレザーといいます。

 動物の皮をそのまま使うのではなく、人工的にシート状にするわけですから純粋に「リアルレザー」と言えるかどうかは難しいところですが、ただ風合いや質感は完全にリアルレザー。

 馴染み方や経年変化は本革とは異なるため、その意味ではフェイクに近かったりもします。フェイクとリアルの中間的な存在でしょうか。

◆シンプルコーデの味付けに最適

 というわけで、風合いは本革そのもののチロリアンシューズがこちら。軽登山に使われていた歴史を持つチロリアンシューズ。最近ではワイドにもスリムにも合わせやすいと人気です。

 やや細身のシルエットながらトゥ部分にボリュームがあるため、ワイドパンツでもしっかり存在感を与えてくれる。でも、フォルム自体は細身だからスリムパンツでも問題ない。この万能感が魅力のようです。

 少し変化のある顔つきをしているので、シンプルコーデの味付けにもいいでしょう。もちろんONでは使えないですが、OFFシーンでは多様できるいいアイテム。

 90年代にもクラークスのワラビーなどが火付け役となり、日本でも大流行したチロリアン。2024年にもまた流行しているので青春時代おしゃれだったオジサンたちにもウケがよさそうです。

 以上、ファストファッションで購入可能なおすすめブーツの紹介でした!

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)

―[メンズファッションバイヤーMB]―

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