自慢の眉毛同様に意志も太かった――。ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・広瀬隆太内野手(23)が、本紙のインタビューに応じた。慶応幼稚舎出身初のプロ野球選手となった慶応ボーイのモットーは“楽しむ”。「打てる二塁手」を目標に置くように8日のDeNA戦(横浜)以来11試合連続スタメン出場し、その間は打率・303、2本塁打、3打点と成長を続けている。 (取材・構成=井上 満夫)
――ここまで着実に1軍出場を続けている。まず感じることは。 「全然、違います。やっぱりプロは。レベルの部分すべてで」
――落ち着いてプレーしている印象。
「メンタルは、そんなに変わらず、普通にいつも通りにはできている感じですかね」
――1軍投手の球は、何が違うのか。
「1軍の方々は勝負球の質が違いますね。フォーク、チェンジアップだったり“これでどうだ!”という主張を感じています。2軍は失投があります。あとはオーソドックスな投手が多い印象」
――二塁の守備も安定感がある。
「そんなに難しい打球が来ていないだけです。それでも、まだまだと思っています」
――理想とする二塁手像は?
「目指すところは、牧さん(DeNA)や、浅村さん(楽天)とか。打てるセカンドになりたいんです」
――6月4日の中日戦で2軍戦から交流のあったビシエドからバットをプレゼントされた。使い心地は?
「バットの芯の部分が長いですし、かなり振りやすいんです」
――試合中に二塁から一塁へ回ることも多い。6月中旬、山川からはミズノ社の一塁ミットも、もらった。
「革の質から違うんですよ。いいですよ。めちゃくちゃフィットする。いい革を使っています。感謝です」
――連戦が続く。オフのリラックス、切り替え方法は。
「温泉とかが、好きです。遠征のときに、近くのスーパー銭湯などを探したり。サウナではなく、交代浴派です。小さい頃から好きなのではなくて、最近、温泉が好きになった感じですかね」
――慶応幼稚舎出身初のプロ選手。父は早大のラガーマンと聞いた。なぜ野球を?
「兄が野球をやっていて、その流れです」
――兄を追って慶応ボーイに?
「いいえ。兄は普通の公立校出身です。僕だけなんですよ」
――そんな広瀬家。どんな家庭か?
「母さんは“早く風呂に入りなさい”とか“早くご飯食べなさい”だったり。“ご飯中にスマホを見るんじゃない”とか。僕も、あまり人に興味を示さないけど、お父さんはあまり、関与してこなかった。自由に、やらせていただきました」
――ここまで2本塁打。パワーの源は。
「焼き肉ですね。場所は言えないです。川崎にあります」
――座右の銘は
「ないんですよね。野球に関してのモットーは“楽しく”です。そうすれば何か落ち着いてできる気がする」
――今後の意気込みを
「今は本当にチャンス。打席では来た球に逆らわずにつなぎの役割を果たすこと。あとは思い切ってプレーするだけと思います」
◇広瀬 隆太(ひろせ・りゅうた)2001年(平13)4月7日生まれ、東京都東久留米市出身の23歳。慶応幼稚舎1年時に東久留米ハッピーズで野球を始める。慶応では高校通算41本塁打。慶大では1年春にリーグ戦デビューし、3年、4年時に侍ジャパン大学日本代表入り。リーグ通算歴代4位タイの20本塁打。ソフトバンクにドラフト3位で入団。1メートル81、88キロ。右投げ右打ち。