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【虎番リポート】3年間、寮生活を共にした亜大先輩・板山の活躍に心を燃やす木浪

スポニチアネックス 2024年6月29日 5時16分

 鳴尾浜球場で阪神2軍の残留練習が行われていた27日の練習後、木浪がつぶやいた。「こんな時に俺は何をやっているんだ」。普段から前向きな言葉を並べる男にしては珍しい。それでも、それが何のことを指しているかはすぐに分かった。

 ちょうど1軍は25日から中日3連戦に臨んでいた。3番で先発出場した元チームメートの板山が、初戦は決勝打を含む3安打、2戦目もマルチ安打を記録。古巣相手に躍動する“アニキ”の一挙手一投足を、木浪は自宅でテレビ観戦していた。

 木浪と板山は共に亜大出身。1学年上の板山は、入学後から事あるごとに気にかけてくれた優しい先輩だったという。ルールの厳しかった寮生活では1~4年生まで各学年1人の4人部屋。そんな中、上級生になった板山が同部屋に指名してくれるなど、共に過ごした3年間で“師弟”の絆は深まっていった。

 プロ入り後も、3年先に入団していた板山から阪神のルールを丁寧に教わった。右も左も分からない中で、先輩へのあいさつ回りも同行。一緒に頭を下げてくれたのは一度や二度ではない。今年5月に板山が支配下登録された際、「すぐに連絡をいただいた。自分のことのようにうれしかった」と回想する。だからこそ、チームは違えど、先発として同じ舞台でプレーできなかった歯がゆさが口から出た。

 現在、左肩甲骨骨折でリハビリ中の身だ。「活躍は励みになります。でも試合になったら先輩、後輩は関係ないので。チームが勝つためにやるだけ」。早期の1軍復帰へ向けて、“板さん”の活躍が、モチベーションにつながったに違いない。(石崎 祥平) 

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