不動産関連情報を発信するいえらぶGROUPによると、東京都墨田区など一部地域では、家賃が1.5倍も高騰! 物価高はすでに我々の住まいにも影響を及ぼしていたのだ――。加速する値上げで家を失った人たちの声を聞いた。
◆「3LDKで家賃は管理費込み9万円」好条件の物件だったが…
フリーランスの高野由美さん(仮名・39歳)が夫と2人で暮らすのは、東京都墨田区のアパート。最寄り駅からは徒歩10分、3LDKという広さで家賃は管理費込み9万円という好条件の物件だった。
「築35年で修繕もされていない状態だったこともあり、破格の家賃でした。入居時にフリーレントを3か月つけてもらい、浮いたお金でリノベーションしたので、かなり住み心地の良い部屋に仕上がっています」
◆大家が物件の相場を知ってしまったため、家賃2倍に
だが’24年4月、「そろそろ家賃を値上げしたい」と大家から電話がかかってきた。
「次回更新の7月から家賃を2倍の18万円に値上げしたいという打診でした。都内では物件の家賃が値上がりしているらしく、大家が提示した18万円という額は管理会社や近隣住人に教えてもらった相場のようです。ついにウチにも物価高の影響がきたかとガッカリしましたが、仕方がないですね」
◆都の“授業料無償化”政策で東京移住者がさらに増加
高野さんは入居当初、事務所兼自宅を兼ねたこの物件で一人暮らしをしていたが、2年前に結婚し、現在は夫婦で暮らしている。
「夫が正社員になったこともあり、今回の引っ越しを機にマンションを購入することにしました。でも、いざ探してみるとマンションの価格は想定よりもずっと高くて……。仲介してくれた不動産会社の人の話だと、都心で賃貸物件を探す家族世帯が増えた影響で、本来なら私たちのような子どもがいない世帯向けの50〜60㎡のミニマムな物件にも、家族で入居するケースが増えているそう。しかも小池百合子都知事が高校卒業までの授業料無償化政策を打ち出したので、周りの埼玉県や千葉県から都内に引っ越す家族が増えていることも家賃高騰に影響しているみたい」
◆条件に叶う物件は見つからず…
高野さん夫婦は、予算1500万円で50㎡前後の物件を探していたが、条件に叶う物件は見つからなかった。
「自分でリフォームするので築年は古くてもよかったのですが。結局、都心からどんどん離れていき、最終的には東村山市の物件を買って引っ越し予定です。もう少し都会がよかったけど、立地は妥協せざるを得なかったですね」
知らぬ間にファミリー層と物件の争奪戦をしていた高野さん。一昔前の相場で理想の物件を見つけるのは、もはや不可能になっているのだ。
取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
―[物価高で[家を失った人たち]の悲劇]―
◆「3LDKで家賃は管理費込み9万円」好条件の物件だったが…
フリーランスの高野由美さん(仮名・39歳)が夫と2人で暮らすのは、東京都墨田区のアパート。最寄り駅からは徒歩10分、3LDKという広さで家賃は管理費込み9万円という好条件の物件だった。
「築35年で修繕もされていない状態だったこともあり、破格の家賃でした。入居時にフリーレントを3か月つけてもらい、浮いたお金でリノベーションしたので、かなり住み心地の良い部屋に仕上がっています」
◆大家が物件の相場を知ってしまったため、家賃2倍に
だが’24年4月、「そろそろ家賃を値上げしたい」と大家から電話がかかってきた。
「次回更新の7月から家賃を2倍の18万円に値上げしたいという打診でした。都内では物件の家賃が値上がりしているらしく、大家が提示した18万円という額は管理会社や近隣住人に教えてもらった相場のようです。ついにウチにも物価高の影響がきたかとガッカリしましたが、仕方がないですね」
◆都の“授業料無償化”政策で東京移住者がさらに増加
高野さんは入居当初、事務所兼自宅を兼ねたこの物件で一人暮らしをしていたが、2年前に結婚し、現在は夫婦で暮らしている。
「夫が正社員になったこともあり、今回の引っ越しを機にマンションを購入することにしました。でも、いざ探してみるとマンションの価格は想定よりもずっと高くて……。仲介してくれた不動産会社の人の話だと、都心で賃貸物件を探す家族世帯が増えた影響で、本来なら私たちのような子どもがいない世帯向けの50〜60㎡のミニマムな物件にも、家族で入居するケースが増えているそう。しかも小池百合子都知事が高校卒業までの授業料無償化政策を打ち出したので、周りの埼玉県や千葉県から都内に引っ越す家族が増えていることも家賃高騰に影響しているみたい」
◆条件に叶う物件は見つからず…
高野さん夫婦は、予算1500万円で50㎡前後の物件を探していたが、条件に叶う物件は見つからなかった。
「自分でリフォームするので築年は古くてもよかったのですが。結局、都心からどんどん離れていき、最終的には東村山市の物件を買って引っ越し予定です。もう少し都会がよかったけど、立地は妥協せざるを得なかったですね」
知らぬ間にファミリー層と物件の争奪戦をしていた高野さん。一昔前の相場で理想の物件を見つけるのは、もはや不可能になっているのだ。
取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
―[物価高で[家を失った人たち]の悲劇]―