『M-1グランプリ』で好成績を記録したお笑い芸人が、多くの年末年始番組に出演するのは毎年の風物詩である。しかし、史上初となる大会二連覇を果たした令和ロマンは、テレビを“優先する方針ではない”ゆえ、昨年同様に露出が少なかった。
そのため、M-1の優勝コンビ以外の芸人に“ブレイク枠”が残っているのではないか。この記事では、筆者が思う「2025年に躍進しそうなコンビ」3組を紹介していきたいと思う。
◆“令和ロマンの代わり”に大ブレイクしそうなコンビ
まず、『M-1グランプリ』で鮮烈な印象を残したのが、準優勝したバッテリィズだ。
バッテリィズは、正月の各ネタ番組をはじめ、『クイズ!よしもとキングダム2024』(関西テレビ)、『八方・今田のよしもと楽屋ニュース2024』(ABCテレビ)、『フットンダ王決定戦2025』(日本テレビ系)など、多くの番組に出演。さらに、1月7日には『バッテリィズのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が放送され、テンポの良いトークが好評を博していた。
その後も、『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)への出演が予定され、まさにM-1バブルを享受している最中だ。各番組でエースの天然ボケが炸裂し、わかりやすいキャラがお茶の間に浸透しはじめている。エースが、2025年に各番組で大ブレイクするのは間違いないだろう。
しかし、単なるおバカではない。ピュアな性格ゆえのピンボケした発言は多いものの、番組ではしっかりと話題を組み立て話せるトーク力の高さを見せている。天然ボケキャラだけで消費されない実力を備えているので、番組出演が増えることでどこまで新たな魅力を見せていくのか期待だ。
◆相方には「オードリー若林」の要素が?
エースの活躍で「じゃない方芸人」になったツッコミ・寺家の存在も忘れてはいけない。『オールナイトニッポン』では、エースの持ち味をしっかり活かしながら巧みに番組を進行。過去に『M-1グランプリ』で準優勝に輝きブレイクしたオードリー・若林正恭になれる素質を持っているように思える。
2人とも野球がうまいことで知られるが、特にエースは中学時代に全国大会で活躍した能力の持ち主。すでに、昨年大みそかに放送したカンテレの大型スポーツ特番で活躍を見せているので、今後はスポーツ関連のバラエティにも引っ張りだこになるだろう。
◆実績十分で昨年東京進出を果たしたコンビ
すでに人気を獲得しているが、今年注目されているのが「さや香」だ。
『M-1グランプリ』で準優勝の経験もあり、実績は十分。大阪ではテレビ出演本数も多く、知名度抜群だ。2024年4月には、満を持して東京進出を果たし、昨年夏ごろから全国放送の番組にも出演するようになった。
すでに売れていると言っていもいいわけだが、ここ最近では特に“コンビ仲の悪さ”がピックアップされている。それは、大阪時代から知られていたわけだが、昨年末から不仲コンビとしてイジられるケースも増え、一般視聴者にも認知されるようになった印象だ。
2024年11月30日に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京系)でも不仲がイジられ、“元祖不仲コンビ”の品川庄司から仲良くしたほうが良いと助言されるほど。さらに、サンドウィッチマン・伊達みきおからは、昨年12月に放送された『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)で、不仲なのはマイナスでしかないと説教を受ける事態を招いた。
◆“不仲”を突き詰めてほしい
年が明けてからも『芸人マジ歌選手権』(テレビ東京系)で不仲をネタにするパフォーマンスを披露。さらに、1月5日配信の『チャンスの時間』(ABEMA)では、ピンでの仕事が増えている新山が、「コンビ内格差が生まれ、自分だけグリーン車での移動になるかもしれない」と暴露して話題となった。怒り心頭の相方・石井は、負けじと相方の暴露を行う姿は、とてもネタとは思えなかった。
