どのホテルにも必ず置いてある歯ブラシやT字カミソリ、クシといったアメニティグッズ。最近はSDGsへの取り組みの一環として部屋に置かず、必要な分だけお客に持って行ってもらおうとロビー階などにアメニティ置き場を設置するケースが増えている。
だが、なかには好きなだけ持って行って構わないと勘違いしている客もいるようだ。「元カノがまさにそういう女性だった」と話すのは、証券会社に勤める駒谷裕太さん(仮名・29歳)だ。
◆注意しても逆ギレ。まったく話を聞こうとしない
7月の3連休を利用し、2人で初めて旅行に行くことに。その時泊まったのは、札幌のビジネスホテルだった。
宿泊客がアメニティ置き場から持って行くタイプのホテルだったのだが、彼女は歯ブラシや綿棒、身体を洗うためのスポンジ、お茶のパックなどをそれぞれ大量に掴んでは何食わぬ顔して自分のバッグに入れていたのだ。
「それもキョロキョロと周りの様子を伺うこともなく堂々とやっていたため、さすがに引きました。部屋に入ってからそんなに持って来る必要あったのかと尋ねたのですが、『特に注意書きもなかったし、別にいいじゃない』と明らかにイラついた様子で反論されました。
まだ現地に着いたばかりで旅行はこれからでしたし、ここでケンカするのは避けたかったため、アメニティの件についてはそれ以上触れないようにしました」
ただし、彼女がアメニティを大量にゲットしたのは、この1回だけではなかった。2日目にも同じことを繰り返し、これには駒谷さんも呆れてしまう。
「夜、彼女が『自販機で飲み物買ってくる』と言って部屋を出て、5分くらい経ってからドアをノックする音が聞こえたんです。彼女もルームキーを持っていたので自分で開ければいいのにと思いつつドアを開けると、また両手に大量のアメニティを抱えていたんです。
しかも、初日には持って来なかったT字カミソリを10個近く持ってたんじゃないかな? 私は体質的にヒゲが薄いし、そもそも滅多に剃らない。だから、そのカミソリは誰用なんだろう。ほかに男がいるんじゃないか、とか余計な疑念が頭をよぎりました」
◆年齢的に結婚を意識するも彼女とは考えられず、別れを決意
いくらなんでもここまで大量のアメニティを持ち帰ろうとするのはルール違反。そこで彼女に「返したほうがいい」と諭しますが、彼女は前日と同じ主張をするばかりで不貞腐れてしまう。
翌朝には機嫌が元に戻っていたが、駒谷さんの中ではこのまま交際を続けることに疑問を感じるようになったという。
「人並みに結婚願望を持っていますし、彼女ともこのままゴールインするのかなと考えていました。けど、この時の出来事は結婚相手として無理と判断するには十分すぎる出来事でした。
私の意見に耳を傾けようともせず、ただ逆ギレするだけ。彼女は何事も自分が正しいと思い込んでいるのか、意見や考えを絶対曲げないことを思い出したんです。
最初は彼女のことが好きだったからあまり気にしませんでしたが、いつも私から折れていましたし、この旅行中だってそう。ヘソを曲げた彼女のご機嫌を取るのがなんだか馬鹿らしく思えてしまったんです」
◆“手グセ”の悪さはファミレスでも変わらず
旅行から帰ってきた後もファミレスに行くと、ドリンクバー用のガムシロップやミルクを慣れた手つきでポケットにイン。そうした行為にもはや嫌悪感しかなく、ついに彼のほうから別れを切り出したそうだ。
当然、彼女は納得が行かなかったが、そう思うに至った理由をきちんと説明。「やめたほうがいい」とたしなめる彼に感情的に反発するだけだったため、その態度を見て将来のことが考えられなくなったと告げたのだ。
「彼女は『私だってあんたなんか願い下げよ!』とここでもキレてましたね。謝って反省していたら再構築もゼロじゃなかったと思いますが、彼女は人一倍プライドが高い女性。ある程度予想していたことですけど、最後もケンカ別れのような形になってしまいました」
◆いくら美人でも常識に欠ける人間はお断り
それでも2人の出会ったきっかけはマッチングアプリ。共通の友人や知人がおらず、周囲に悪評を流されなかったことは不幸中の幸いだったともいえる。
「別に人として立派である必要はないですが、最低限の常識だけは持ち合わせていてほしい。いくら見た目がキレイでもそこがダメなら台無しだと元カノとの一件で改めて感じました」
今回のケースに限らず、迷惑行為を働く人は、そのほとんどは自分が非常識な人間との自覚はない。それでも周りの意見に耳を傾け、反省すべき点は改めてくれればいいが、話し合いもできないなら相手や周りの人間が疲れるだけだ。
