Infoseek 楽天

女性講談師3人が「新札偉人講談会」開催 新紙幣起用の偉人 生きざま伝える 

スポニチアネックス 2024年7月3日 17時43分

 女性講談師の田辺一邑、神田あおい、一龍斎貞奈の3人が新紙幣が発行された7月3日、東京都中央区のアートスペース兜座で「新札偉人講談会」を緊急開催した。電子決済が進み、お札への関心が薄くなっている現在だからこそ、敢えて絵柄に描かれた偉人たちの生きざまを知ってもらおうと企画されたものだ。

 先陣を切って、まず千円札の北里柴三郎の物語を披露したのは神田あおい。「小学校3年生の時に北里柴三郎の伝記を読んでファンになりました」と“出合い”を明かし、「野口英世が先になっちゃいましたが」と笑わせながら「推しの人物がお札の顔になって驚きましたが、これを機に多くの人に北里ファンになってもらえれば」と語った。

 続いて一龍斎貞奈が5千円札の津田梅子の人生を一席にまとめた。中央大学出身の貞奈だが、「高校時代の恩師が津田塾大学出身のチャーミングな方でした。梅子さんはわずか6歳でアメリカに留学し、その後も数度の留学を重ねて帰国後に日本の女子教育に大きな功績を残された。大変地道な活動を続け、ドラマ性は薄い方ですが、エピソードを練り直してこれからも改良をしていきたいと思います」と完成形を目指していく覚悟を口にした。

 トリに登壇したのが田辺一邑。近代日本経済の父と呼ばれ、1万円の顔となった渋沢栄一を題材にした「財界の先覚者」を披露した。「明治の新政府はお金もなく、社会状況は悪化。人々のモラルも下がり、どことなく現代と似ていた。そんな中で、いろいろなことをした栄一さんですが、喜寿を迎えたのを機にすべての役職を辞し、そこから社会事業の支援に力を尽くした。栄一さんの根底に流れていたのは“社会的弱者を救済したい。世の中を良くして、みんなが安心して暮らせるようにしたいという思いでした」と、暴漢に襲われたエピソードも交えて熱演した。

 「新札偉人講談会」は、神田あおいと一龍斎貞奈が企画し、会を発足。注目度も上昇中で、2人は「講談と言うと、平均年齢が高いイメージがありますが、若い人にも広めていきたい。声をかけていただければ、1人でも、2人一緒でも、またゲストを招いての3人でも伺いますので、よろしくお願いします」とアピールしていた。

この記事の関連ニュース