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矢野燿大氏 直球に対するタイミングを決めて、初球からしっかり振る準備をしてほしい

スポニチアネックス 2024年6月23日 5時18分

 ◇セ・リーグ 阪神2ー5DeNA(2024年6月22日 甲子園)

 打席は打つための場所だ。様子を見に行くところではない。6勝0敗となったDeNA左腕・東はさすがに投げミスがないし、しっかり強弱をつけた投球をしていた。簡単には点が取れない相手だったが、アウトになっても何とかきっかけをつかもうという姿勢を阪神は貫いてほしかった。まず初球からしっかりバットを振る準備が必要だ。

 2軍での調整に取り組んできた阪神・大山は「まず振る」の意識を強く持っている。バットを振りながら、相手の球に合わせていく。それが自分の原点だ、と2軍で見つめ直してきたと思う。

 2回の本塁打はカットボールをファウル、そして空振りし、ボールになる直球を見逃し、チェンジアップを左翼スタンドに運んだ。4回の適時打も振りながらも、誘い球には乗らずにフルカウントとして、再びチェンジアップを仕留めた。9回の遊飛もアウトにはなったが、直球にタイミングは合っていたし、スピンがかかった打球になっていた。内容のあるアウトだった。

 大山の状態が戻れば、その前後がより大事になってくる。一人の力だけでは得点できない。打線は“線”にならないといけない。初球からバットを振る準備をして、相手の直球に対するタイミングをしっかり決めて、打線としてのきっかけをつかんでほしい。

 佐藤輝、森下、前川がスタメンから外れた。打撃の状態や先発・東との相性なども加味しての判断だと思うが、若い森下や前川は打席に立つことで成長ができる時期。特に前川は現状なら左腕相手でも使う価値があるはず。東に向かっていく打席は見たかった。(スポニチ本紙評論家)

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