―[貧困東大生・布施川天馬]―
あけましておめでとうございます。年明けの挨拶や親せきの集まりなど、何かと忙しい新年ですが、子どもの頃はどれも退屈に感じるものでした。
唯一楽しみだったのが、お年玉。自分で稼げない子どもにとっては、年に一度きりのボーナスにも等しい存在でした。誰からはいくらもらえるだろうから……と捕らぬ狸の皮算用をしたのも良い思い出です。
私の家は貧乏で、親戚も少なかったので、多くても2万~3万程度しかもらえませんでした。私は中高私立の学校に通っており、クラスメートたちが目が飛び出るような金額のお年玉をもらっているさまを羨ましく感じていたものです。
昔は、お金持ちの家ほど、子どもに大量のお年玉を配るような気がしていました。ですが、本当にそうでしょうか? どうせ使いきれない金額を、子どもに与えるような親がどれだけいるでしょうか。
お金持ちといえば、東大生の懐事情は気になるところです。東大の半数以上は世帯年収950万以上といわれていますから、きっとそれなりの金額をもらっているはず。
今回は、東大生20人に「いくらお年玉をもらっていたか」についてインタビュー調査を行いました。
◆東大生のお年玉事情
① 0~5万円
② 6~10万円
③ 11万~15万
④ それ以上
上記、4項目で調査を行いました。回答者は20名。
①17名
②3名
③0名
④0名
内訳は上記の通り。
ほとんどが5万円以内であったと回答しており、思ったよりも東大生のお年玉は多くない様子。
ただし、これは一番多かった年について聞いているので、人によっては、「親戚の集まりがあるかないかで大きく変わる。集まりがあった場合は、最高で20万くらいもらったこともある」と答えてくれた子もいました。
確かに、一人の大人から10万とかもらっているイメージはなかなかありません。多くの大人に挨拶する機会があればあるほど、お年玉の総額が増えるといったほうが正しいのでしょう。
◆お年玉の使い道は?
では、彼らはいったいどのようにお年玉を使っていたのでしょうか? 使い道についても聞いてみました。
意外と多かったのが「マンガやゲームなど、娯楽に使った」という意見。
意外なところでは、アイドルなどの「推し活」のためにグッズを購入していた方もちらほら。
まじめで勉強好きで、遊びに使う金を「無駄金」なんて切り捨てていそうなイメージとは裏腹に、意外と自分の娯楽のために消費していた方が多数いました。
◆「お年玉を使う必要がなかった」ワケ
次に多かったのが貯金。親のコントロール下において、代わりに貯金してもらっていたといいます。
貯金していた理由としては、「使いたいものがなかったから」が一番多く出ました。
そう答えたうちの数人は、中高生になってから推し活などに傾倒するようになってお年玉を使い始めたといいますが、大学生になるまで貯金を続けた方もいらっしゃいました。
「そんなに欲しいものがなかったの? 普段の生活ではどうしていたの?」と聞いたところ、「買ってほしいものは、言えば大抵は親が買ってきたし、親に言えないような買い物もしなかったから、お金を使うタイミングがなかった」と返ってきました。
本当のお金持ちは、お年玉の金額ではなく、お年玉の使い道ではっきりするのかもしれません。
貯金していたと回答してくれた方に「貯金の使い道は?」と聞いたところ、みんな口を揃えて「大学の入学金や一人暮らしの準備金に充てた」と答えてくれました。大人になってからの備えとして、お年玉貯金は有効なのでしょう。
もしかして、親のポケットに入っていなかったのかな? と思い、それも尋ねましたが、1名を除いて、みんな「ほぼ全額貯金されていたはず」と答えました。小さいころから抜け目なさが発揮されていたのかもしれませんね。
◆お金持ちだからお年玉が多いわけではない
今回は東大生の気になるお年玉事情について調査しました。
お金持ちの家はたくさんお年玉をもらっているイメージでしたが、お金持ちだからではなく、親戚付き合いなどでたくさんの大人に挨拶するような身分があるから、たくさんもらえていたのだろう、という仮説が立ちました。
結局は、親の財布事情よりも社会的地位がお年玉の総額に関係するのかもしれません。
また、貯金に回していたという回答が多かったことからも、東大生の親たちは、うまく子どもに渡る金額をコントロールしていたのでしょう。
金融教育は難しいですが、実地研修として学びを得るいい機会ととらえれば、単に金銭を受け渡すだけの行事からレベルアップさせられるかもしれませんよ。
【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
