◇都市型スポーツ パリ五輪予選シリーズ最終戦最終日(2024年6月23日 ハンガリー・ブダペスト )
スケートボード男子ストリート決勝が行われ、東京五輪金メダルの堀米雄斗(25=三井住友DSアセットマネジメント)が優勝し、2連覇の懸かるパリ五輪出場を確実にした。大会前は各国・地域最大3枠の出場権争いで日本勢5番手と後れを取っていたが、背水の陣で抜群の勝負強さを見せた。女子ストリートでは東京五輪金メダルの西矢椛(サンリオ)が15位で敗退、2大会連続の五輪を逃し、明暗が分かれた。
これが初代五輪王者の底力か。5番手で迎えたシリーズ最終戦。堀米は45秒間に自由に滑るランは90・26点で2番手につけると得意のベストトリックでは90点台を2本そろえる圧巻のパフォーマンス。普段はクールな堀米は大逆転でパリ行きを決め、「この2年間は地獄というか、何をやってもうまくいかなかった。本当に苦しい状況だったが、この大会に勝ったことで少し光が見えた」と興奮気味に話した。
一時はパリが大きく遠のいた。東京五輪後も自身の名を冠した超大技「ユウトルネード」を完成させて各種プロ大会は総なめにしてきたものの、五輪予選では不得意なランの得点が必ず反映されるルール変更に苦しんだ。5月の上海大会では予選落ち。14歳の小野寺ら若手の追い上げにも苦しめられたが、最後に底力を見せた。
スケーターとして競技だけではなく、映像制作や普及にも力を注ぐ。「周りのサポートがなかったら滑ることができなかった」と感謝した。日本スケボー界の象徴が、パリでも再び歴史をつくる。
≪代表圏内まで約9万5000点差だった≫世界屈指の選手層を誇る日本男子。14歳の小野寺は五輪予選ランキング1位で今大会を迎えた。5~7位には根附海龍、世界王者の白井、佐々木音憧がつけ、11位の堀米は代表圏内の白井を約9万5000点差で追う状況だった。最大3枠の五輪切符争い。堀米は日本勢5番手で迎えた今大会の優勝で26万点を獲得し、崖っ縁から大逆転で代表切符をつかんだ。