2024年、反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。危険な運転は許さない「あおり運転」部門、仰天のエピソード第7位の記事はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年1月16日 記事は取材時の状況、ご注意ください) * * *
2023~24年シーズンは暖冬と言われながらも年末には各地で大雪。なかには北海道の留萌市や岩見沢市のように記録的なドカ雪で交通・物流が麻痺した地域もあれば、九州や四国など普段降らない地域でも大雪を観測したことはニュースなどで覚えている人も多いだろう。
しかし、注意しなければいけないのは冬道での車の走行。圧雪アイスバーンはもちろん、道路に雪がなくてもブラックアイスバーンで路面がツルツルになっている場合があり、慎重な運転が要求されるからだ。
ただし、そんな冬道でも無茶な運転をするドライバーは後を絶たず、なかには煽り運転をしてくる者も。今から5年前の年明け、会社員の森井佑真さん(仮名・30歳)は、北海道内にある実家から札幌の自宅に車で戻る途中、煽り運転の被害に遭った経験を持つ。しかも、相手はレンタカーだったという。
◆極寒の深夜の国道を走行中、突然威嚇される
「いやぁ、地元のドライバーならいざ知らず、『わ』ナンバーの車だったから驚きましたよ。道外から来た方でも雪国の人なら冬道にもある程度慣れていると思いますが、さすがに北海道の人間でも冬場に煽り運転をかましてくる奴は珍しかったので今でもはっきりと覚えています。だから、最初は怒りや憤りといった感情ではなく、こいつ正気かと思いました」
場所は山間部の国道だったが深夜ということもあり、交通量は少なく対向車もたまにすれ違う程度。雪は降っていなかったが道路はカーブの連続で、さらに外の気温は氷点下マイナス15度を下回っていたとか。車のライトに照らされた路面は見るからに滑りそうな状態だったそうだ。
「私はそこまでノロノロ運転をしていたわけではないですが、相手はこちらが気に入らなかったのか途中でライトをハイビームに変えて煽り続けてきました。なんか滑って追突されてもおかしくない雰囲気でしたし、面倒だから先に行かせてしまおうと少し長めの直線に入ったところで車を左端に寄せたんです。そしたら煽り続けていた車は、待ってましたと言わんばかりに唸りを上げて一気に追い抜いていきました」
◆煽ってきた車は、スピンして雪だまりに…
すぐに車は見えなくなり、ホッとした森井さんだが、話はこれで終わらない。5分ほど走った緩やかカーブで先程まで執拗に煽っていたレンタカーがスピンしたのか道路脇の雪だまりに突っ込んでいたのだ。
交通量が少ない深夜の山道ゆえに状況によっては救出する必要がある。そこで速度を落として現場に近付いたが車には問題なかったのか、ちょうどバックで雪だまりから脱出しようとして出ようとしていたため、特に大きなトラブルはなかったと判断。結局、車を停めずにそのまま素通りする。
「まあ、どんな奴なのか気にならなかったといえばウソになりますけど、煽り運転してくるような輩だし、声をかけて逆に絡まれても困りますから。それに私のことを煽った罰が下ったのでしょう。個人的に自分から何かしたわけではないですが相手が勝手に自滅してくれたことで少しは溜飲が下がりました」
◆懲りたのか、今度はマナーを守って走行
それからしばらくして同じレンタカーが再び後ろから迫ってきたが、この時は煽ることもなく十分な車間距離をキープ。同じようにまた先に譲ってあげると、今度は先程とは打って変わってハザードランプを点滅させるお礼のサインを送ってきたそうだ。
「雪だまりに突っ込んだことで冷静になったのか反省したのかはわかりませんが、散々煽りまくってきた最初の時とは別人のような運転でした。だったら最初からおとなしくしてろよと思わないわけでもないですけどね(笑)。いずれにしても冬場の煽り運転は冗談抜きで洒落にならない。自分らのような冬道に慣れている人間でもヒヤッとする場面は多いし、ああいう真似はマジでやめてもらいたいですね」
首都圏や関西圏のように普段雪が降らない地域でも積もる時はあるし、それ以上に道路がブラックアイスバーンになっている場合は意外と多い。雪がない分、むしろ危険という見方もできる。
