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バレー男子 さあ、ネーションズリーグ初の決勝VSフランス 獲るぞ!!52年ぶり主要国際大会・金メダル

スポニチアネックス 2024年7月1日 2時1分

 ◇バレーボール ネーションズリーグ 男子決勝トーナメント準決勝 日本3―0スロベニア(2024年6月29日 ポーランド・ウッジ)

 日本は準決勝でスロベニアを3―0で下し、初の決勝進出を決めるとともに、昨年の銅に続く2年連続メダルを確定させた。リベロ山本智大(29=大阪ブルテオン)を中心に粘り強い守備でつなぎ、石川祐希(28=ペルージャ)が両チーム最多21得点でけん引した。主要国際大会の決勝進出は初の五輪金メダルに輝いた1972年ミュンヘン以来52年ぶり。30日(日本時間7月1日)の決勝で東京五輪優勝のフランスと対戦する。

 初の決勝にたどり着いた選手たちは笑顔で抱き合った。大会前に「パリを見据えてファイナルを戦う経験が必要」と設定した目標を達成し、石川は「歴史をつくっていると全員自負している」と誇らしげに話した。

 1次リーグを首位通過したスロベニアの強打に苦しんだ。どのセットも先行しながら追いつかれ、第2セット、第3セットは先にセットポイントを握られた。それでも勝ち切れた要因は守備にある。

 「ディフェンスは僕たちの強み」という石川の言葉を体現したのが第2セット、22―23の場面だ。リベロ山本、石川、大塚らが体を投げ出して必死のレシーブでつなぎ、最後は石川がスパイクを決めて約50秒間の超ロングラリーを制した。山本は「競った場面でも自分たちがやってきたことを信じて全員で戦えた。相手より粘れたことが勝因」と胸を張った。

 堅守の中心を担うのがリベロ陣。ディグ(スパイクレシーブ)が得意な山本、レセプション(サーブレシーブ)が武器の小川とタイプは異なるが、ブラン監督は「日本には世界一のリベロが2人いる」と絶賛する。だが五輪メンバーに選ばれたのは一人だけ。同じ名前で「ダブル智大」と呼ばれ、仲も良いだけに山本は「高め合ってきた戦友。メダルを獲って小川の首にかけてあげたい」と落選した小川の思いも背負いパリに向かう。

 決勝トーナメントは主軸の高橋藍を負傷で欠きながら2戦連続ストレート勝ちで昨年の3位を上回る快進撃を続ける。決勝の相手は1次リーグでフルセット勝ちしたフランス。母国に挑むブラン監督は「選手を誇りに思う。決勝も勝つためにベストを尽くす」と力を込めた。石川は「決勝の舞台がどういうものかを感じることが大事。必ず五輪につながる試合になる。優勝を目指して戦いたい」とミュンヘン五輪以来52年ぶりの世界一を果たし、パリの金メダルへつなげる。

 ≪西田がチーム2位18点≫左のエース西田がチーム2位の18得点を挙げた。第1セット、第2セットはいずれもセットポイントからサービスエースを決めて存在感を示し「(準々決勝)カナダ戦があまり良くなかったので準備をしてきて良かった」と満足感をにじませた。女子主将で妻の古賀紗理那は今大会で銀メダルを獲得しており夫婦そろって決勝進出。「男女ともに決勝に行けるのはうれしい。金メダルが獲れると思っている。しっかり準備したい」と話した。

 ≪52年ぶりの主要国際大会決勝≫主要国際大会で日本が決勝に進出するのは72年ミュンヘン五輪以来52年ぶり。金メダルを獲得すればその時以来となる。77年W杯で銀メダルを獲得したが、この大会は決勝リーグで最終順位を決定し、決勝は実施されなかった。

 ≪1次L全勝通過 初の金メダルに≫

 ▽72年ミュンヘン五輪VTR コーチとして64年東京五輪で銅メダルに導いた松平康隆氏は大会後に監督に就任すると、8年計画での強化に着手。「ビッグ3」といわれた森田淳悟、大古誠司、横田忠義ら大型選手を発掘し、選手とともにBクイック、一人時間差攻撃などを開発した。68年メキシコ五輪では銀メダル、70年世界選手権では銅メダルを獲得し、満を持してミュンヘン五輪に臨んだ。1次リーグは5戦全勝で通過。ヤマ場となった準決勝ブルガリア戦では2セットを連取され、第3セットも先行を許して窮地に追い込まれたが、ベテランの中村祐造、南将之を投入して逆転勝ち。決勝では東ドイツを3―1で下して初の金メダルに輝いた。

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