さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはソワソワと向かう場所だ。
今回は、ラブホの従業員が衝撃を受けたというエピソードを紹介する。
◆「部屋を掛け持ち」不審すぎる客の動きに従業員たちが困惑
「私が働いていたラブホは、休憩の料金は後払いで、宿泊は前払いというシステムでした。お客様が部屋に入ると、ドアが開閉するたびにフロントで“ブザーが鳴る”仕組みでした。ブザーによって、スタッフは各部屋の動向をチェックできるんです」
それはクリスマスの繁忙期、田中千恵美さん(仮名・40代)は、フロント業務を担当していた。客の出入りが多かった中で、特に目立った1人の男性がいたという。
「その男性は、1人で3部屋を予約しました。『休憩3部屋、同じ階でお願いします』と言ってきたので、私は、おそらく身内同士のカップルたちだろうと思っていました」
予約時には疑問に感じることはなかったのだが……。
「予約した男性は1人で来店しました。その後、3人の女性が別々に来店したんです」
しかも、男性が1つの部屋を出ては、別の女性が待つ部屋へと移動する。つまり、1人で3部屋を使用していたようだ。
「男性が部屋を出るたびに鳴るブザー音に、スタッフ全員が気を取られて業務が滞るほどでしたね」
はじめはその音に対して気にはしていなかったのだが、徐々にその異常さに気づくことに。ブザー音が鳴るたびに、スタッフたちが、
「今のは退室の音?」
「今度は何の音?」
「何なの!」
と、確認し合っていたものの、実際には男性がチェックアウトすることはなかったのだ。
◆“クリスマスの伝説”と化した男女の修羅場
男性が部屋を移動するたびに鳴るブザー音。あまりの頻度に、“違和感しかない”状況だった。あきらかに何かが起きている……。
「そこで、上司が状況を把握するために、男性の部屋にいきました」
すると、男性が3部屋を掛け持ちしていた理由として、“3股をかけていた”ことが発覚し、怒りを抑えられなかった女性客3人のうち1人が警察に通報したようだ。現場は混乱状態、まさに“地獄絵図”だったという。
「私にとって、この出来事はいまだに忘れられない衝撃的な思い出です。普段は見ないような大人の事情に触れたことで、戸惑いを覚えたのも事実です」
それからしばらくの間は、勤務中に監視カメラを意識しながら仕事をしていたそうだ。
「最終的に、その男性がどうなったのかは分かりませんが、この事件はスタッフの間で“クリスマスの伝説”として語り継がれることになりました」
◆“女性の交換”に驚愕した大学生の新人スタッフ
当時、大学3年生だった千田拓弥さん(仮名・30代)は、ラブホの清掃業務を担当していた。
「普段は忙しいのですが、その日は暇で、休憩室で先輩たちと世間話をしていました」
時間はあっという間に過ぎ、21時を過ぎた頃、ようやく1人の男性が102号室にチェックインした。先輩が「派遣のお姉さんの利用か」と一言。その後も、その言葉を気にせずに会話を続けていたという。
「すると、すぐに隣の103号室にも別の男性が入室したんです。そして、“女性たち”が102号室と103号室を行き来するようすが見られました」
しかし、しばらくして監視カメラ担当の先輩が、「んん? そのまま交換かい?」といい、スタッフみんながその画面にくぎ付けとなった。
「なんと、102号室の女性と103号室の女性が、そのまま交換して入っていったんです。それを見た先輩たちは、『元気だねぇ』と笑っていましたが、私は驚きました」
◆“大人の世界”には理解できないことがたくさん…
客が帰った後も、先輩たちは世間話を再開していたが、千田さんはまだ“その衝撃的な出来事”に心の中がついていけなかったという。そして、思い切って先輩に尋ねることにしたそうだが「割とよくあることだよ」とのことだった。
「ただ、その日は、見てはいけない不思議な瞬間を目撃した気がしましたね」
まだ大学生だった千田さんにとって、大人の世界にはまだ理解できないことがたくさんあると実感した瞬間だったようだ。
「それ以来、出勤時に監視カメラを少し気にしながら働いていたのを覚えています」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―
