2022年よりセクシー女優として活動している池田マリナ。美しい佇まいの彼女は、実は男性でニューハーフなのだ。しかも、メンズアイドルをやっていた過去もあるという。
「ずっと恋愛対象は男性だったけど、めちゃめちゃ女性になりたいわけではない」
そう語る池田マリナは、なぜ男性から姿を変貌させ、セクシー女優となる道を選んだのか?紡ぎ出された言葉の奥には、未来への確固たるヴィジョンが広がっていた。
◆男性として男性が好きだった
――池田さんはどんな幼少期を過ごされたのですか?
「小さい頃から男性が好きでした。ただ、あくまでも男性が男性として、なんですけどね」
――女の子になりたい男の子ではなかった?
「そうなんですよ。しかも、ずっと対象はストレート(異性愛者)の男性のみ。ゆえに好きな相手とは結ばれづらいタイプでした。でも見た目がフェミニンだったせいか、上京してからは『おまえならワンチャン、イケるかも』みたいに言われることは多くなりましたね」
――なるほど。ちょっとあざと可愛い系男子というか(笑)。
「そんな感じ(笑)。パーティで女装したりしても『クオリティ高いな』って。もともと、ちょっとファッションを整えたら本当に女性に見える、パス度(※その性別として社会から認識され、通用する度合い)が高いルックスだったんだと思います」
◆「地元の友達は今の私を誰も知らない」
――これまでに女性の恋人がいた経験は?
「学生時代、地元で3~4人の女の子とお付き合いはしていましたが、肉体関係はありませんでした。その頃も好きな男性はいたし……。どちらかというと恋愛対象というより女友達のような扱いをされていましたね。実際、女の子の友達は多かったです」
――その当時の友人たちには今の池田さんはどう映っているのでしょう?
「実は、地元の友達は誰も今の私を知らないんですよ。上京したタイミングで連絡先も全て消して、誰にも告げずに東京に出てきたんです。うちの地元は九州の田舎なので、当時も今もセクシャリティ云々への理解はないし、今となってはもう東京以外で生きていくのは無理。東京は性を自由に活かせる場であることを痛感しています。とはいえ、上京したかった理由はまた少し違うんですけど……」
◆メンズアイドルとして芸能界デビュー
――何をするために上京したのでしょうか?
「もともと私は歌手志望だったんですよ。なので、オーディションを受けたりライブをしたりするための上京ですね。ただ、手っ取り早く世に出るには、ソロよりもグループなのでは?と考えて、メンズアイドルとして活動を開始しました」
――元メンズアイドルだったんですか!?
「ターゲット層はもちろん女性で、アイドルというよりアーティストに近いグループでしたね。武道館やZepp、BLITZのステージにも立っていましたし、ドラマに出演したこともあります。ただ、やっぱりそのうちに楽曲もパフォーマンスも自分がやりたいことではないな、と感じることが増えてモチベーションが保てなくなりました」
――理想と現実のギャップに苛まれ始めたのですね。
「そのタイミングでコロナ禍に入り、ライブ活動もできなくなってグループが崩壊。アイドルは辞めることにしたんです。で、これをきっかけに人生をシフトチェンジして『ニューハーフになろう!』と思い立ったんです」
――待ってください。急すぎやしませんか(笑)。
「でも、前々から準備はしていたんですよ。アイドル時代も女性ホルモンは打っていたんです。ちょっと胸が出てきていたので、衣装がTシャツやタンクトップの時はサラシを巻いたりしてましたね。その頃にはプライベートで男性と会う時は女装でした」
――プライベートが女装なら、ファンの人たちからはバレづらかったのでは?
「そう思います。まるでA面とB面、2人分の生活をしている感覚でした」
◆「全部の性別を楽しんじゃおうかなって」
――ニューハーフになると決めて、具体的にはどんなことをしたのでしょうか。
「男性から女性になるのって、本当にお金がかかるんですよ。なので、まずはオトナのお店で働きながら豊胸と整形。今のところ、胸はあって下もついてる状態です」
――まだ完全に女性になっているわけではない?
「使い切るまで残しておこうと思って(笑)」
――今すぐにでも、少しでも早く女性になりたいという気持ちはないのですか?
「ないですね。そもそも私はめちゃめちゃ女性になりたいってわけではないんです。男性、ニューハーフは経験できたので、せっかくなら全部の性別を楽しんじゃおうかなって感覚。正直、メンタルは確実に男性ですね。なんなら好きな相手にも強く出てしまう、九州男児メンタルです(笑)」
◆セクシー女優になった意外な理由
――そんな池田さんが、セクシー女優としてデビューをしたのはなぜなのですか?
