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「嫌がる息子を中学受験させた」教育熱心な両親が“隠していた”過去。偶然見つけた“昔のアルバム”には…

日刊SPA! 2025年1月20日 8時52分

 現在はひと昔前のようなステレオタイプな学歴社会ではないが、自身の学歴にコンプレックスを抱いている人が多いのは事実。実際、「もっと真面目に勉強しておけばよかった」と後悔している人も少なくないはずだ。
 それは10代のころ、ヤンチャをしていた者たちも例外ではない。現在、某政令指定都市の区役所職員として働く山本正和さん(仮名・25歳)の父親はいわゆる教育パパ。ただし、高校中退歴があり、10代後半は暴走族の特攻隊長として鳴らしていた。

 だが、そんな父親とは対照的に山本さんは、地元の難関私立中に進学。高校では生徒会役員を務め、大学も名門国立大と不良とはまったく縁のない生活を送ってきた。しかも、これは父親の意向によるところが大きかったという。

◆アルバムには特攻服姿の若かりし頃の父親の姿

「周りに中学受験をする友達はいなかったから地元の公立中に行きたいと訴えましたが、『ガラの悪い連中も多いし、不良になったらどうするんだ!』って。当時は嫌々従いましたが、父の過去を知った今は、自分のようになってほしくなかったのだと理解しています」

 ちなみに父親は49歳。もともとトラック運転手だったが20代後半で独立。現在は社員50人規模の物流会社を経営している。

 父親が元暴走族という衝撃的すぎる過去を知ったのは大学生の時。押し入れで探し物をしていた際、若い頃のアルバムを偶然見つけてしまったそうだ。

「車検に絶対通らなそうな改造バイクに特攻服姿でまたがっていました。しかも、特攻隊長ってデカデカと金の刺繍入りです。父の額に剃り込みがあって、カメラに向かって思い切り睨んでいました。

面影があったので一発で父だとわかりましたが、ブレイキングダウンの出場者みたいなヤカラ系の風貌をしてたから思わず吹き出しちゃいました(笑)」

◆母親にも“知られざる過去”が

 そのことを母親に話すと、元暴走族であることを認めたうえで「お父さん、地元ではそこそこ有名だったのよ」とあっさり告白。

 母親が父親と知り合ったのは暴走族を引退した後だったらしいが、デート中に挨拶してくる不良も1人や2人ではなかったそうだ。

「押し入れには母が若い頃のアルバムもあったのですが、高校時代は制服にルーズソックス。私服も派手でヘソ出しファッションも多かったし、どこからどう見てもギャル。

 昔は母も父に負けず劣らずの教育ママでしたが、暴走族とギャルである意味似た者同士だなって。けど、母は恥ずかしがるどころか『お母さんも若い頃はイケてたのよ!』ってドヤってましたけどね」

◆黒歴史を息子に知られ、動揺しまくりの父親

 一方、父親は山本さんが昔のアルバムを見たことを話すとあからさまに動揺。特攻服については「ハ、ハロウィンのコスプレだよ」とバレバレの言い訳。

 しかし、すかさず母親に「息子には幼い時から『ウソだけは絶対つくな!』って口酸っぱく言ってたのに、あなたがウソついてどうするのよ!」と全否定されてしまう。

 それでも「これは若気の至りでな……」と弁明する姿には、もはや父親としての威厳はまったく感じられなかったそうだ。

「『勉強しろ!』と口うるさく言われていたのは中学までの話で、高校進学後は文句を言われることがほとんどなかったかな。だから、親子関係は悪くなかったです。

 私は身ひとつで会社を興した父のことを素直に尊敬してましたけど、この時は私に過去を知られたことが余程恥ずかしかったんでしょうね。一応、経営者としてもヤリ手のはずなのに、別人かと思うほどのポンコツぶりでした(笑)」

◆妹はまだ“父の過去”を知らない

 父親によれば、親しい友人や先輩に不良が多く、自然とその道に進んでしまったとのこと。学歴の低さや勉強してこなかったことで苦労したことが多々あったようだ。それで夫婦で何度も話し合い、子供が道を踏み外さないようにちゃんと教育を受けさせてやりたいと思ったという。

「だから、私が公務員としてお役所勤めしていることが父は本当に嬉しかったみたいです。父によると、昔の知り合いやその子供の中には警察のお世話になり、塀の中に入った人もいるらしいので。私にとっては違う世界の話にしか思えず、ピンと来ませんけどね」

 なお、山本さんには現在高校生になる妹がいるが、パパ大好きっ子の彼女は父親が元暴走族であることを知らない。おまけに不良は嫌いらしく、父親は「頼むから言わないでくれ」と懇願されているとか。

「父も妹のことを溺愛しているから絶対に知られたくないんでしょう。もちろん、言うつもりはないですが、秘密を知った妹がどういう反応を示すのか個人的には気になりますけどね」

 家族に隠しておきたい秘密がある場合、証拠となるモノの管理は厳重にしておいたたほうがよさそうだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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