ユニークで豪華なインテリアやテーマルーム、そしてジャグジーやカラオケなどの充実した設備により、非日常感が味わえる空間・ラブホテル。胸を高鳴らせ、甘い時間を期待しながら利用する人が多いことだろう。
福岡の繁華街にあるラブホテルで、ベッドメイクとフロント業務を5年続けた天野翔子さん(仮名)はこう語る。
「ラブホテルには、本当にさまざまな事情を抱えた人たちが訪れます。入口も人目につきにくい仕様ですし、ビジネスホテルのように個人情報を記載することもありません。そのため『普段とは違う自分になれる』と開放的になるのか、それとも、もともと変わった人なのかどうか……詳しくはわかりませんが、こちらが対応に困るお客様も稀にいらっしゃるんです」
今回ご紹介するエピソードは、ラブホテルにたびたび現れた「男性従業員を誘惑する謎の女性客」の話だ。
◆40代前半の上品な女性客が実は…
天野さんの働いていたラブホテルには、たびたびやってきては対応に困る女性客がいたそう。
「そのお客様は、見た目は40代前半くらいで“上品な奥様”という印象の女性でした。その方は問題のリピーター客として従業員のなかで以前から話題になっていたんです。
ラブホテルって、男性客が“夜のお姉さんのデリバリー”をするために利用することがかなり多いんですよ。ラブホテルの立地にもよると思いますが、私のいたラブホでは“夜のお姉さんのデリバリー”利用は、全体の客数の半分以上を占めていました。そのため、まず男性1名が先にチェックインし、後から“夜のお姉さん”が合流するという流れが一般的なんですが……。
ただ、その40代の女性客は、長いときで6時間以上も部屋に滞在していましたが、いつも一人でチェックインしたあとはずっと部屋にいて、ほかのお客様と合流することはありませんでした」
◆必ず追加のバスタオルを依頼される
女性一人でラブホテルに長時間滞在するのは非常に希有なことだという。しかしその女性客は、さらに珍しいことに何度もフロントに電話をかけてきたのだそうだ。
「その女性客は電話で必ず追加のバスタオルを頼まれるんです。ただ、私がバスタオルを届けたときは、バスタオルを受け取るとさっと部屋に戻っていって、ほかのお客さんと変わらない様子でした。
だから女性の一人利用は珍しいと思いつつも、なぜこのお客さんがそこまで従業員たちのなかで問題視されるのか、わからずにいたんです」
しかし同僚の男性に話を聞いて、天野さんはこの女性客の“ヤバさ”を理解したという。
◆男性従業員だけがターゲットに?
同僚の男性はためらいつつも、その女性客の不可思議な言動を教えてくれたそうだ。
「同僚の話によると、男性従業員が届けにきた場合には、『カラオケの使い方を教えてほしい』とか言って、部屋にその男性従業員を招き入れるらしいんです。おそらく最初の電話で、追加のバスタオルを部屋に持ってくる従業員が男性なのか女性なのかを確認しているのでしょう。
そして、男性従業員が部屋に来るとわかると、女性客は裸にガウンだけ羽織った姿で現れるそうなんです。ガウンの前は縛っておらず、胸や下半身がチラチラ見える状態らしくて。
従業員が説明をしている間も、距離を詰めてわざといろいろ質問してくるそうなんですよ。『目のやり場に困っている俺の姿を楽しんでいるようだった』と同僚は言っていましたね」
◆裸にガウン、その女性客の目的は?