正直言って、ここ最近のさや香の不仲ネタは見ていて不快な印象を受けることも多い。ただ、本当に気が合わないようであれば、振り切って“本気の喧嘩”をするべきなのではないか。かつて、品川庄司とオリエンタルラジオはコンビ仲が最悪だったことで知られる。ところが、喧嘩を経てお互いを認め合うようになり、現在ではそれぞれの分野で4人とも活躍し、コンビ仲も良好だ。さや香には、先輩コンビたちが辿った道のりの“令和バージョン”として見せてほしい。
現在、サンドウィッチマンをはじめ、千鳥、ダイアン、かまいたちと大ブレイクしているコンビは総じて仲が良い。彼らのカウンターとして耳目を集められる可能性がある。わざわざ公言してテレビでネタにしているのだから、今後はむしろ仲の悪さに磨きをかけるのも面白そうだ。
◆若手の登竜門『おもしろ荘』の優勝者
年末年始でチャンスをつかんだダークホースが「ネコニスズ」だ。
爆笑問題でおなじみのタイタンに所属するコンビで、『ぐるナイ年越しおもしろ荘!今年も誰か売れて頂戴スペシャル』(日本テレビ系)にて優勝。ボケの舘野忠臣が赤ちゃんキャラを全面に押し出す、これまでにない漫才を披露。
赤ちゃんキャラの館野はラジオでもインパクトを残した。1月8日放送の『スタンド・バイ・見取り図』(TBSラジオ)でも爆笑トークを連発。大学の後輩であるミルクボーイから尊敬されていたという、お笑いセンスの高さを存分に見せつけた。
かたや相方のヤマゲンは、ラッパーとして活動する一面を持ち、さらにポップアートに精通し自身でイラストも描く変わり種の芸人。舘野だけでなく、ヤマゲンもブレイクする可能性を秘めている。
東野幸治がMCを務める『マルコポロリ!』(関西テレビ)で活躍し、すでにお笑いファンからは熱い視線を浴びていたネコニスズ。今後、赤ちゃんキャラを活かしてさまざまなバラエティ番組に出演することが予想される。2025年を飛躍の年にできるか、要注目だ。
<TEXT/ゆるま小林>
【ゆるま小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
そのため、M-1の優勝コンビ以外の芸人に“ブレイク枠”が残っているのではないか。この記事では、筆者が思う「2025年に躍進しそうなコンビ」3組を紹介していきたいと思う。
◆“令和ロマンの代わり”に大ブレイクしそうなコンビ
まず、『M-1グランプリ』で鮮烈な印象を残したのが、準優勝したバッテリィズだ。
バッテリィズは、正月の各ネタ番組をはじめ、『クイズ!よしもとキングダム2024』(関西テレビ)、『八方・今田のよしもと楽屋ニュース2024』(ABCテレビ)、『フットンダ王決定戦2025』(日本テレビ系)など、多くの番組に出演。さらに、1月7日には『バッテリィズのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が放送され、テンポの良いトークが好評を博していた。
その後も、『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)への出演が予定され、まさにM-1バブルを享受している最中だ。各番組でエースの天然ボケが炸裂し、わかりやすいキャラがお茶の間に浸透しはじめている。エースが、2025年に各番組で大ブレイクするのは間違いないだろう。
しかし、単なるおバカではない。ピュアな性格ゆえのピンボケした発言は多いものの、番組ではしっかりと話題を組み立て話せるトーク力の高さを見せている。天然ボケキャラだけで消費されない実力を備えているので、番組出演が増えることでどこまで新たな魅力を見せていくのか期待だ。
◆相方には「オードリー若林」の要素が?
