コスプレイヤーのchiiさんが『キングダム』のキャラクター、羌〓（きょうかい）のコスプレ写真をSNSに公開した。
刀を携えた女戦士が頂きに座っている。失った仲間に思いを寄せているのか。それとも未だ見ぬ中華統一という未来を見据えているのか。大海原のような果てしない青空、風がそよぐ音まで聞こえてきそうな静寂。広大な草原に差す太陽の光と自然が調和した姿は古の戦士の心情を映し出したように感じられる。
chiiさんが羌〓の凜（りん）とした強さを表現。カメラマンは、ばーさく氏（@BSK_photo）で、風景撮影のスキルが作品に深みを与えている。SNSでは「めちゃめちゃ素敵ですね。ロケーションもすごくてコスプレというよりもうなんか実写みたいです」「尊い…」と絶賛の声が上がっている。
chiiさんはこのコスプレについて、以下のように語る。
「シンプルな衣装なので、よりキャラに似せられるよう生地感とシルエットを大事にしました。小柄なキャラの再現として袖をあえて長めに、舞った時の袖を開くよう大きめに制作、マフラーも十分に幅と長さを取りました。剣の制作は、背中に背負った時の肩から見えるバランスを考慮し、長さを調節、キャラのように飛んだりラフに動き回れるよう鞘ごと作り込みました。時代背景上ピカピカと言うより使用感を出すため、剣にはウェザリングを加えました。
撮影に関しては、作品の広大な大地感を求め、カメラマンさんと山に登りました（笑）。カメラマンのばーさくさんは元々風景撮影を主とする方で、"レイヤー主体の構図ではなく、いかに作中の世界観に馴染んだ構図にできるか"という点を重視されていて、私もまたそれを求めていました。所謂コスプレ写真と呼ばれる物とは少し趣きが違うかもしれないと仰る反面、自分の衣装や活動にも同調して下さり、被写体を取り込んだ作品を作ってくれました。
九州は自然が多く、ロケ地の選定もいかに足を動かすかという所から始まってきます。その点山歩きに詳しい風景撮の方の知識はとても貴重で、私としても感謝しかありません。
広い土地で撮るので細部こそ見えないかもしれませんが、シルエットはキャラを模します。広い構図でもキャラと認識できる特徴を捉えた衣装作りもまたひとつのテーマと捉えています」
自然との調和を追求し、広大な風景を背景にした作品。原作の羌〓は、天下の大将軍を夢見る主人公・信の側近として戦場を舞う。chiiさんとばーさく氏のタッグも独自のアプローチでコスプレ界をこれからも鮮やかに駆け抜けていきそうだ。
（コスプレ図鑑取材班）