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君嶋愛梨沙 女子100メートル予選1位通過 3連覇&五輪参加標準記録11秒07に挑む

スポニチアネックス 2024年6月28日 4時47分

 ◇陸上・日本選手権第1日(2024年6月27日  新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

 女子100メートル準決勝で、3連覇を狙う君嶋愛梨沙(28=土木管理総合)が1組1位で全体トップの11秒48(追い風1・2メートル)で28日の決勝へ順当に進んだ。決勝は、日本記録11秒21を上回るパリ五輪参加標準記録11秒07にどれだけ近づけるかのチャレンジ。世界ランキングでの出場権を獲得するためにも優勝かつ好タイムが必要となる一発勝負にパリ行きを懸ける。

 中盤でトップに抜け出した君嶋は、余力を残してのフィニッシュだった。予選の11秒58を上回る11秒48で決勝へ。「後半の伸びが出てきている。決勝も集中して優勝を狙いたい。パリ五輪への最終戦。最後まで諦めない」と上を向いた。

 100メートル2連覇中の女王が欲しいのはパリ切符のみ。世界ランキングで出場権を得るためには56位がボーダーラインで、君嶋は現在81位。五輪参加標準記録11秒07へ近づくことが最大のミッションとなる。「世界ランクで入るには国外大会の結果にもよるけど11秒17、18くらいが出せたらギリギリ入るかのライン。それも優勝しての話。もちろん優勝するつもり」と闘志を高めた。

 米国人の父を持ち、高い身体能力を誇る。五輪への憧れは強く、かつてはボブスレーとの二刀流で夏冬での五輪を目指していた。17年世界選手権の女子2人乗りで7位入賞。だが18年平昌冬季五輪出場はかなわず「東京五輪もあと一歩で出られなかった。数々の五輪を逃してきた。五輪の舞台を経験したい」。思いは募る一方だ。

 昨夏の世界選手権に出場も予選敗退。変化を求め、知人の紹介で短距離大国ジャマイカへ昨年11月、今年1月と単身留学。11年世界選手権王者のヨハン・ブレークが所属するチームでもまれてきた。ジャマイカでは恵まれない環境でも「代表選手になることで生活が潤う。死に物狂いでやっていた」。失いかけていたハングリーさを取り戻した。

 いよいよ日本選手権のファイナル。「パリに向けてのラスト一本。自分の走りを貫き通せたら」。わずか11秒に、これまでの陸上人生をぶつける。

 ◇君嶋 愛梨沙(きみしま・ありさ)1995年(平7)12月23日生まれ、山口県岩国市出身の28歳。岩国市立麻里布中から陸上を始め、埼玉栄高から日体大、日体大大学院を卒業。09年の全日本中学選手権200メートルで当時の中学記録24秒36をマーク。日本選手権では22年100メートルで初優勝、23年は200メートルも制し、2冠を達成。自己ベストは100メートル日本歴代4位の11秒36、200メートル同3位の23秒17。1メートル68、56キロ。

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