◇セ・リーグ 阪神2―1広島(2024年7月3日 マツダ)
【野村謙二郎 視点】佐藤輝は2回に内角直球を右翼席へ先制ソロ。6回は外角のチェンジアップを左翼へ決勝弾。直球を引っ張り、変化球を逆らわずに逆方向へ打ったのは、調子が上がってきたことを明らかに示すものだ。
6回は併殺打で2死無走者になってから、ひと振りで勝ち越しを決めた。強引にいかなくても、あそこまで打球は飛ぶ。投手戦で連打はなかなか期待できない中で、打率はまだまだ低いが、やっぱり長打は魅力だ。
5回の守りでは悪送球から同点に追いつかれた。捕ったところまではファインプレー。流れのまま送球すれば良かったのかもしれない。少し間を空けてワンバウンド送球し、ラインを間違えた。内野手の「あるある」だ。
大竹の完全投球を止めてしまった失策を、自分のバットで取り返した。打力を買われてのレギュラーだと思う。失策を気にしない、失策を引きずらないのも佐藤輝らしいといえば、佐藤輝らしいのではないだろうか。(スポニチ本紙評論家)