通勤・通学時間帯の電車内は混み合うことが多く、さまざまなトラブルが起きるのは日常茶飯事。都内のIT企業で営業として働く金子正儀さん(仮名・20代)は、通勤だけでなく取引先への移動でも電車を使用しさまざまな路線に乗車している。先日、都心の地下鉄に乗っていた際に、迷惑な外国人観光客に遭遇したそうだ。
◆混みあっていた電車内で大騒ぎしていたのは…
「17時ごろ、ラッシュになるには早い時間帯でしたが混み合っていたんです。車内はアジア系の観光客が多く、よほど楽しかったのか大騒ぎしていて。優先席のスペースに陣取っていて、お土産などの荷物を席の上においていました。もの申そうと思ったのですが、勇気ある男子高校生が先に観光客の方に向かっていった。英語やジェスチャーで荷物をどけるように注意したんです。思わず感心して見ていました」
周りの大人が見ぬふりしているところ、迷惑な外国人観光客にビシッと注意した高校生。称賛されるべき行動だったが……。
◆5人がかりで高校生に罵声を浴びせ…
「注意された観光客は、言葉が通じていたのかどうかわかりませんが、その高校生に詰め寄って喧嘩がはじまりそうな雰囲気になった。観光客は男性2人、女性3人の計5人で、見た目は40~50代なかばくらい。その5人が一斉に高校生を睨みつけ、罵声を浴びせているんです。その高校生もぱっと見で180センチ以上、さらにガタイが良いスポーツマンタイプでしたが、さすがに5人から集中砲火を受け、委縮してしまっているようでした」
しかし、そんな金子さんよりも早く、高校生の助太刀をしたのは乗車してきた初老の男性だったそうだ。
「60代くらいの初老の男性が乗り込んできて、高校生と観光客が揉めているところにスッと入っていって。その男性は、困っている高校生にやさしく話しかけ、現在どんな状況なのかを把握したうえで観光客を一喝したんです。その観光客は中国人だったようで、その男性は流暢な中国語を使い観光客たちに何かを語りかけていました。高校生に対しては、『ご苦労さん、ありがとうね』と話し、トラブルは引き受けるからとなりの車両に行きなさいと諭していたんです。只者ではない雰囲気を醸し出し、騒ぎを起こしていた観光客もひるんでいる様子でした」
◆「初老の男性」の正体は…
観光客と対峙することになった初老の男性。周りの乗客たちも男性の行動に奮い立たされたようで、次々と加勢したそうだ。
「なかには、日本で暮らす中国人もいたようで、初老の男性とともに中国語で観光客たちを注意していました。観光客たちはそんな状況ながらさらに興奮しはじめ、そのうち一人が初老の男性の肩を強めに押しました。これはまずいと思い、自分がその観光客と男性の間に入る形をとり、次の駅でおろして駅員に突き出すことを提案したんです」
マナー違反の観光客は、要請どおりに次の駅で下車をしたそうだ。
「他の駅で降車した乗客が通報していたのか、次の駅では降り口に駅員さんが集まっていました。自分と初老の男性、さらに観光客をスマホで撮影していた男性も一緒に降りて事情説明することに。駅員さんはこういったトラブルに慣れっこなのか、このまま騒動を続けるなら警察を呼ぶと、中国語ができるスタッフが対応。警察という言葉を出され意気消沈したのか、観光客たちは頭を下げて帰っていきトラブルは収束しました。初老の男性に話を聞くと、銀座付近で飲食店を経営していて、外国人観光客のトラブルには慣れっこなんだそうです。トラブルに対応するため、中国語も習っていて話せるようになったんだとか。はじめに注意した高校生がトラウマにならなければいいと、最後まで心配していました」
外国人観光客が増えているなかで、移動時だけでなくさまざまな場面でマナー違反の外国人に遭遇する可能性は高い。どんな対応をするべきなのか、すべての国民が考えないといけないのかもしれない。
<TEXT/高橋マナブ>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
◆混みあっていた電車内で大騒ぎしていたのは…
「17時ごろ、ラッシュになるには早い時間帯でしたが混み合っていたんです。車内はアジア系の観光客が多く、よほど楽しかったのか大騒ぎしていて。優先席のスペースに陣取っていて、お土産などの荷物を席の上においていました。もの申そうと思ったのですが、勇気ある男子高校生が先に観光客の方に向かっていった。英語やジェスチャーで荷物をどけるように注意したんです。思わず感心して見ていました」
周りの大人が見ぬふりしているところ、迷惑な外国人観光客にビシッと注意した高校生。称賛されるべき行動だったが……。
◆5人がかりで高校生に罵声を浴びせ…
「注意された観光客は、言葉が通じていたのかどうかわかりませんが、その高校生に詰め寄って喧嘩がはじまりそうな雰囲気になった。観光客は男性2人、女性3人の計5人で、見た目は40~50代なかばくらい。その5人が一斉に高校生を睨みつけ、罵声を浴びせているんです。その高校生もぱっと見で180センチ以上、さらにガタイが良いスポーツマンタイプでしたが、さすがに5人から集中砲火を受け、委縮してしまっているようでした」
しかし、そんな金子さんよりも早く、高校生の助太刀をしたのは乗車してきた初老の男性だったそうだ。
「60代くらいの初老の男性が乗り込んできて、高校生と観光客が揉めているところにスッと入っていって。その男性は、困っている高校生にやさしく話しかけ、現在どんな状況なのかを把握したうえで観光客を一喝したんです。その観光客は中国人だったようで、その男性は流暢な中国語を使い観光客たちに何かを語りかけていました。高校生に対しては、『ご苦労さん、ありがとうね』と話し、トラブルは引き受けるからとなりの車両に行きなさいと諭していたんです。只者ではない雰囲気を醸し出し、騒ぎを起こしていた観光客もひるんでいる様子でした」
◆「初老の男性」の正体は…
観光客と対峙することになった初老の男性。周りの乗客たちも男性の行動に奮い立たされたようで、次々と加勢したそうだ。
「なかには、日本で暮らす中国人もいたようで、初老の男性とともに中国語で観光客たちを注意していました。観光客たちはそんな状況ながらさらに興奮しはじめ、そのうち一人が初老の男性の肩を強めに押しました。これはまずいと思い、自分がその観光客と男性の間に入る形をとり、次の駅でおろして駅員に突き出すことを提案したんです」
マナー違反の観光客は、要請どおりに次の駅で下車をしたそうだ。
「他の駅で降車した乗客が通報していたのか、次の駅では降り口に駅員さんが集まっていました。自分と初老の男性、さらに観光客をスマホで撮影していた男性も一緒に降りて事情説明することに。駅員さんはこういったトラブルに慣れっこなのか、このまま騒動を続けるなら警察を呼ぶと、中国語ができるスタッフが対応。警察という言葉を出され意気消沈したのか、観光客たちは頭を下げて帰っていきトラブルは収束しました。初老の男性に話を聞くと、銀座付近で飲食店を経営していて、外国人観光客のトラブルには慣れっこなんだそうです。トラブルに対応するため、中国語も習っていて話せるようになったんだとか。はじめに注意した高校生がトラウマにならなければいいと、最後まで心配していました」
外国人観光客が増えているなかで、移動時だけでなくさまざまな場面でマナー違反の外国人に遭遇する可能性は高い。どんな対応をするべきなのか、すべての国民が考えないといけないのかもしれない。
<TEXT/高橋マナブ>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている