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山崎八段 初タイトル届かず…藤井棋聖への思い吐露「凄く高い目標。もっと強くなって挑戦したかった」

スポニチアネックス 2024年7月1日 18時51分

 将棋の第95期棋聖戦5番勝負第3局は1日、名古屋市の万松寺で指され、先手の挑戦者・山崎隆之八段(43)が藤井聡太棋聖(21)=王将含む7冠=に100手で敗れた。シリーズ対戦成績0勝3敗で敗退。悲願の初タイトルはならなかった。藤井は5連覇で、史上最年少となる自身初の永世称号「永世棋聖」資格を獲得した。

 対局後、山崎は「読み合いで上回られてずっと苦しいと思っていた。その中でどうベストを尽くすか考えていたが、さすがの差し回しでチャンスが来なかった」と振り返った。

 崖っ縁で迎えた一戦。戦型は先手・山崎の得意戦法・相掛かり。自身の十八番で逆襲の1勝を目指した。序盤は互いに静かな駒組み。昼食後に角と飛車を交換すると藤井がじわりと攻勢を強めて終盤に突入。最後は粘りを見せたものの押し切られた。

 前夜祭では「追い詰められてしまったが、体調、調子自体が悪いわけじゃない。ベストを尽くすしかない」と必勝を期していたが、無念のストレート負けとなった。「1、2局目は慎重になりすぎたところがあった。3局目は自分の指したい手を指そうと思った。シリーズを通して完敗だった」。

 山崎にとって約15年ぶり2度目のタイトル挑戦だった。本紙のインタビューでは今年3月、左目の緑内障と診断されたことを告白しており、「最後の大舞台の思いで指す」と覚悟を持って臨んでいたが、悲願の初タイトルには届かなかった。「タイトル戦に出られるのは幸せなこと。対局場も素晴らしくありがたいことだと感謝している。藤井棋聖と3局指して、もっと強くなってから挑戦したかったなと。凄く高い目標。もっともっと強ければ将棋の楽しさは無限にあったのかなと改めて感じた」と話した。

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