パートナーが非常識な人間だとそれだけで相手に我慢を強いることになる。せめて人として最低限の常識だけはわきまえてほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
だが、なかには好きなだけ持って行って構わないと勘違いしている客もいるようだ。「元カノがまさにそういう女性だった」と話すのは、証券会社に勤める駒谷裕太さん(仮名・29歳)だ。
◆注意しても逆ギレ。まったく話を聞こうとしない
7月の3連休を利用し、2人で初めて旅行に行くことに。その時泊まったのは、札幌のビジネスホテルだった。
宿泊客がアメニティ置き場から持って行くタイプのホテルだったのだが、彼女は歯ブラシや綿棒、身体を洗うためのスポンジ、お茶のパックなどをそれぞれ大量に掴んでは何食わぬ顔して自分のバッグに入れていたのだ。
「それもキョロキョロと周りの様子を伺うこともなく堂々とやっていたため、さすがに引きました。部屋に入ってからそんなに持って来る必要あったのかと尋ねたのですが、『特に注意書きもなかったし、別にいいじゃない』と明らかにイラついた様子で反論されました。
まだ現地に着いたばかりで旅行はこれからでしたし、ここでケンカするのは避けたかったため、アメニティの件についてはそれ以上触れないようにしました」
ただし、彼女がアメニティを大量にゲットしたのは、この1回だけではなかった。2日目にも同じことを繰り返し、これには駒谷さんも呆れてしまう。
「夜、彼女が『自販機で飲み物買ってくる』と言って部屋を出て、5分くらい経ってからドアをノックする音が聞こえたんです。彼女もルームキーを持っていたので自分で開ければいいのにと思いつつドアを開けると、また両手に大量のアメニティを抱えていたんです。
しかも、初日には持って来なかったT字カミソリを10個近く持ってたんじゃないかな? 私は体質的にヒゲが薄いし、そもそも滅多に剃らない。だから、そのカミソリは誰用なんだろう。ほかに男がいるんじゃないか、とか余計な疑念が頭をよぎりました」
◆年齢的に結婚を意識するも彼女とは考えられず、別れを決意
いくらなんでもここまで大量のアメニティを持ち帰ろうとするのはルール違反。そこで彼女に「返したほうがいい」と諭しますが、彼女は前日と同じ主張をするばかりで不貞腐れてしまう。
翌朝には機嫌が元に戻っていたが、駒谷さんの中ではこのまま交際を続けることに疑問を感じるようになったという。
「人並みに結婚願望を持っていますし、彼女ともこのままゴールインするのかなと考えていました。けど、この時の出来事は結婚相手として無理と判断するには十分すぎる出来事でした。
私の意見に耳を傾けようともせず、ただ逆ギレするだけ。彼女は何事も自分が正しいと思い込んでいるのか、意見や考えを絶対曲げないことを思い出したんです。
最初は彼女のことが好きだったからあまり気にしませんでしたが、いつも私から折れていましたし、この旅行中だってそう。ヘソを曲げた彼女のご機嫌を取るのがなんだか馬鹿らしく思えてしまったんです」
◆“手グセ”の悪さはファミレスでも変わらず
旅行から帰ってきた後もファミレスに行くと、ドリンクバー用のガムシロップやミルクを慣れた手つきでポケットにイン。そうした行為にもはや嫌悪感しかなく、ついに彼のほうから別れを切り出したそうだ。
当然、彼女は納得が行かなかったが、そう思うに至った理由をきちんと説明。「やめたほうがいい」とたしなめる彼に感情的に反発するだけだったため、その態度を見て将来のことが考えられなくなったと告げたのだ。
「彼女は『私だってあんたなんか願い下げよ!』とここでもキレてましたね。謝って反省していたら再構築もゼロじゃなかったと思いますが、彼女は人一倍プライドが高い女性。ある程度予想していたことですけど、最後もケンカ別れのような形になってしまいました」
◆いくら美人でも常識に欠ける人間はお断り
それでも2人の出会ったきっかけはマッチングアプリ。共通の友人や知人がおらず、周囲に悪評を流されなかったことは不幸中の幸いだったともいえる。
「別に人として立派である必要はないですが、最低限の常識だけは持ち合わせていてほしい。いくら見た目がキレイでもそこがダメなら台無しだと元カノとの一件で改めて感じました」
今回のケースに限らず、迷惑行為を働く人は、そのほとんどは自分が非常識な人間との自覚はない。それでも周りの意見に耳を傾け、反省すべき点は改めてくれればいいが、話し合いもできないなら相手や周りの人間が疲れるだけだ。
パートナーが非常識な人間だとそれだけで相手に我慢を強いることになる。せめて人として最低限の常識だけはわきまえてほしいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。