「起業を成功させるためです。私たちのように性別を変えた人間が起業するとなると、確固たる地位や知名度があった上で始める方がいいんですよ。GENKINGさんとか、良い例だと思います」
――池田さんの場合は「ニューハーフセクシー女優」の肩書きを糧にしたい、と。
「今のところ、その肩書きは誰もいないじゃないですか。セクシー女優としては、明日花キララさんや三上悠亜さんもいますけど、ニューハーフまで追加されるとね(笑)」
――確かに。ちなみに、どういった方面での起業を考えているのか教えてもらえますか?
「トランスジェンダー用の下着ブランドを作りたいんです。私のように上あり、下ありのニューハーフだと、可愛い下着があまりないんですよね。また、可愛くなりたいと思っているトランスジェンダーの子たちに向けたサロンも作りたいと思っています。メイクや美容法、整形について気軽に相談できるような場所を」
――今後も需要が高まっていきそうなジャンルですね。
「同時に、ホルモン剤の投与によってメンタルも身体も不調になっている子たちのために、将来のビジョンに対するアドバイザーにもなりたいと考えています。性転換をしたはいいけど不安定になってしまう子たちって、意外と多いんですよ」
――池田さんはそういった面での不調はなかったのでしょうか?
「私は不思議となかったんですよね。なので、性転換についてはしようと思えばすぐにでもできるんです。ただ、今は計画の最中というか、自身をブランディングするためにもニューハーフのままでいようかな、と思っています」
◆自分の過去の経験をすべて笑い話に
――ニューハーフでいる方が、現状の池田さんにとっては利点がある?
「ニューハーフって、生きていく上で武器になるんですよ。でも完全に女性になった後、働いていくのは意外と大変で……。これはニューハーフあるあるなんですけど、身体も戸籍も女性になってパートナーと結婚した途端に捨てられちゃうっていう」
――そうなんですか!驚きの事実です。
「ニューハーフのパートナーって、上も下もあるのが好きな人が多いんです。だから女性になると興味を失われてしまう。だから私は、もし女性になるなら起業をしてからだと思っているんです。決してパートナーに養われたくない。普通の女性になった自分に何ができるのかも考えておきたいんですよ」
――ということは、池田さん自身も結婚願望はある?
「せっかく女性になるなら、結婚しないのはもったいないかなって(笑)。絶対したいわけではないけど、経験値としてあってもいいんじゃないかと思います。好きなタイプは尽くしてくれる人っていうのが一番。お金ではなくて、時間を私に使ってくれる……奴隷に近い人かな(笑)」
――では、最後に今後の目標を教えてください。
「自分の過去の経験をぜんぶ笑い話にできるくらい、起業を成功させたいですね。その先のステップとして、ニューハーフ社長ではなく“女社長”になることが次の目標です!」
<取材・文・撮影/もちづき千代子>
「ずっと恋愛対象は男性だったけど、めちゃめちゃ女性になりたいわけではない」
そう語る池田マリナは、なぜ男性から姿を変貌させ、セクシー女優となる道を選んだのか?紡ぎ出された言葉の奥には、未来への確固たるヴィジョンが広がっていた。
◆男性として男性が好きだった
――池田さんはどんな幼少期を過ごされたのですか?
「小さい頃から男性が好きでした。ただ、あくまでも男性が男性として、なんですけどね」
――女の子になりたい男の子ではなかった?
「そうなんですよ。しかも、ずっと対象はストレート(異性愛者)の男性のみ。ゆえに好きな相手とは結ばれづらいタイプでした。でも見た目がフェミニンだったせいか、上京してからは『おまえならワンチャン、イケるかも』みたいに言われることは多くなりましたね」
――なるほど。ちょっとあざと可愛い系男子というか(笑)。
「そんな感じ(笑)。パーティで女装したりしても『クオリティ高いな』って。もともと、ちょっとファッションを整えたら本当に女性に見える、パス度(※その性別として社会から認識され、通用する度合い)が高いルックスだったんだと思います」
◆「地元の友達は今の私を誰も知らない」
――これまでに女性の恋人がいた経験は?
「学生時代、地元で3~4人の女の子とお付き合いはしていましたが、肉体関係はありませんでした。その頃も好きな男性はいたし……。どちらかというと恋愛対象というより女友達のような扱いをされていましたね。実際、女の子の友達は多かったです」
――その当時の友人たちには今の池田さんはどう映っているのでしょう?
「実は、地元の友達は誰も今の私を知らないんですよ。上京したタイミングで連絡先も全て消して、誰にも告げずに東京に出てきたんです。うちの地元は九州の田舎なので、当時も今もセクシャリティ云々への理解はないし、今となってはもう東京以外で生きていくのは無理。東京は性を自由に活かせる場であることを痛感しています。とはいえ、上京したかった理由はまた少し違うんですけど……」
◆メンズアイドルとして芸能界デビュー
――何をするために上京したのでしょうか?
「もともと私は歌手志望だったんですよ。なので、オーディションを受けたりライブをしたりするための上京ですね。ただ、手っ取り早く世に出るには、ソロよりもグループなのでは?と考えて、メンズアイドルとして活動を開始しました」
――元メンズアイドルだったんですか!?
