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16年賞金王・池田勇太 完全復活へ思い出の大会で好発進 顎偏位症に苦しむも3年がかり治療で再起

スポニチアネックス 2024年7月5日 4時1分

 ◇男子ゴルフツアー 日本プロ選手権第1日(2024年7月4日 岐阜県・富士カントリー可児C志野=7164ヤード、パー71)

 16年賞金王の池田勇太(38=フリー)が7バーディー、2ボギーの66で回り、5アンダーで首位と1打差の5位と好スタートを切った。顎(がく)偏位症の手術、治療を経てレギュラーツアー今季2戦目。09年にツアー初優勝を飾った思い出の大会で復活勝利を目指す。蝉川泰果(23=アース製薬)ら4選手が6アンダーで首位。2戦連続優勝を目指す石川遼(32=CASIO)は75で123位と出遅れた。

 気温30度超えの真夏日にも38歳の池田は「昨日に比べりゃマシ」と涼しげに汗を拭った。最終9番パー4で166ヤードの第2打を8Iで1メートルにピタリ。2連続バーディー締めで上位戦線に食い込んだ。

 「アイアンショットがかなり良かったと思う。いい感じで仕上げられたかな」

 顎関節のずれから股関節などに痛みが広がる顎偏位症に苦しみ、08年のデビュー後初めてシードを喪失して迎える今季。歯を削る複数回の手術など、3年がかりの治療を終えたのは今年3月のことだ。5月に実戦復帰し、メジャー優勝者の資格で出場する今大会が2戦目。術後に腕の位置が3センチ下がるなど体にも大きな変化があり、屈指の実力者がクラブの握り方からリスタートした。

 今週の新生・勇太を表すのがクラブのグリップ。人生で初めて「バックラインなし」に変えた。バックラインは裏側にある盛り上がったラインのことで、有無はゴルファーにとって大きな変化。「違和感はある。だけど、ない方が自分の感覚が変わっても合わせられる」。そんな試行錯誤も好発進につなげた。

 先月には16年ぶりに下部ツアーに出場。若い選手に交じって戦い、「若い子たちは見ていて面白い」と言った。2週前のレギュラーツアーでは人生初のウエーティングも経験。午前5時半から午後1時近くまで待機も結局、出場はかなわなかった。「でもいい経験」。ゴルフだけではなく、新たな経験も楽しんでいるように映る。

 今大会は池田にとって09年にツアー初優勝を飾った思い出のトーナメント。「まあね。でも、もう随分古い話」とかわしたが、5年ぶりの復活勝利への期待も高まる。 (中村 文香)

《蝉川 首位発進》

 ○…蝉川がボギーなしで65をマークし、今季初の首位発進。「久々にノーボギーのラウンドが試合でできたのがちょっとうれしい」と笑顔だった。トレーニングで体幹メニューを増やしたことで、「スイングがまとまってきた」と好感触を得ている。23歳での日本オープン、日本シリーズJT杯に続く日本タイトル3冠となれば、尾崎将司が記録した27歳を更新する史上最年少記録となる。「この試合は勝ちたい気持ちが大きい」と気合十分だ。

《全米シニア2位の藤田は出遅れ》

 ○…前戦の全米シニアオープンで2位に入った藤田は80と苦戦し141位と出遅れ。「今日は修正が利かず良いとこなしだった」とため息をついた。プレーオフの末に敗れたが、メジャーの舞台で優勝争いを繰り広げたばかり。「感動したというか、反響が本当にうれしかった」と感謝する。開幕前日に帰国し、岐阜入りは午後10時ごろ。時差の影響で、床について2時間ほどで目が覚めたという。予選会を経て出場権を得た今大会。強行軍の中でも巻き返しを期す。

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