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阪神・大竹 岡田監督の助言“遊んで投げろ”でマツダスタジアム6戦6勝「普段以上に抜いて投げた」

スポニチアネックス 2024年7月4日 5時16分

 ◇セ・リーグ 阪神2―1広島(2024年7月3日 マツダ)

 阪神・岡田監督の「遊んで投げろ」という言いつけを、さらに進化させた投球だった。大竹は100キロ未満のスローボールを連発し、カウントをよく稼いだ。

 6回は秋山を79キロ、7回は小園を86キロでともに二ゴロに打ち取った。5回の失点は、失策の走者を二塁に置いて矢野に三塁打を打たれたもの。わずか2安打に抑えて7回1失点(自責0)。鯉キラーぶりを発揮して昨季から通算10戦8勝、マツダスタジアムでは6戦6勝へ伸ばした。

 「普段以上に抜いて投げました。(テンションを)低めのキャラに設定して。(12日の)オリックス戦は力みすぎていたので」

 春先の防御率5点台から2点台に落ち着き、5勝目で白星も先行した。投げられない恐怖心と戦っていた開幕前からは、想像できない姿だ。

 昨秋の日本シリーズ後に異変を感じた左肩の不調に苦しんだ。「肩の不調は人生で初めて。休めば治ると思ったけど、1月になっても変わらなかった」。原因の良性腫瘤(しゅりゅう)を除去しても怖さが残った。気持ちが沈み、古巣ソフトバンク時代の2軍生活がよぎった。「またあの日々を過ごすのか」。春季キャンプ中に信頼するメンタルトレーナーに教えを請い、ポジティブな思考を養う訓練法を授けられた。

 デーゲームでの甲子園でのヒーローインタビューを毎晩必ず思い描いた。傾きかけた太陽のまぶしさ、頬に当たる浜風の温かさをイメージすると、不思議と「前向きになれた」。投げる怖さが徐々に消え、開幕にも間に合った。今も就寝前の瞑想(めいそう)が日課。根性や気合とは系統が異なる“心を整える技術”を磨き続け、復調した。

 岡田監督の記念のウイニングボールを持ち帰り、「やばいっすか?どっちかって言ったら、更新した時の方が大事でしょ?」とイタズラっぽく笑った。遊び心も持ち合わせているからこそ、あんな大胆な投球ができる。 (倉世古 洋平)

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