その女性客は、部屋に来たのが男性従業員のときだけ中に招き入れては、ガウンからチラ見せする露出を楽しんでいたようだ。
「部屋の中に入れる理由は『テレビがつかない』、『部屋の備え付けの充電器が使えなくなった』、『シャワーのお湯が出なくなった』などのパターンがあるようなんですが、ほとんど女性客の勘違いで、すぐに解決するそうなんです。
そのため対応自体は短時間で終わるようなんですが、毎回必ず裸にガウンや下着姿など露出の高い恰好で出迎えられるらしいんですよね。
そんな格好だと、もしかして男性従業員と情事があったのか……? とも思いましたが私の聞いた限りでは、男性従業員たちとその女性客との間でコトに及んだという話は聞きませんでした。もしかするとなにかあった人も実はいるのかもしれませんが……」
同僚の男性の話によると、その女性客は“その後の展開”を望んでいたのか、裸体をチラ見せするだけで満足していたのかはわからないのだそう。
「露出狂ってことなんでしょうかね……? その女性客は最近ほとんど来店していないそうなので、いまでも一体何が目的だったのか、真相はわからないままなんですよ」
――その女性客はもしかすると、今日もどこかのラブホテルで男性従業員を誘惑しているのかもしれない。
<取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio>
【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。
―[ラブホの珍事件]―
福岡の繁華街にあるラブホテルで、ベッドメイクとフロント業務を5年続けた天野翔子さん(仮名)はこう語る。
「ラブホテルには、本当にさまざまな事情を抱えた人たちが訪れます。入口も人目につきにくい仕様ですし、ビジネスホテルのように個人情報を記載することもありません。そのため『普段とは違う自分になれる』と開放的になるのか、それとも、もともと変わった人なのかどうか……詳しくはわかりませんが、こちらが対応に困るお客様も稀にいらっしゃるんです」
今回ご紹介するエピソードは、ラブホテルにたびたび現れた「男性従業員を誘惑する謎の女性客」の話だ。
◆40代前半の上品な女性客が実は…
天野さんの働いていたラブホテルには、たびたびやってきては対応に困る女性客がいたそう。
「そのお客様は、見た目は40代前半くらいで“上品な奥様”という印象の女性でした。その方は問題のリピーター客として従業員のなかで以前から話題になっていたんです。
ラブホテルって、男性客が“夜のお姉さんのデリバリー”をするために利用することがかなり多いんですよ。ラブホテルの立地にもよると思いますが、私のいたラブホでは“夜のお姉さんのデリバリー”利用は、全体の客数の半分以上を占めていました。そのため、まず男性1名が先にチェックインし、後から“夜のお姉さん”が合流するという流れが一般的なんですが……。
ただ、その40代の女性客は、長いときで6時間以上も部屋に滞在していましたが、いつも一人でチェックインしたあとはずっと部屋にいて、ほかのお客様と合流することはありませんでした」
◆必ず追加のバスタオルを依頼される
女性一人でラブホテルに長時間滞在するのは非常に希有なことだという。しかしその女性客は、さらに珍しいことに何度もフロントに電話をかけてきたのだそうだ。
「その女性客は電話で必ず追加のバスタオルを頼まれるんです。ただ、私がバスタオルを届けたときは、バスタオルを受け取るとさっと部屋に戻っていって、ほかのお客さんと変わらない様子でした。
だから女性の一人利用は珍しいと思いつつも、なぜこのお客さんがそこまで従業員たちのなかで問題視されるのか、わからずにいたんです」
しかし同僚の男性に話を聞いて、天野さんはこの女性客の“ヤバさ”を理解したという。
◆男性従業員だけがターゲットに?
同僚の男性はためらいつつも、その女性客の不可思議な言動を教えてくれたそうだ。
「同僚の話によると、男性従業員が届けにきた場合には、『カラオケの使い方を教えてほしい』とか言って、部屋にその男性従業員を招き入れるらしいんです。おそらく最初の電話で、追加のバスタオルを部屋に持ってくる従業員が男性なのか女性なのかを確認しているのでしょう。
そして、男性従業員が部屋に来るとわかると、女性客は裸にガウンだけ羽織った姿で現れるそうなんです。ガウンの前は縛っておらず、胸や下半身がチラチラ見える状態らしくて。
従業員が説明をしている間も、距離を詰めてわざといろいろ質問してくるそうなんですよ。『目のやり場に困っている俺の姿を楽しんでいるようだった』と同僚は言っていましたね」
◆裸にガウン、その女性客の目的は?
その女性客は、部屋に来たのが男性従業員のときだけ中に招き入れては、ガウンからチラ見せする露出を楽しんでいたようだ。
「部屋の中に入れる理由は『テレビがつかない』、『部屋の備え付けの充電器が使えなくなった』、『シャワーのお湯が出なくなった』などのパターンがあるようなんですが、ほとんど女性客の勘違いで、すぐに解決するそうなんです。
そのため対応自体は短時間で終わるようなんですが、毎回必ず裸にガウンや下着姿など露出の高い恰好で出迎えられるらしいんですよね。
そんな格好だと、もしかして男性従業員と情事があったのか……? とも思いましたが私の聞いた限りでは、男性従業員たちとその女性客との間でコトに及んだという話は聞きませんでした。もしかするとなにかあった人も実はいるのかもしれませんが……」
同僚の男性の話によると、その女性客は“その後の展開”を望んでいたのか、裸体をチラ見せするだけで満足していたのかはわからないのだそう。
「露出狂ってことなんでしょうかね……? その女性客は最近ほとんど来店していないそうなので、いまでも一体何が目的だったのか、真相はわからないままなんですよ」
――その女性客はもしかすると、今日もどこかのラブホテルで男性従業員を誘惑しているのかもしれない。
<取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio>
【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。
―[ラブホの珍事件]―