―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第510回をよろしくお願いします。
◆無印良品で買うべき本格アウター
いよいよ冬の気候になって参りました。
今回は無印の本格中綿アウターの中からおすすめを3つピックアップ! 冬アウターを買い揃えてない人は注目です。
◆都内であればダウンではなく中綿で十分
・紳士 洗える中わた フードジャケット 7990円
まずはこちらダウンではなくて中綿。
軽量かつ中綿の量もさほど多くはないので、たとえば「北海道の寒さをしのげるか」と言われたら微妙です。ただ、毎年思うんですが……ホントにプロスペック級のダウンジャケットって必要なんだろうか???
モンクレールやカナダグースあたりが火付け役となり一時期のプレミアムダウンブームが日本に到来しました。日本人は家電でもお馴染みスペック大好きな国民性ですから、防寒性や透湿性などの機能合戦になっていましたが……よく考えると冬登山するわけでもあるまいし、日本の気候でそこまでの防寒性は必要ない。
雪国の極寒地を徒歩で行くのならまだしも、都内であればダウンではなく中綿で十分だし、雪国でもほとんどが車移動。だとするとダウンじゃなくて、適度な暖かさの中綿でもいいのではないか。そちらのほうが値段も抑えられるし、モコモコ感も抑えられて邪魔にならない。
◆本格ダウン風の見た目と程よい防寒性
加えて、昨今の温暖化で冬期間の短さを考えると10万~20万円かけて本格ダウンジャケットに手を伸ばす必要もなくなってきたんじゃないかと。
そこでこの無印中綿です。中綿量がさほど多くない、とはいえ、一般的なコートと同じくらいの防寒性はある。何よりコンパクトなシルエットで見た目もスタイリッシュで動きやすい。
表面にはキルティングを出していないため、モコモコ感も特に目立たない。裾はギャザーのついたラインが特徴で丸みのあるものに、レディース中心に人気のあるディティールで可愛らしさもあります。
7990円という安さで本格ダウン風の見た目、かつコンパクトで程よい防寒性。このくらいのスペックとプライスが実は今の日本の気候だとベストチョイスなんじゃないかな。
◆ミリタリーデザインを彷彿とさせる本格派
・紳士 撥水スタンドカラーダウンコート 1万4900円
「いやいや! そんなことないよ! うちの地域は極寒だから中綿じゃ全然足りない!」
そんな人にはこちらがおすすめ。いわゆるモンスターパーカなどミリタリーデザインを彷彿とさせるもの。シンプルなディティールで合わせやすく、ダウンのモコモコ感も特別ないスタイリッシュな印象です。
キルティング含む一切のデザインを排しシンプルに徹したもの。表地は日本の蓑から着想された特殊撥水素材を採用しています。蓑はハの字に水が弾かれていく仕組みになっており、素材表面に細かい溝をつけることによりそれを実現。通常の撥水素材は水粒が表面にとどまることが多いのですが、こちらは水が表面に残らず弾かれるように落ちていく。そのため常にドライ、快適でいられます。
◆ほぼデザイナーズブランドのクオリティ
もちろん中綿はダウン採用。90%ダウン10%フェザーの理想的な混紡率。硬いフェザーを織り交ぜることにより型崩れしにくい。フェザーは多すぎれば、コストは安くなるけれど、生地表面を突き抜けて中綿が漏れ出してしまうリスクがあるので、10%が最適値と言われています。
着丈もしっかりと長く防寒性はたっぷり問題なし。フードも収納できるスタンドカラーになっており、文句なし。しかも、袖などももこもこさせないように立体的にカーブをつけて作っており、1万4900円とは思えないこだわりよう。
ユニクロダウンはもはや普及しすぎて「ユニバレ」が避けられませんが、無印のこちらはデザイナーズブランドと言っても誤魔化せそう。1万4900円でこれなら破格です。防寒性もたっぷりほしいけど、なるべくスタイリッシュがいいという方に。
◆ビジネスシーン、通勤着で使える絶妙なバランス
・紳士 洗える中わた ステンカラーコート 5990円
やや薄型ですが、これが案外いい感じ。ビジネスシーン、通勤着などでよく使われるステンカラーコート。こちらはそんなステンカラーに少量の中綿を入れ、防寒性を高めたもの。
あまりガッツリ入れるとステンカラーのスタイリッシュさが消えてしまい、アウトドアライクになってしまうため、ONスタイルには馴染まない。でも、そのまま中綿ナシだと少々寒々しい。そんな絶妙なバランスを狙って作られたもの。
ONスタイルでスーツの上から羽織っても違和感がないほどスタイリッシュだし、デザインもシンプル。中綿量は少なめなので冬場は少し寒いですが、中にインナーダウンなどを入れてしまえば、都内なら十分耐えられるレベル。
◆洗濯機で丸ごと洗いが可能
また、ONのみならずOFFシーンでもデニムなどで合わせて使えるくらいのデザイン。5990円と格安ですが、着丈もしっかり長く、素材もマットで高級感がある。安っぽい印象がそこまでなくブランドもの見えしてくれます。
加えて、洗濯機で丸ごと洗えるのも嬉しい。アウターをどこまで洗う需要があるのかわかりませんが……ダウンなどの中綿アウターは基本洗えないものが多い(クリーニングでも失敗されることが多い)ので長く使うならありがたい。
5990円でここまで条件揃っているアイテムも珍しい。コスパ最強です。
以上、無印の中綿コートおすすめ3選でした!