―[貧困東大生・布施川天馬]―
あけましておめでとうございます。年明けの挨拶や親せきの集まりなど、何かと忙しい新年ですが、子どもの頃はどれも退屈に感じるものでした。
唯一楽しみだったのが、お年玉。自分で稼げない子どもにとっては、年に一度きりのボーナスにも等しい存在でした。誰からはいくらもらえるだろうから……と捕らぬ狸の皮算用をしたのも良い思い出です。
私の家は貧乏で、親戚も少なかったので、多くても2万~3万程度しかもらえませんでした。私は中高私立の学校に通っており、クラスメートたちが目が飛び出るような金額のお年玉をもらっているさまを羨ましく感じていたものです。
昔は、お金持ちの家ほど、子どもに大量のお年玉を配るような気がしていました。ですが、本当にそうでしょうか? どうせ使いきれない金額を、子どもに与えるような親がどれだけいるでしょうか。
お金持ちといえば、東大生の懐事情は気になるところです。東大の半数以上は世帯年収950万以上といわれていますから、きっとそれなりの金額をもらっているはず。
今回は、東大生20人に「いくらお年玉をもらっていたか」についてインタビュー調査を行いました。
◆東大生のお年玉事情
① 0~5万円
② 6~10万円
③ 11万~15万
④ それ以上
上記、4項目で調査を行いました。回答者は20名。
①17名
②3名
③0名
④0名
内訳は上記の通り。
ほとんどが5万円以内であったと回答しており、思ったよりも東大生のお年玉は多くない様子。
ただし、これは一番多かった年について聞いているので、人によっては、「親戚の集まりがあるかないかで大きく変わる。集まりがあった場合は、最高で20万くらいもらったこともある」と答えてくれた子もいました。
確かに、一人の大人から10万とかもらっているイメージはなかなかありません。多くの大人に挨拶する機会があればあるほど、お年玉の総額が増えるといったほうが正しいのでしょう。
◆お年玉の使い道は?
では、彼らはいったいどのようにお年玉を使っていたのでしょうか? 使い道についても聞いてみました。
意外と多かったのが「マンガやゲームなど、娯楽に使った」という意見。
意外なところでは、アイドルなどの「推し活」のためにグッズを購入していた方もちらほら。
まじめで勉強好きで、遊びに使う金を「無駄金」なんて切り捨てていそうなイメージとは裏腹に、意外と自分の娯楽のために消費していた方が多数いました。
◆「お年玉を使う必要がなかった」ワケ
次に多かったのが貯金。親のコントロール下において、代わりに貯金してもらっていたといいます。
貯金していた理由としては、「使いたいものがなかったから」が一番多く出ました。
そう答えたうちの数人は、中高生になってから推し活などに傾倒するようになってお年玉を使い始めたといいますが、大学生になるまで貯金を続けた方もいらっしゃいました。
「そんなに欲しいものがなかったの? 普段の生活ではどうしていたの?」と聞いたところ、「買ってほしいものは、言えば大抵は親が買ってきたし、親に言えないような買い物もしなかったから、お金を使うタイミングがなかった」と返ってきました。
本当のお金持ちは、お年玉の金額ではなく、お年玉の使い道ではっきりするのかもしれません。
貯金していたと回答してくれた方に「貯金の使い道は?」と聞いたところ、みんな口を揃えて「大学の入学金や一人暮らしの準備金に充てた」と答えてくれました。大人になってからの備えとして、お年玉貯金は有効なのでしょう。
もしかして、親のポケットに入っていなかったのかな? と思い、それも尋ねましたが、1名を除いて、みんな「ほぼ全額貯金されていたはず」と答えました。小さいころから抜け目なさが発揮されていたのかもしれませんね。
◆お金持ちだからお年玉が多いわけではない
今回は東大生の気になるお年玉事情について調査しました。
お金持ちの家はたくさんお年玉をもらっているイメージでしたが、お金持ちだからではなく、親戚付き合いなどでたくさんの大人に挨拶するような身分があるから、たくさんもらえていたのだろう、という仮説が立ちました。
結局は、親の財布事情よりも社会的地位がお年玉の総額に関係するのかもしれません。
また、貯金に回していたという回答が多かったことからも、東大生の親たちは、うまく子どもに渡る金額をコントロールしていたのでしょう。
金融教育は難しいですが、実地研修として学びを得るいい機会ととらえれば、単に金銭を受け渡すだけの行事からレベルアップさせられるかもしれませんよ。
【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
―[貧困東大生・布施川天馬]―