過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年11月6日 記事は取材時の状況) * * *
一人暮らしに憧れを持つ人は少なくありません。進学や就職など、人生の転機にそのチャンスが訪れることが多く、その際、意外と大変なことが物件探しです。いかに安い家賃で良い物件に出会えるかがポイントになってきます。今回は、長時間の通勤苦から脱却を試みた男性が体験した苦いエピソードです。
直人さん(仮名・29歳)は、東京都下の実家から、毎日片道1時間20分かけて新宿にある職場へ通勤していたそうです。
◆長時間通勤に限界を感じる
そんな直人さんは、日々の長時間通勤に耐えられず、ついに長年住んだ親元を離れ、一人住まいを決意したといいます。
「始業時間が8時なので、6時過ぎには家を出ないと会社に間に合わないんです。それに、仕事でヘトヘトに疲れた後の長い帰路もすごく苦痛でした。とにかく通勤時間を減らしたかったので、一人暮らしを決めてからは会社近辺の物件情報をネットで漁る日々が続きました」
しばらくしてようやく好条件の物件に出会えた直人さん。早速、週末に内見することになったそうです。
「会社が新宿という都心なので、予算を考えるとある程度は会社から遠ざかることも覚悟していたのですが、ビックリするような好条件の物件がヒットしたんです。なんと最寄駅は新宿なんですよ! すぐに内見を申し込み、現地に足を運びました。ネットの写真よりはるかにキレイで、建物も築8年とまだまだ新しい部類のマンションでした。あまりにも気に入ったので思わず即決しました」
◆念願の一人住まいが始まる
直人さんは、少しでも出費を抑えるため引っ越し業者は利用せず、レンタカーを借りて弟にも手伝ってもらったそうです。
「荷物の搬入は思っていたより早く終わり、荷解きや、少ないながらも持参した家具類を弟と一緒に設置したりして、日が暮れる前には全て終了していました。ただ、帰ろうと思って窓を全部閉めたあと、なんだか鼻をつくような、今まで嗅いだことのないような匂いがした気がしたんです」
直人さんは、その後弟と一緒に中華料理を食べに行き、その席で弟に部屋の匂いのことについて聞いてみたところ、弟は何も感じなかったとのこと。気のせいということにして、直人さんの一人住まいは無事スタートしたといいます。
◆先輩から聞かされた衝撃の事実
一人住まいにも慣れ始めたころ、直人さんは久々に先輩と飲みにいき、その席でとんでもない事実を耳にします。
「先輩は少し申し訳なさそうに『直人の部屋さ、実は事故物件なんだよ、知ってた?』といきなり言ってきたのです。実はその先輩はかなりの事故物件マニアで、本人も事故物件に住んでるほどなんです。僕は入居日の異臭のことを思い出したのですが、口から出かかったその言葉を封印し、自宅に戻って自分で調べたんです。すると、今僕が住んでいる場所で、8年前に病死事例があったそうなんです」
時刻はすでに真夜中で、直人さんはその部屋にいることが急に怖くなったそうですが、どうすることもできず、その日は深夜ラジオをつけっぱなしにして、なんとか朝を迎えたそうです。
◆格安物件に飛びついたことに後悔
直人さんは、翌日の昼休みに不動産会社に問い合わせてみると、なんとも歯切れの悪い返事が返ってきたそうです。
「担当者の上司が電話口に出てきました。その段階で嫌な予感がしたんですけど、勇気を振り絞って『あのう、あるサイトで今回お契約した部屋が事故物件だという情報を見たのですが……』電話口の向こうの男性は、少し言葉に詰まりながら『あ、はい。実は8年前に高齢の女性入居者が病死しています』と言われました。やっぱりあの情報は確かだったようです」
どうやら死亡案件の告知義務は、状況によって変わってくるそうで、直人さんの事例ではあくまで借主が入居前に確認すべきだったようです。
「長時間通勤から解放されることばかり頭にあって、確認しなかった僕がダメだったみたいですね。引っ越したばかりなのに……。相場よりかなりの格安物件を疑わなかった自分がいけないんです。今は転居先の物件を探す毎日です」
<TEXT/ベルクちゃん>
