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福部真子、初五輪 女子100メートル障害日本記録保持者28歳が夢舞台 2年ぶりVで「リベンジ達成」

スポニチアネックス 2024年7月1日 4時42分

 ◇陸上・日本選手権兼パリ五輪代表選考会最終日 (2024年6月30日 新潟・デンカビッグスワンスタジアム )

 女子100メートル障害では、日本記録保持者の福部真子(28=日本建設工業)が12秒86で2年ぶり2度目の優勝を飾り、パリ五輪代表に内定した。昨年、速報値1位から写真判定で4位に沈み世界選手権出場権を逃した悪夢を払拭した。

 フィニッシュした後も、福部は祈るような表情だった。6台目から抜け出したが、終盤は田中や寺田の猛追にさらされた。「またやっちゃったかな…。佑美ちゃん(田中)がちょっと視界に入っていた。どっちかな」。それでも優勝が確定すると、満面の笑みを浮かべ、パリ五輪切符をゲットした。「やったー!リベンジ達成という気持ちでいっぱい」と表情を崩した。

 「トラウマ」で前夜はなかなか眠れなかった。1年前の日本選手権決勝。世界選手権の参加標準記録は突破しており、3位以内なら代表切符を得られるはずだった。上位4人が横一線でゴールする大混戦となり、速報を示す電光掲示板に一度は1位と表示されたが、その後4位に訂正された。天国から地獄に突き落とされ、号泣した。「同じだったらどうしよう」。不安がよぎったが、1年分の成長はうそをつかなかった。

 昨年の出来事は「競技人生の分岐点」だったという。冬場から練習をみっちり積んだ。今季序盤は低調なスタートも、6月2日の布勢スプリント後には食事を見直した。肉ではなく魚中心として脂質をカット。1日2食にする工夫も凝らし、体重をキープしながら体脂肪率を10%から7%に落とした。最後まで人事を尽くしたからこそ、最高の結果が待っていた。

 今大会は「笑顔」をイメージし、シルバーのアイラインを施したメークで出陣。そのメークを褒め、五輪切符獲得を称えてくれた強力なライバルたちの代表としてパリへ向かう。「世界のレベルも上がっている。12秒7台でも、けちょんけちょんにやられる。そうされないように(12秒)6台を出せるようにしたい」。22年世界選手権では準決勝敗退。ひと回り強くなった28歳が、初の夢舞台に挑戦する。

 ◇福部 真子(ふくべ・まこ)1995年(平7)10月28日生まれ、広島県府中町出身の28歳。小学校で陸上を始め、府中中3年時に四種競技で全国優勝。広島皆実高時代には100メートル障害で全国総体3連覇。日体大を経て18年日本建設工業に入社。日本選手権を初制覇した22年に日本記録を2度更新し、12秒73まで引き上げた。1メートル65、58キロ。趣味はクレーンゲーム。

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