Infoseek 楽天

広島・堂林 待望1号「無我夢中で直球を打ったとしか覚えていない」 サヨナラ負けも4番復調が光

スポニチアネックス 2024年6月29日 6時1分

 ◇セ・リーグ 広島2ー3巨人(延長10回)(2024年6月28日 東京D)

 広島・堂林翔太内野手(32)が28日の巨人戦(東京ドーム)で待望のアーチをかけた。5回の先頭打者で戸郷の内角直球を左翼席へ。今季の12球団開幕4番打者では最も遅く、出場36試合、125打席目に生まれた今季1号先制弾だった。試合は2―2の延長10回に守護神・栗林良吏投手(27)が丸に痛恨の一発を被弾し、今季4度目のサヨナラ負け。連勝は3で止まった。 

 放物線を描いた打球が真っ赤に染まった敵地の左翼中段へ吸い込まれると、行方を見守っていた堂林はゆっくりとダイヤモンドを駆け出した。5回の先頭打者で飛び出した待望の今季1号先制弾。会心の一撃だった。

 「うまく反応できたという感じ。無我夢中で直球を打ったとしか覚えていない。打った瞬間に行くと思った」

 巨人・戸郷がカウント2―2から投じた5球目、145キロの内角直球を見事な軸回転で振り抜いた。開幕4番を張った12球団の打者でただ一人、本塁打を打っていなかったものの、出場36試合、125打席目にしてようやく一発が生まれた。

 「マツダでの3試合も悪くなかったけど、なかなか結果がついて来なかった。相手がいることなので、自分のやるべきことをやっていれば、いつかHランプはつく…と思って」

 直近10試合で9試合目の先発。数字に表れていなくても、首脳陣は状態の良さを見抜いていた。もとより内角球を苦にしない堂林でも、調子が悪くなると体の開きが早くなる。戸郷の内角球を軸回転で捉えられたなら、上昇に転じるのは時間の問題と言えそうだ。

 1点を追う9回1死二塁では、バルドナードの154キロ直球をきっちり二ゴロ。「最低限だけど、1点が取れたので大きな進塁打だったかな…と」。二塁走者の小園を三進させると、続く田中への2球目が暴投となって同点に追いついた。

 「いいゲームはできたと思う。しっかり序盤は守って、ドウ(堂林)もいい本塁打だったし、また明日だね」

 5度の送りバントを全て成功させて得点圏に走者を進め、思わぬ形であっても延長戦に持ち込んだ新井監督は切り替えを強調した。堂林も同調して言う。

 「(今季1号が)勝ちにつながれば良かったけど、切り替えてまた明日、頑張りたい」

 進撃は小休止。右のスラッガーが戦力としての地歩を固めれば、頂点を目指す盛夏の戦いはより面白くなる。(江尾 卓也)

この記事の関連ニュース