「ターゲット層はもちろん女性で、アイドルというよりアーティストに近いグループでしたね。武道館やZepp、BLITZのステージにも立っていましたし、ドラマに出演したこともあります。ただ、やっぱりそのうちに楽曲もパフォーマンスも自分がやりたいことではないな、と感じることが増えてモチベーションが保てなくなりました」
――理想と現実のギャップに苛まれ始めたのですね。
「そのタイミングでコロナ禍に入り、ライブ活動もできなくなってグループが崩壊。アイドルは辞めることにしたんです。で、これをきっかけに人生をシフトチェンジして『ニューハーフになろう!』と思い立ったんです」
――待ってください。急すぎやしませんか(笑)。
「でも、前々から準備はしていたんですよ。アイドル時代も女性ホルモンは打っていたんです。ちょっと胸が出てきていたので、衣装がTシャツやタンクトップの時はサラシを巻いたりしてましたね。その頃にはプライベートで男性と会う時は女装でした」
――プライベートが女装なら、ファンの人たちからはバレづらかったのでは?
「そう思います。まるでA面とB面、2人分の生活をしている感覚でした」
◆「全部の性別を楽しんじゃおうかなって」
――ニューハーフになると決めて、具体的にはどんなことをしたのでしょうか。
「男性から女性になるのって、本当にお金がかかるんですよ。なので、まずはオトナのお店で働きながら豊胸と整形。今のところ、胸はあって下もついてる状態です」
――まだ完全に女性になっているわけではない?
「使い切るまで残しておこうと思って(笑)」
――今すぐにでも、少しでも早く女性になりたいという気持ちはないのですか?
「ないですね。そもそも私はめちゃめちゃ女性になりたいってわけではないんです。男性、ニューハーフは経験できたので、せっかくなら全部の性別を楽しんじゃおうかなって感覚。正直、メンタルは確実に男性ですね。なんなら好きな相手にも強く出てしまう、九州男児メンタルです(笑)」
◆セクシー女優になった意外な理由
――そんな池田さんが、セクシー女優としてデビューをしたのはなぜなのですか?
「起業を成功させるためです。私たちのように性別を変えた人間が起業するとなると、確固たる地位や知名度があった上で始める方がいいんですよ。GENKINGさんとか、良い例だと思います」
――池田さんの場合は「ニューハーフセクシー女優」の肩書きを糧にしたい、と。
「今のところ、その肩書きは誰もいないじゃないですか。セクシー女優としては、明日花キララさんや三上悠亜さんもいますけど、ニューハーフまで追加されるとね(笑)」
――確かに。ちなみに、どういった方面での起業を考えているのか教えてもらえますか?
「トランスジェンダー用の下着ブランドを作りたいんです。私のように上あり、下ありのニューハーフだと、可愛い下着があまりないんですよね。また、可愛くなりたいと思っているトランスジェンダーの子たちに向けたサロンも作りたいと思っています。メイクや美容法、整形について気軽に相談できるような場所を」
――今後も需要が高まっていきそうなジャンルですね。
「同時に、ホルモン剤の投与によってメンタルも身体も不調になっている子たちのために、将来のビジョンに対するアドバイザーにもなりたいと考えています。性転換をしたはいいけど不安定になってしまう子たちって、意外と多いんですよ」
――池田さんはそういった面での不調はなかったのでしょうか?
「私は不思議となかったんですよね。なので、性転換についてはしようと思えばすぐにでもできるんです。ただ、今は計画の最中というか、自身をブランディングするためにもニューハーフのままでいようかな、と思っています」
◆自分の過去の経験をすべて笑い話に
――ニューハーフでいる方が、現状の池田さんにとっては利点がある?
「ニューハーフって、生きていく上で武器になるんですよ。でも完全に女性になった後、働いていくのは意外と大変で……。これはニューハーフあるあるなんですけど、身体も戸籍も女性になってパートナーと結婚した途端に捨てられちゃうっていう」
――そうなんですか!驚きの事実です。
「ニューハーフのパートナーって、上も下もあるのが好きな人が多いんです。だから女性になると興味を失われてしまう。だから私は、もし女性になるなら起業をしてからだと思っているんです。決してパートナーに養われたくない。普通の女性になった自分に何ができるのかも考えておきたいんですよ」
――ということは、池田さん自身も結婚願望はある?
「せっかく女性になるなら、結婚しないのはもったいないかなって(笑)。絶対したいわけではないけど、経験値としてあってもいいんじゃないかと思います。好きなタイプは尽くしてくれる人っていうのが一番。お金ではなくて、時間を私に使ってくれる……奴隷に近い人かな(笑)」
――では、最後に今後の目標を教えてください。
「自分の過去の経験をぜんぶ笑い話にできるくらい、起業を成功させたいですね。その先のステップとして、ニューハーフ社長ではなく“女社長”になることが次の目標です!」
<取材・文・撮影/もちづき千代子>