レッドソックスの吉田正尚外野手(30)は5日(日本時間6日)、敵地でのヤンキース戦に「7番・DH」で先発出場し、1―3と2点を追った9回2死二塁の場面で起死回生の3号同点2ランを放った。吉田の本塁打は4月20日のパイレーツ戦以来。
ヤンキースのクローザー、ホームズにカウント0―2と追い込まれたものの、3―2まで粘り、8球目の2シームを完璧に捉えた。ライバル対決を振り出しに戻し、ヤンキースタジアムを静まり返らせる価値ある一打だった。この打席までの吉田は空振り三振、中飛、中飛。ヒットは出ていなかったが、第2打席でもセンターにあわやと感じさせる大飛球を放っていた。試合は3―3のまま延長戦に突入。チームは10回にラファエラの2ランで勝ち越し、そのまま勝利した。
試合後の吉田との一問一答は以下の通り。
――いい勝利だった。
「そうですね。チームもいい流れでここに入ってきましたし、最後まで諦めないというか、そういうゲームだったんじゃないかなと思います」
――値千金の同点ホームランだった。
「2死からドム(・スミス)が出て、まあホームランとは僕もあれでしたけど、つないでいこうという気持ちでなんとかカウントも3―2まで持っていきましたし、そこからも粘って最後良い形で終えられたっていうのはよかったです」
――久々の本塁打があの場面で出たことは。
「いい場面で打てたというのもあるし、最後勝ってみんなと喜べたのはよかったなと思います」
――レッドソックスでのこれまでキャリアで一番のハイライトか。
「うーん、そうですね、場面としては。場所も含めて」
――ダグアウトでみんなにもみくちゃにされた。
「ヤンキースのベンチは結構狭いので、それが良い感じでみんなが集まってきてくれたという感じです」
――宿敵ヤンキースとの対戦でクローザーから打ったのは大きい。
「(順位が)上のチームですし、1勝ずつしかいけませんけど、つみ重ねていけばまたチャンスはあると思っています。こういうゲームは多くできれば」
――2シームが続けてきて、やはり2シームを待っていたのか。
「スライダーを見てなかったんで、頭にはもちろん入ってましたし、(スライダーが)来たら本当にどうなるかわからなかったですね」
――ハウク投手が「あの球をうまくすくい上げるのはマサしかできない打撃だ」と話していた。
「球が強くてよく動くピッチャーですし、その前も甘かったんですけど、そのボールもファウルに2球なりましたし、あそこで仕留めきれなかったのは少しまずいなというのはあったんですけど、最後なんとか、ちょっとずつ調整しながらと言いますか、それが最後、良い形になりました」
――コーラ監督は「マイアミ遠征からマサはリズムを取り戻した」と話していた。
「リズム…そうですね。なかなか前(の試合)も4タコでしたし、今日もあそこまで、まあ良い当たりもありながら、アメリカに来てから、掴んだと思ったらまたという、この日本の時よりはそこが短いのかなっていう感じがあります。なんとか良い状態を続けられるようにはと日々、思っています」
――去年もヤンキースタジアムで本塁打を打ったが、気持ちは違うか。
「すべてのホームランが嬉しいですけど、シチュエーションも含めて良い場面、勝ちゲームで打てるっていうのは大きいんじゃないですか」(ニューヨーク・杉浦大介通信員)