今回は、ラブホの従業員が衝撃を受けたというエピソードを紹介する。
◆「部屋を掛け持ち」不審すぎる客の動きに従業員たちが困惑
「私が働いていたラブホは、休憩の料金は後払いで、宿泊は前払いというシステムでした。お客様が部屋に入ると、ドアが開閉するたびにフロントで“ブザーが鳴る”仕組みでした。ブザーによって、スタッフは各部屋の動向をチェックできるんです」
それはクリスマスの繁忙期、田中千恵美さん(仮名・40代)は、フロント業務を担当していた。客の出入りが多かった中で、特に目立った1人の男性がいたという。
「その男性は、1人で3部屋を予約しました。『休憩3部屋、同じ階でお願いします』と言ってきたので、私は、おそらく身内同士のカップルたちだろうと思っていました」
予約時には疑問に感じることはなかったのだが……。
「予約した男性は1人で来店しました。その後、3人の女性が別々に来店したんです」
しかも、男性が1つの部屋を出ては、別の女性が待つ部屋へと移動する。つまり、1人で3部屋を使用していたようだ。
「男性が部屋を出るたびに鳴るブザー音に、スタッフ全員が気を取られて業務が滞るほどでしたね」
はじめはその音に対して気にはしていなかったのだが、徐々にその異常さに気づくことに。ブザー音が鳴るたびに、スタッフたちが、
「今のは退室の音?」
「今度は何の音?」
「何なの!」
と、確認し合っていたものの、実際には男性がチェックアウトすることはなかったのだ。
◆“クリスマスの伝説”と化した男女の修羅場
男性が部屋を移動するたびに鳴るブザー音。あまりの頻度に、“違和感しかない”状況だった。あきらかに何かが起きている……。
「そこで、上司が状況を把握するために、男性の部屋にいきました」
すると、男性が3部屋を掛け持ちしていた理由として、“3股をかけていた”ことが発覚し、怒りを抑えられなかった女性客3人のうち1人が警察に通報したようだ。現場は混乱状態、まさに“地獄絵図”だったという。
「私にとって、この出来事はいまだに忘れられない衝撃的な思い出です。普段は見ないような大人の事情に触れたことで、戸惑いを覚えたのも事実です」
それからしばらくの間は、勤務中に監視カメラを意識しながら仕事をしていたそうだ。
「最終的に、その男性がどうなったのかは分かりませんが、この事件はスタッフの間で“クリスマスの伝説”として語り継がれることになりました」
◆“女性の交換”に驚愕した大学生の新人スタッフ
当時、大学3年生だった千田拓弥さん(仮名・30代)は、ラブホの清掃業務を担当していた。
「普段は忙しいのですが、その日は暇で、休憩室で先輩たちと世間話をしていました」
時間はあっという間に過ぎ、21時を過ぎた頃、ようやく1人の男性が102号室にチェックインした。先輩が「派遣のお姉さんの利用か」と一言。その後も、その言葉を気にせずに会話を続けていたという。
「すると、すぐに隣の103号室にも別の男性が入室したんです。そして、“女性たち”が102号室と103号室を行き来するようすが見られました」
しかし、しばらくして監視カメラ担当の先輩が、「んん? そのまま交換かい?」といい、スタッフみんながその画面にくぎ付けとなった。
「なんと、102号室の女性と103号室の女性が、そのまま交換して入っていったんです。それを見た先輩たちは、『元気だねぇ』と笑っていましたが、私は驚きました」
◆“大人の世界”には理解できないことがたくさん…
客が帰った後も、先輩たちは世間話を再開していたが、千田さんはまだ“その衝撃的な出来事”に心の中がついていけなかったという。そして、思い切って先輩に尋ねることにしたそうだが「割とよくあることだよ」とのことだった。
「ただ、その日は、見てはいけない不思議な瞬間を目撃した気がしましたね」
まだ大学生だった千田さんにとって、大人の世界にはまだ理解できないことがたくさんあると実感した瞬間だったようだ。
「それ以来、出勤時に監視カメラを少し気にしながら働いていたのを覚えています」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―