さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはソワソワと向かう場所だ。
今回は、2人の元従業員が明かす、客が部屋を利用した後の“惨劇”について紹介する。
◆不自然な時間に退室した客
ある夜、近藤晃司さん(仮名・30代)は、ワンオペで勤務をしていた。1人で来店した男性がいたのだが、特に気にすることもなく仕事をしていたという。
「その男性は、異常に大きなスーツケースを持っていましたけど、出張の場合もありますし気になりませんでした」
時刻は朝4時。男性が退出する姿を確認したそうだ。近藤さんは、この時点で違和感を覚えたと話す。
「通常は、ビジネスホテルの代わりに利用する人は6時以降にチェックアウトします。派遣のお姉さんの場合は、それくらいの時間もありますが、女性が入室した様子はありませんでした」
近藤さんは「そういう人もいるか」くらいの気持ちで、いつものように掃除をするために部屋に向かったが……。
「入った瞬間、掛け布団から“女性の髪の毛”がはみ出ているのに気づいたんです」
近藤さんはいったん扉を閉めた。一瞬の間で、いろいろなことが頭の中を駆けめぐったという。
「女性と一緒だっただろうか?」
「だとしても女性だけを残していくか?」
「幽霊?」
「ただ、考えても仕方がないため、掃除をするために声をかけました。返事はありませんでした。布団を剥がそうと思いましたが、もし裸だったら問題になることは確実です。店長に指示を仰ぐことにしました」
◆“女性の髪の毛”の正体とは…
ただこの時点で、近藤さんは「もしかして?」と思う“とある噂”について考えていた。
「私が働いていたラブホは、周辺に3店舗を展開していたんです。そのうち1店舗に“幽霊が出る”との噂がありました。それが、私が勤めていた店舗です」
その後、店長に連絡を取ったがつながらず、近藤さんの不安は募る一方だったという。結局、ほかの従業員が来るまで部屋を放置することにした。そして数時間後……。
「女性従業員と共に部屋に入ると、そこには精巧につくられた“人形”がありました。しかも四肢が切断された状態だったんです」
どうやら、客が処分に困って置いていったようだ。
「これは大変迷惑な出来事でしたね」
◆浴槽にあった大量の“モノ”
代田聡さん(仮名・30代)は、ラブホの清掃担当として働いていた。寒い日の唯一の楽しみは、“お風呂場の掃除”だったそうだ。理由は、掃除中に冷えた手足を温められるからだという。
その日も、お風呂掃除をしようとした代田さん。扉を開けた瞬間、目の前に広がっていたのは“驚くべき光景”だった。
「浴槽には大量の汚物が広がっていて、想像を絶するような状況でしたね。このような現場の掃除はとてもショックでした」
代田さんはすぐに主任を呼び、助けを求めた。
「主任は顔色ひとつ変えずに、マスクとゴム手袋を着けて、“慣れた様子”で片づけをはじめました」
◆事後の部屋には“人間の本性”が現れる
他人の事後の部屋なんて見たくはないと思うかもしれないが、代田さんは「人間の本性が現れる」という。
ゴムが落ちていたり、シーツが血だらけだったりすることもあるそうだが、“ほとんどの客が軽く片づけて帰る”印象だったため、この日の惨劇は、逃げ出したくなるほどだったようだ。
「ラブホの仕事で学んだのは、人は見かけによらないということです。事務所には、防犯カメラの映像が流れているのですが、部屋に入る前の印象と事後の清掃現場から、人の見た目と実際の行動にはギャップがあると思いました。まったく後始末をしてくれていない場合もあるので……」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―
今回は、2人の元従業員が明かす、客が部屋を利用した後の“惨劇”について紹介する。
◆不自然な時間に退室した客
ある夜、近藤晃司さん(仮名・30代)は、ワンオペで勤務をしていた。1人で来店した男性がいたのだが、特に気にすることもなく仕事をしていたという。
「その男性は、異常に大きなスーツケースを持っていましたけど、出張の場合もありますし気になりませんでした」
時刻は朝4時。男性が退出する姿を確認したそうだ。近藤さんは、この時点で違和感を覚えたと話す。
「通常は、ビジネスホテルの代わりに利用する人は6時以降にチェックアウトします。派遣のお姉さんの場合は、それくらいの時間もありますが、女性が入室した様子はありませんでした」
近藤さんは「そういう人もいるか」くらいの気持ちで、いつものように掃除をするために部屋に向かったが……。
「入った瞬間、掛け布団から“女性の髪の毛”がはみ出ているのに気づいたんです」
近藤さんはいったん扉を閉めた。一瞬の間で、いろいろなことが頭の中を駆けめぐったという。
「女性と一緒だっただろうか?」
「だとしても女性だけを残していくか?」
「幽霊?」
「ただ、考えても仕方がないため、掃除をするために声をかけました。返事はありませんでした。布団を剥がそうと思いましたが、もし裸だったら問題になることは確実です。店長に指示を仰ぐことにしました」
◆“女性の髪の毛”の正体とは…
ただこの時点で、近藤さんは「もしかして?」と思う“とある噂”について考えていた。
「私が働いていたラブホは、周辺に3店舗を展開していたんです。そのうち1店舗に“幽霊が出る”との噂がありました。それが、私が勤めていた店舗です」
その後、店長に連絡を取ったがつながらず、近藤さんの不安は募る一方だったという。結局、ほかの従業員が来るまで部屋を放置することにした。そして数時間後……。
「女性従業員と共に部屋に入ると、そこには精巧につくられた“人形”がありました。しかも四肢が切断された状態だったんです」
どうやら、客が処分に困って置いていったようだ。
「これは大変迷惑な出来事でしたね」
◆浴槽にあった大量の“モノ”
代田聡さん(仮名・30代)は、ラブホの清掃担当として働いていた。寒い日の唯一の楽しみは、“お風呂場の掃除”だったそうだ。理由は、掃除中に冷えた手足を温められるからだという。
その日も、お風呂掃除をしようとした代田さん。扉を開けた瞬間、目の前に広がっていたのは“驚くべき光景”だった。
「浴槽には大量の汚物が広がっていて、想像を絶するような状況でしたね。このような現場の掃除はとてもショックでした」
代田さんはすぐに主任を呼び、助けを求めた。
「主任は顔色ひとつ変えずに、マスクとゴム手袋を着けて、“慣れた様子”で片づけをはじめました」
◆事後の部屋には“人間の本性”が現れる
他人の事後の部屋なんて見たくはないと思うかもしれないが、代田さんは「人間の本性が現れる」という。
ゴムが落ちていたり、シーツが血だらけだったりすることもあるそうだが、“ほとんどの客が軽く片づけて帰る”印象だったため、この日の惨劇は、逃げ出したくなるほどだったようだ。
「ラブホの仕事で学んだのは、人は見かけによらないということです。事務所には、防犯カメラの映像が流れているのですが、部屋に入る前の印象と事後の清掃現場から、人の見た目と実際の行動にはギャップがあると思いました。まったく後始末をしてくれていない場合もあるので……」
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―