エースの活躍で「じゃない方芸人」になったツッコミ・寺家の存在も忘れてはいけない。『オールナイトニッポン』では、エースの持ち味をしっかり活かしながら巧みに番組を進行。過去に『M-1グランプリ』で準優勝に輝きブレイクしたオードリー・若林正恭になれる素質を持っているように思える。
2人とも野球がうまいことで知られるが、特にエースは中学時代に全国大会で活躍した能力の持ち主。すでに、昨年大みそかに放送したカンテレの大型スポーツ特番で活躍を見せているので、今後はスポーツ関連のバラエティにも引っ張りだこになるだろう。
◆実績十分で昨年東京進出を果たしたコンビ
すでに人気を獲得しているが、今年注目されているのが「さや香」だ。
『M-1グランプリ』で準優勝の経験もあり、実績は十分。大阪ではテレビ出演本数も多く、知名度抜群だ。2024年4月には、満を持して東京進出を果たし、昨年夏ごろから全国放送の番組にも出演するようになった。
すでに売れていると言っていもいいわけだが、ここ最近では特に“コンビ仲の悪さ”がピックアップされている。それは、大阪時代から知られていたわけだが、昨年末から不仲コンビとしてイジられるケースも増え、一般視聴者にも認知されるようになった印象だ。
2024年11月30日に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京系)でも不仲がイジられ、“元祖不仲コンビ”の品川庄司から仲良くしたほうが良いと助言されるほど。さらに、サンドウィッチマン・伊達みきおからは、昨年12月に放送された『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)で、不仲なのはマイナスでしかないと説教を受ける事態を招いた。
◆“不仲”を突き詰めてほしい
年が明けてからも『芸人マジ歌選手権』(テレビ東京系)で不仲をネタにするパフォーマンスを披露。さらに、1月5日配信の『チャンスの時間』(ABEMA)では、ピンでの仕事が増えている新山が、「コンビ内格差が生まれ、自分だけグリーン車での移動になるかもしれない」と暴露して話題となった。怒り心頭の相方・石井は、負けじと相方の暴露を行う姿は、とてもネタとは思えなかった。
正直言って、ここ最近のさや香の不仲ネタは見ていて不快な印象を受けることも多い。ただ、本当に気が合わないようであれば、振り切って“本気の喧嘩”をするべきなのではないか。かつて、品川庄司とオリエンタルラジオはコンビ仲が最悪だったことで知られる。ところが、喧嘩を経てお互いを認め合うようになり、現在ではそれぞれの分野で4人とも活躍し、コンビ仲も良好だ。さや香には、先輩コンビたちが辿った道のりの“令和バージョン”として見せてほしい。
現在、サンドウィッチマンをはじめ、千鳥、ダイアン、かまいたちと大ブレイクしているコンビは総じて仲が良い。彼らのカウンターとして耳目を集められる可能性がある。わざわざ公言してテレビでネタにしているのだから、今後はむしろ仲の悪さに磨きをかけるのも面白そうだ。
◆若手の登竜門『おもしろ荘』の優勝者
年末年始でチャンスをつかんだダークホースが「ネコニスズ」だ。
爆笑問題でおなじみのタイタンに所属するコンビで、『ぐるナイ年越しおもしろ荘!今年も誰か売れて頂戴スペシャル』(日本テレビ系)にて優勝。ボケの舘野忠臣が赤ちゃんキャラを全面に押し出す、これまでにない漫才を披露。
赤ちゃんキャラの館野はラジオでもインパクトを残した。1月8日放送の『スタンド・バイ・見取り図』(TBSラジオ)でも爆笑トークを連発。大学の後輩であるミルクボーイから尊敬されていたという、お笑いセンスの高さを存分に見せつけた。
かたや相方のヤマゲンは、ラッパーとして活動する一面を持ち、さらにポップアートに精通し自身でイラストも描く変わり種の芸人。舘野だけでなく、ヤマゲンもブレイクする可能性を秘めている。
東野幸治がMCを務める『マルコポロリ!』(関西テレビ)で活躍し、すでにお笑いファンからは熱い視線を浴びていたネコニスズ。今後、赤ちゃんキャラを活かしてさまざまなバラエティ番組に出演することが予想される。2025年を飛躍の年にできるか、要注目だ。
<TEXT/ゆるま小林>
【ゆるま小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