視覚から入ってくる情報はとても重要だが、それだけに頼ってしまうと後悔することになるかもしれない。また、他人を見た目で判断してバカにしたり、蔑んだりする傾向のある人は、恥をかく前にそういったクセについても改めたほうがいいだろう。
下田美裕さん(仮名・20代)はレトロ感のあるパステルカラーの軽自動車で走行中、あおり運転に遭遇。キッカケは、青信号になったタイミングで発車できなかったことだと思われる。ただ、それもほんの少し。発進が数秒遅れたぐらいだった。
◆慣れない道であおり運転に遭遇
「その直後から、男女が乗った後ろの外車が、べったりと張りつくような感じで走行。何度も何度もエンジンをふかしてきます。その音はノーマルではない、耳がおかしくなりそうな地響きのような爆音。並走したり前方に入り込んできたりして、走行も妨げてきました」
さらには窓を開けて身を乗り出し、美裕さんに向かって暴言を吐いてくる。恐怖のあまり、ハンドルを握る手が汗で滑って余計に怖い。心臓もバクバクと激しく打ち、全身にしっかりと力を入れられない状態にまで陥った。
「そのうえ私は運転が苦手で、走行していたのは慣れない道。3車線ある大きな道路で他の車もいたので、うまくかわしたり空きスペースに停車したりできず、回避できないままあおられ続けました。でも、やっと目的地が見えてきたんです」
◆アウトローな見た目の彼氏が登場
少しだけホッとした気持ちで目的地の方へ入り、商業施設の駐車場に車を停めた。けれど外車は、そんな美裕さんを追って駐車場へ進入。乱暴に車を停めると、「降りろや」と怒鳴ってきたのだ。恐怖で震えていると、車から降りた男がゆっくりとこちらに近づいてくる。
「本当に、どうなるんだろうと恐怖でいっぱいでした。怒鳴られるだけで済めばいいけど、殴られたり拉致されたりするかもしれないと想像するほど、ヤバイ雰囲気を身にまとっていたのです。そんなとき、向こうから彼氏が歩いてくるのが見えました」
彼氏はめちゃめちゃやさしくていい人なのだが、『闇金ウシジマくん』に憧れているところがあり、見た目はかなりアウトロー。ガタイもよくて目つきも悪いので、闇金の取り立てか半グレと名乗れば、大半の人が信じてしまうほどだった。
◆「人違いやったかも」とまさかの一言
「そんな彼氏が近づいて、あおりをしてきた男性に『何?』と声をかけたんです。その瞬間、あおり男は沈黙。『…え?』と言って固まってしまいました。でも彼氏はおかまいなく、『俺の女に、何か用事?』『なんで怒鳴ってんの?』と質問攻め」
最初は「本当に状況がわからない」という様子だった彼氏だが、あおり男が急に青ざめ、「……人違いやったかも」と言いはじめたため、その口調や態度の変わりようを見て悟ったようだ。「なんや、いちゃもんか」「いちゃもんやったら、俺が聞くで」とピシャリ。
「するとあおり男は、『ちゃいますちゃいます、そんなんやないんで、ほんますんません!』と言いながら車へ戻ろうとしたんです。でも次の瞬間、段差につまずいて転倒。『ううっ……』と唸りながら立ち上がり、よろめきながら車へ戻って行きました」
◆情けない姿でその場を去った相手
ところが車へ乗り込もうとした瞬間、「だっさー! あんた、何やってんの? ありえへんわ!」と外車に同乗していた女性に罵倒される始末。男は「そんな怒るなよ」と言いながら外車の窓を閉めると、女性に何度も頭を叩かれながら情けない姿でその場を去ったという。
「最後は、なんだかちょっとかわいそうでした。でも、『あのまま私ひとりだったら……』と考えると怖いです。私の彼氏は手を挙げる人ではないのでよかったですが、あおり運転はケンカやトラブルに発展するかもしれない行為。そういうことも考えて控えてほしいです」
あおられた人が嫌な気持ちになるだけでなく、あおった人もトラブルに巻き込まれる可能性のあるあおり運転。軽自動車や自分よりも弱そうな人を狙ってストレスを発散する悪質な輩もいるようだが、自分が恥をかかないうちに改めることをおすすめしたい。
<TEXT/山内良子>
