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「最近の若いヤツは…」イヤミばかりの上司に復讐した新入社員。“録音した音声”を他の社員の前で流したら…

日刊SPA! 2025年1月14日 8時52分

 ストレス社会といわれる現代、上手な発散方法を持っていることは強みといえる。逆に、日々たまっていく不満やストレスの捌け口として誰かを貶めている人は要注意。今回紹介する小池玲奈さん(仮名・20代)の教育係と同じように後悔することになるかもしれない。
◆教育係として紹介された年配男性

 大学卒業後に玲奈さんが就職した会社では、再雇用された60代の年配男性が事務などの傍ら新人社員の教育をすることになっていた。玲奈さんたち新人2人の教育係だと紹介された年配男性は、現役時代は営業社員としてバリバリ働いていたというFさん。

「Fさんから挨拶のときに聞かされた話では、定年までの10年は管理職として営業社員にゲキを飛ばしていたということでした。そんなFさんは、営業社員として自身が活躍していたときの話が大好物。新人教育というよりは、ずっと昔話を聞いている感じでした」

 玲奈さんと同じタイミングで入社していたもう一人は、「あの教育係から何を学べばいいのかわからない」と悩み、上司などには相談せずに辞職。そういった事情もあり、まったく進まない新人教育に嫌気が差し、今後への焦りも感じはじめた玲奈さんは行動に出る。

◆態度がコロリと意地悪く

「私は新人教育用の資料を開いて、『ここを教えてください』など積極的に聞くようにしたのです。ところがFさんにはその態度が生意気と映ったようで、『生意気な態度』とボソリとつぶやき、そのあとから態度がコロリと意地悪くなりました」

 また、Fさんは「新人は、先輩社員の言うことをおとなしく聞くのも仕事」などと嫌味たっぷりに言うように。そして、「そんなやりかただからダメなんだ」「パソコンや機械に頼るな」など、玲奈さんがやることなすことすべてを否定するようになっていった。

「そして、『最近の若いヤツは』『親の顔が見てみたい』『使えない』など、『いつの時代の人?』と思うような失言もどんどん飛び出しましたし、言うことは毎日のようにコロコロと変動。このままでは精神的にダメになると思いました」

◆ボイスレコーダーでFさんの言動を録音

 そこで玲奈さんは、スマホのボイスレコーダーでFさんの言動を録音。録音データにわかりやすくタイトルを付け、そっとそのときを待ったのだ。そしてある日、教育の様子を見にきた先輩社員たちの前で、Fさんが「そんな無駄なことやるなと言っただろ」と指摘。

「さらには、『どうして、パソコンを使って効率的に仕事をしないんだ?』と偉そうに言ってきたのです。チャンスだと思いました。すぐに、『では、その理由を説明します』と言って、ボイスレコーダーを再生したのです」

 そのボイスレコーダーからは、「パソコンや機械に頼るな」などと発言しているFさんの声が流れはじめた。それを聞いた先輩社員たちの視線は、Fさんへ一気に集中。ヤバイと思ったのか、急にボケたフリをしはじめたという。

◆責任を追及されてFさんも謝罪

「Fさんは、『最近、記憶が怪しくて…』『こんなこと言ったかな、俺』などと言い訳しはじめました。でも先輩社員は、『今後のことについて、少しよろしいですか?』と厳しい口調でFさんに言うと、『気づくのが遅れて、申し訳ない』と私に謝罪してくれたのです」

 そのとき、「現役時代の営業成績はズバ抜けていたFさんだが、自分の機嫌やストレスからパワハラ・セクハラなど問題行動が多数。社長の親戚ということでクビにはできず、管理職へ昇格という名目で余計なことをしないよう監視下に置かれていた」ということも発覚。

「再雇用後のFさんが新人教育を任されていると知って心配した先輩社員が、ほかの社員から様子を聞き取り、現場を見に来てくれたのです。先輩社員から怒られ、意地悪したことや責任逃れのためにボケているフリをしたことについてFさんから謝罪もありました」

 ただ、しばらくはコミュニケーションに関する教育プログラムを受けながら事務仕事のみに集中することになったというFさん。玲奈さんも「まだ、許してはいない」と話す。自分のしたことに苦しまないよう、機嫌やストレスの蓄積を誰かにぶつけるのは控えたいものだ。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

―[すぐに辞めた新入社員]―

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