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
一人暮らしに憧れを持つ人は少なくありません。進学や就職など、人生の転機にそのチャンスが訪れることが多く、その際、意外と大変なことが物件探しです。いかに安い家賃で良い物件に出会えるかがポイントになってきます。今回は、長時間の通勤苦から脱却を試みた男性が体験した苦いエピソードです。
直人さん(仮名・29歳)は、東京都下の実家から、毎日片道1時間20分かけて新宿にある職場へ通勤していたそうです。
◆長時間通勤に限界を感じる
そんな直人さんは、日々の長時間通勤に耐えられず、ついに長年住んだ親元を離れ、一人住まいを決意したといいます。
「始業時間が8時なので、6時過ぎには家を出ないと会社に間に合わないんです。それに、仕事でヘトヘトに疲れた後の長い帰路もすごく苦痛でした。とにかく通勤時間を減らしたかったので、一人暮らしを決めてからは会社近辺の物件情報をネットで漁る日々が続きました」
しばらくしてようやく好条件の物件に出会えた直人さん。早速、週末に内見することになったそうです。
「会社が新宿という都心なので、予算を考えるとある程度は会社から遠ざかることも覚悟していたのですが、ビックリするような好条件の物件がヒットしたんです。なんと最寄駅は新宿なんですよ! すぐに内見を申し込み、現地に足を運びました。ネットの写真よりはるかにキレイで、建物も築8年とまだまだ新しい部類のマンションでした。あまりにも気に入ったので思わず即決しました」
◆念願の一人住まいが始まる
直人さんは、少しでも出費を抑えるため引っ越し業者は利用せず、レンタカーを借りて弟にも手伝ってもらったそうです。
「荷物の搬入は思っていたより早く終わり、荷解きや、少ないながらも持参した家具類を弟と一緒に設置したりして、日が暮れる前には全て終了していました。ただ、帰ろうと思って窓を全部閉めたあと、なんだか鼻をつくような、今まで嗅いだことのないような匂いがした気がしたんです」
直人さんは、その後弟と一緒に中華料理を食べに行き、その席で弟に部屋の匂いのことについて聞いてみたところ、弟は何も感じなかったとのこと。気のせいということにして、直人さんの一人住まいは無事スタートしたといいます。
◆先輩から聞かされた衝撃の事実
一人住まいにも慣れ始めたころ、直人さんは久々に先輩と飲みにいき、その席でとんでもない事実を耳にします。
「先輩は少し申し訳なさそうに『直人の部屋さ、実は事故物件なんだよ、知ってた?』といきなり言ってきたのです。実はその先輩はかなりの事故物件マニアで、本人も事故物件に住んでるほどなんです。僕は入居日の異臭のことを思い出したのですが、口から出かかったその言葉を封印し、自宅に戻って自分で調べたんです。すると、今僕が住んでいる場所で、8年前に病死事例があったそうなんです」
時刻はすでに真夜中で、直人さんはその部屋にいることが急に怖くなったそうですが、どうすることもできず、その日は深夜ラジオをつけっぱなしにして、なんとか朝を迎えたそうです。
◆格安物件に飛びついたことに後悔
直人さんは、翌日の昼休みに不動産会社に問い合わせてみると、なんとも歯切れの悪い返事が返ってきたそうです。
「担当者の上司が電話口に出てきました。その段階で嫌な予感がしたんですけど、勇気を振り絞って『あのう、あるサイトで今回お契約した部屋が事故物件だという情報を見たのですが……』電話口の向こうの男性は、少し言葉に詰まりながら『あ、はい。実は8年前に高齢の女性入居者が病死しています』と言われました。やっぱりあの情報は確かだったようです」
どうやら死亡案件の告知義務は、状況によって変わってくるそうで、直人さんの事例ではあくまで借主が入居前に確認すべきだったようです。
「長時間通勤から解放されることばかり頭にあって、確認しなかった僕がダメだったみたいですね。引っ越したばかりなのに……。相場よりかなりの格安物件を疑わなかった自分がいけないんです。今は転居先の物件を探す毎日です」
<TEXT/ベルクちゃん>
【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営