そもそも季節を問わず煽り運転自体が妨害運転罪という違法行為。加害者のドライバーたちはそのことをしっかりと自覚してほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
2023~24年シーズンは暖冬と言われながらも年末には各地で大雪。なかには北海道の留萌市や岩見沢市のように記録的なドカ雪で交通・物流が麻痺した地域もあれば、九州や四国など普段降らない地域でも大雪を観測したことはニュースなどで覚えている人も多いだろう。
しかし、注意しなければいけないのは冬道での車の走行。圧雪アイスバーンはもちろん、道路に雪がなくてもブラックアイスバーンで路面がツルツルになっている場合があり、慎重な運転が要求されるからだ。
ただし、そんな冬道でも無茶な運転をするドライバーは後を絶たず、なかには煽り運転をしてくる者も。今から5年前の年明け、会社員の森井佑真さん(仮名・30歳)は、北海道内にある実家から札幌の自宅に車で戻る途中、煽り運転の被害に遭った経験を持つ。しかも、相手はレンタカーだったという。
◆極寒の深夜の国道を走行中、突然威嚇される
「いやぁ、地元のドライバーならいざ知らず、『わ』ナンバーの車だったから驚きましたよ。道外から来た方でも雪国の人なら冬道にもある程度慣れていると思いますが、さすがに北海道の人間でも冬場に煽り運転をかましてくる奴は珍しかったので今でもはっきりと覚えています。だから、最初は怒りや憤りといった感情ではなく、こいつ正気かと思いました」
場所は山間部の国道だったが深夜ということもあり、交通量は少なく対向車もたまにすれ違う程度。雪は降っていなかったが道路はカーブの連続で、さらに外の気温は氷点下マイナス15度を下回っていたとか。車のライトに照らされた路面は見るからに滑りそうな状態だったそうだ。
「私はそこまでノロノロ運転をしていたわけではないですが、相手はこちらが気に入らなかったのか途中でライトをハイビームに変えて煽り続けてきました。なんか滑って追突されてもおかしくない雰囲気でしたし、面倒だから先に行かせてしまおうと少し長めの直線に入ったところで車を左端に寄せたんです。そしたら煽り続けていた車は、待ってましたと言わんばかりに唸りを上げて一気に追い抜いていきました」
◆煽ってきた車は、スピンして雪だまりに…
すぐに車は見えなくなり、ホッとした森井さんだが、話はこれで終わらない。5分ほど走った緩やかカーブで先程まで執拗に煽っていたレンタカーがスピンしたのか道路脇の雪だまりに突っ込んでいたのだ。
交通量が少ない深夜の山道ゆえに状況によっては救出する必要がある。そこで速度を落として現場に近付いたが車には問題なかったのか、ちょうどバックで雪だまりから脱出しようとして出ようとしていたため、特に大きなトラブルはなかったと判断。結局、車を停めずにそのまま素通りする。
「まあ、どんな奴なのか気にならなかったといえばウソになりますけど、煽り運転してくるような輩だし、声をかけて逆に絡まれても困りますから。それに私のことを煽った罰が下ったのでしょう。個人的に自分から何かしたわけではないですが相手が勝手に自滅してくれたことで少しは溜飲が下がりました」
◆懲りたのか、今度はマナーを守って走行
それからしばらくして同じレンタカーが再び後ろから迫ってきたが、この時は煽ることもなく十分な車間距離をキープ。同じようにまた先に譲ってあげると、今度は先程とは打って変わってハザードランプを点滅させるお礼のサインを送ってきたそうだ。
「雪だまりに突っ込んだことで冷静になったのか反省したのかはわかりませんが、散々煽りまくってきた最初の時とは別人のような運転でした。だったら最初からおとなしくしてろよと思わないわけでもないですけどね(笑)。いずれにしても冬場の煽り運転は冗談抜きで洒落にならない。自分らのような冬道に慣れている人間でもヒヤッとする場面は多いし、ああいう真似はマジでやめてもらいたいですね」
首都圏や関西圏のように普段雪が降らない地域でも積もる時はあるし、それ以上に道路がブラックアイスバーンになっている場合は意外と多い。雪がない分、むしろ危険という見方もできる。
そもそも季節を問わず煽り運転自体が妨害運転罪という違法行為。加害者のドライバーたちはそのことをしっかりと自覚してほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。