多くのタクシードライバーは真面目に日々業務に励んでいるはずだが、なかには接客態度に疑問符が付く人物もいるようだ。やり玉に挙げられることが多いのが「個人タクシー」だ。神谷秀幸さん(仮名・40代)は、個人タクシー相手に何度もトラブルに遭遇した経験を持っている。
◆「近くですいません」というと、「近いなら乗るな」と…
神谷さんは東京都生まれ。30歳になり、転勤先の京都で個人タクシーを利用したところ、その態度の悪さに驚いたという。
「私は方向音痴で会社がどこにあるかわからなくなってしまい、遅刻しそうになったため、個人タクシーを拾いました。『◯◯(会社名)まで』と目的地を告げると、舌打ちをして『すぐそこやないか。歩け』と嫌な感じで言われました。私も腹が立って『誰が乗るか』と叫んで降りました。こんな感じの悪いタクシーは初めてで驚きました」
◆無口な運転手のこずるい所業
会社には電車で通勤し、タクシーはなるべく利用しないよう心がけていたそう。しかし、どうしても乗らなければいけない場面もある。
「客先周りで交通の便が悪い場所に行くことになり、同僚とタクシーに乗ることになりました。たまたま捕まったのが、個人タクシーだったんです。嫌な予感はしたのですが、同僚と一緒ということもあり、仕方なく乗りました。なにも喋らない運転手で、イライラすることもなくずっと無言が続き、目的地で降ろされたですが、同僚が『かなり遠回りされましたよ』と。気の弱い人物だったので、『指摘できなかった』と。ひどいなと思いました」
◆万札を使おうとすると「おつりないわ」
ある夜、終電を逃したときにも不愉快な思いをすることに。
「早く帰りたかったので、個人タクシーに乗ったんです。“遠回り事件”のあと、何回か個人タクシーに乗ったのですが、意外と普通だったんです。なので今回も大丈夫だと思って。普通に送り届けてもらったのですが、降りるときになり、『1万円札で』と言うと、『おつりないわ。崩して乗るのは常識』と強い口調で言われました。私も『おつりがないタクシーなんてありえない。話にならないから上の人を出せ。おつりが出ないなら金は払わない』と応戦。
『警察を呼ぶぞ』とも言われましたが、『呼びたければ呼べば良い。こちらは金を払う意思はある』と譲りませんでした。結局、すったもんだのすえ、コンビニで崩すことで決着しましたが、本当にとんでもないやつでした。京都以外で、そんなタクシーに遭遇したことはないです。『1万円札しかなくても大丈夫ですか?』と聞いても、『大丈夫です』としか言われませんでしたよ」
◆その後は、配車アプリで乗るように
京都に移住して数年が経過したという神谷さん。現在は、タクシー会社に所属する車両を選んで乗っているそうだ。
「もう個人タクシーには懲り懲りで、名の通った会社の車を選んで乗るようになりました。最近は配車アプリもあるし。もちろん、全部の個人タクシーがそうではなく、ちゃんとした人もいるのですが、複数回嫌な思いをしていますから、、回避したくなりますよ。事情を知らない観光客や府外の人たちが嫌な思いをしていると思うと、少し嫌な気分になります。もう少し管理する団体が、厳しくチェックをしてほしいですね」
<TEXT/佐藤俊治>
【佐藤俊治】
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など
◆「近くですいません」というと、「近いなら乗るな」と…
神谷さんは東京都生まれ。30歳になり、転勤先の京都で個人タクシーを利用したところ、その態度の悪さに驚いたという。
「私は方向音痴で会社がどこにあるかわからなくなってしまい、遅刻しそうになったため、個人タクシーを拾いました。『◯◯(会社名)まで』と目的地を告げると、舌打ちをして『すぐそこやないか。歩け』と嫌な感じで言われました。私も腹が立って『誰が乗るか』と叫んで降りました。こんな感じの悪いタクシーは初めてで驚きました」
◆無口な運転手のこずるい所業
会社には電車で通勤し、タクシーはなるべく利用しないよう心がけていたそう。しかし、どうしても乗らなければいけない場面もある。
「客先周りで交通の便が悪い場所に行くことになり、同僚とタクシーに乗ることになりました。たまたま捕まったのが、個人タクシーだったんです。嫌な予感はしたのですが、同僚と一緒ということもあり、仕方なく乗りました。なにも喋らない運転手で、イライラすることもなくずっと無言が続き、目的地で降ろされたですが、同僚が『かなり遠回りされましたよ』と。気の弱い人物だったので、『指摘できなかった』と。ひどいなと思いました」
◆万札を使おうとすると「おつりないわ」
ある夜、終電を逃したときにも不愉快な思いをすることに。
「早く帰りたかったので、個人タクシーに乗ったんです。“遠回り事件”のあと、何回か個人タクシーに乗ったのですが、意外と普通だったんです。なので今回も大丈夫だと思って。普通に送り届けてもらったのですが、降りるときになり、『1万円札で』と言うと、『おつりないわ。崩して乗るのは常識』と強い口調で言われました。私も『おつりがないタクシーなんてありえない。話にならないから上の人を出せ。おつりが出ないなら金は払わない』と応戦。
『警察を呼ぶぞ』とも言われましたが、『呼びたければ呼べば良い。こちらは金を払う意思はある』と譲りませんでした。結局、すったもんだのすえ、コンビニで崩すことで決着しましたが、本当にとんでもないやつでした。京都以外で、そんなタクシーに遭遇したことはないです。『1万円札しかなくても大丈夫ですか?』と聞いても、『大丈夫です』としか言われませんでしたよ」
◆その後は、配車アプリで乗るように
京都に移住して数年が経過したという神谷さん。現在は、タクシー会社に所属する車両を選んで乗っているそうだ。
「もう個人タクシーには懲り懲りで、名の通った会社の車を選んで乗るようになりました。最近は配車アプリもあるし。もちろん、全部の個人タクシーがそうではなく、ちゃんとした人もいるのですが、複数回嫌な思いをしていますから、、回避したくなりますよ。事情を知らない観光客や府外の人たちが嫌な思いをしていると思うと、少し嫌な気分になります。もう少し管理する団体が、厳しくチェックをしてほしいですね」
<TEXT/佐藤俊治>
【佐藤俊治】
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など