【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
―[シリーズ・危険!あおり運転]―
下田美裕さん(仮名・20代)はレトロ感のあるパステルカラーの軽自動車で走行中、あおり運転に遭遇。キッカケは、青信号になったタイミングで発車できなかったことだと思われる。ただ、それもほんの少し。発進が数秒遅れたぐらいだった。
◆慣れない道であおり運転に遭遇
「その直後から、男女が乗った後ろの外車が、べったりと張りつくような感じで走行。何度も何度もエンジンをふかしてきます。その音はノーマルではない、耳がおかしくなりそうな地響きのような爆音。並走したり前方に入り込んできたりして、走行も妨げてきました」
さらには窓を開けて身を乗り出し、美裕さんに向かって暴言を吐いてくる。恐怖のあまり、ハンドルを握る手が汗で滑って余計に怖い。心臓もバクバクと激しく打ち、全身にしっかりと力を入れられない状態にまで陥った。
「そのうえ私は運転が苦手で、走行していたのは慣れない道。3車線ある大きな道路で他の車もいたので、うまくかわしたり空きスペースに停車したりできず、回避できないままあおられ続けました。でも、やっと目的地が見えてきたんです」
◆アウトローな見た目の彼氏が登場
少しだけホッとした気持ちで目的地の方へ入り、商業施設の駐車場に車を停めた。けれど外車は、そんな美裕さんを追って駐車場へ進入。乱暴に車を停めると、「降りろや」と怒鳴ってきたのだ。恐怖で震えていると、車から降りた男がゆっくりとこちらに近づいてくる。
「本当に、どうなるんだろうと恐怖でいっぱいでした。怒鳴られるだけで済めばいいけど、殴られたり拉致されたりするかもしれないと想像するほど、ヤバイ雰囲気を身にまとっていたのです。そんなとき、向こうから彼氏が歩いてくるのが見えました」
彼氏はめちゃめちゃやさしくていい人なのだが、『闇金ウシジマくん』に憧れているところがあり、見た目はかなりアウトロー。ガタイもよくて目つきも悪いので、闇金の取り立てか半グレと名乗れば、大半の人が信じてしまうほどだった。
◆「人違いやったかも」とまさかの一言
「そんな彼氏が近づいて、あおりをしてきた男性に『何?』と声をかけたんです。その瞬間、あおり男は沈黙。『…え?』と言って固まってしまいました。でも彼氏はおかまいなく、『俺の女に、何か用事?』『なんで怒鳴ってんの?』と質問攻め」
最初は「本当に状況がわからない」という様子だった彼氏だが、あおり男が急に青ざめ、「……人違いやったかも」と言いはじめたため、その口調や態度の変わりようを見て悟ったようだ。「なんや、いちゃもんか」「いちゃもんやったら、俺が聞くで」とピシャリ。
「するとあおり男は、『ちゃいますちゃいます、そんなんやないんで、ほんますんません!』と言いながら車へ戻ろうとしたんです。でも次の瞬間、段差につまずいて転倒。『ううっ……』と唸りながら立ち上がり、よろめきながら車へ戻って行きました」
◆情けない姿でその場を去った相手
ところが車へ乗り込もうとした瞬間、「だっさー! あんた、何やってんの? ありえへんわ!」と外車に同乗していた女性に罵倒される始末。男は「そんな怒るなよ」と言いながら外車の窓を閉めると、女性に何度も頭を叩かれながら情けない姿でその場を去ったという。
「最後は、なんだかちょっとかわいそうでした。でも、『あのまま私ひとりだったら……』と考えると怖いです。私の彼氏は手を挙げる人ではないのでよかったですが、あおり運転はケンカやトラブルに発展するかもしれない行為。そういうことも考えて控えてほしいです」
あおられた人が嫌な気持ちになるだけでなく、あおった人もトラブルに巻き込まれる可能性のあるあおり運転。軽自動車や自分よりも弱そうな人を狙ってストレスを発散する悪質な輩もいるようだが、自分が恥をかかないうちに改めることをおすすめしたい。
<TEXT/山内良子>
【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
―[シリーズ・危険!あおり運転]―