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第510回をよろしくお願いします。
◆無印良品で買うべき本格アウター
いよいよ冬の気候になって参りました。
今回は無印の本格中綿アウターの中からおすすめを3つピックアップ! 冬アウターを買い揃えてない人は注目です。
◆都内であればダウンではなく中綿で十分
・紳士 洗える中わた フードジャケット 7990円
まずはこちらダウンではなくて中綿。
軽量かつ中綿の量もさほど多くはないので、たとえば「北海道の寒さをしのげるか」と言われたら微妙です。ただ、毎年思うんですが……ホントにプロスペック級のダウンジャケットって必要なんだろうか???
モンクレールやカナダグースあたりが火付け役となり一時期のプレミアムダウンブームが日本に到来しました。日本人は家電でもお馴染みスペック大好きな国民性ですから、防寒性や透湿性などの機能合戦になっていましたが……よく考えると冬登山するわけでもあるまいし、日本の気候でそこまでの防寒性は必要ない。
雪国の極寒地を徒歩で行くのならまだしも、都内であればダウンではなく中綿で十分だし、雪国でもほとんどが車移動。だとするとダウンじゃなくて、適度な暖かさの中綿でもいいのではないか。そちらのほうが値段も抑えられるし、モコモコ感も抑えられて邪魔にならない。
◆本格ダウン風の見た目と程よい防寒性
加えて、昨今の温暖化で冬期間の短さを考えると10万~20万円かけて本格ダウンジャケットに手を伸ばす必要もなくなってきたんじゃないかと。
そこでこの無印中綿です。中綿量がさほど多くない、とはいえ、一般的なコートと同じくらいの防寒性はある。何よりコンパクトなシルエットで見た目もスタイリッシュで動きやすい。
表面にはキルティングを出していないため、モコモコ感も特に目立たない。裾はギャザーのついたラインが特徴で丸みのあるものに、レディース中心に人気のあるディティールで可愛らしさもあります。
7990円という安さで本格ダウン風の見た目、かつコンパクトで程よい防寒性。このくらいのスペックとプライスが実は今の日本の気候だとベストチョイスなんじゃないかな。
◆ミリタリーデザインを彷彿とさせる本格派
・紳士 撥水スタンドカラーダウンコート 1万4900円
「いやいや! そんなことないよ! うちの地域は極寒だから中綿じゃ全然足りない!」
そんな人にはこちらがおすすめ。いわゆるモンスターパーカなどミリタリーデザインを彷彿とさせるもの。シンプルなディティールで合わせやすく、ダウンのモコモコ感も特別ないスタイリッシュな印象です。
キルティング含む一切のデザインを排しシンプルに徹したもの。表地は日本の蓑から着想された特殊撥水素材を採用しています。蓑はハの字に水が弾かれていく仕組みになっており、素材表面に細かい溝をつけることによりそれを実現。通常の撥水素材は水粒が表面にとどまることが多いのですが、こちらは水が表面に残らず弾かれるように落ちていく。そのため常にドライ、快適でいられます。
◆ほぼデザイナーズブランドのクオリティ
もちろん中綿はダウン採用。90%ダウン10%フェザーの理想的な混紡率。硬いフェザーを織り交ぜることにより型崩れしにくい。フェザーは多すぎれば、コストは安くなるけれど、生地表面を突き抜けて中綿が漏れ出してしまうリスクがあるので、10%が最適値と言われています。
着丈もしっかりと長く防寒性はたっぷり問題なし。フードも収納できるスタンドカラーになっており、文句なし。しかも、袖などももこもこさせないように立体的にカーブをつけて作っており、1万4900円とは思えないこだわりよう。
ユニクロダウンはもはや普及しすぎて「ユニバレ」が避けられませんが、無印のこちらはデザイナーズブランドと言っても誤魔化せそう。1万4900円でこれなら破格です。防寒性もたっぷりほしいけど、なるべくスタイリッシュがいいという方に。
◆ビジネスシーン、通勤着で使える絶妙なバランス
・紳士 洗える中わた ステンカラーコート 5990円
やや薄型ですが、これが案外いい感じ。ビジネスシーン、通勤着などでよく使われるステンカラーコート。こちらはそんなステンカラーに少量の中綿を入れ、防寒性を高めたもの。
あまりガッツリ入れるとステンカラーのスタイリッシュさが消えてしまい、アウトドアライクになってしまうため、ONスタイルには馴染まない。でも、そのまま中綿ナシだと少々寒々しい。そんな絶妙なバランスを狙って作られたもの。
ONスタイルでスーツの上から羽織っても違和感がないほどスタイリッシュだし、デザインもシンプル。中綿量は少なめなので冬場は少し寒いですが、中にインナーダウンなどを入れてしまえば、都内なら十分耐えられるレベル。
◆洗濯機で丸ごと洗いが可能
また、ONのみならずOFFシーンでもデニムなどで合わせて使えるくらいのデザイン。5990円と格安ですが、着丈もしっかり長く、素材もマットで高級感がある。安っぽい印象がそこまでなくブランドもの見えしてくれます。
加えて、洗濯機で丸ごと洗えるのも嬉しい。アウターをどこまで洗う需要があるのかわかりませんが……ダウンなどの中綿アウターは基本洗えないものが多い(クリーニングでも失敗されることが多い)ので長く使うならありがたい。
5990円でここまで条件揃っているアイテムも珍しい。コスパ最強です。
以上、無印の中綿コートおすすめ3選でした!
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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