◇セ・リーグ 阪神2-1DeNA(2024年7月6日 甲子園)
【畑野理之の談々畑】佐藤輝明はカッコ良かったなあ。6回に決勝打となる右前打を放って伊藤将司と小幡竜平と3人でお立ち台に立っていたが、それ以上に三塁守備の方に注目したい。
2回1死からの宮崎敏郎の強いゴロに反応。2バウンド目が少し高く跳ねたが、反射神経よく左ほお付近でキャッチした。偶然に入ったのかもしれないが、でも、もしそうだとしても集中していたからこそ可能にしたプレーだと思いたい。
春季キャンプでは計500分を超えるノックを打ってきた馬場敏史守備走塁コーチは「ちょっと自信も出てきたのかな。きょうのあの反応はホメてあげたいね」と言い、目じりを下げた。
「投手のことを考えたら、絶対に後ろにそらさないという気持ちで止めないといけない。頭のてっぺんから足の指先まで、あんなにデッカい体のすべてがグラブだと思ってほしい。(胸や腹を叩いて)ここらへんで止めたら三塁手は間に合うんだから」
先発の伊藤将が初回から得点圏に走者を背負うなど落ち着く前だっただけに大きなアウトになった。7回1死一塁での宮崎の三ゴロ併殺も軽快で華麗な動きに、見えた。
甲子園は難しい。阪神園芸がどれほど丁寧に整備しても、土の内野部分はイレギュラーは起こり得る。雨でグラウンドコンディションが軟らかくなったり硬くなったり流動的にもなる。阪神のチーム失策数51は確かにリーグ最多だが、甲子園球場に限れば35試合で20個は、相手チーム合計の18個と大きな差は無い。ホンネを言えばホームゲームなので相手よりも下回ってほしいが、守備が…、エラーが…と単純に数だけで比較するのはどうか。ドーム球場を本拠地とするチームと比べれば、うるさく言われるほどではないと思う。
そんな中で佐藤輝は今季、甲子園で1個しか失策をしていないのは上々だろう。6月26日の中日戦の12回に福永裕基が放ったゴロをファンブルしたのみ。通算8個は牧秀悟10、小園海斗9、矢野雅哉9、門脇誠9に続くワースト5位タイ。打球をはじいたりは誰にでもあることだが、悪送球など怠慢に見える失策は減らしたい。サトテルの等身大「高さ1メートル87、横幅96キロがっちり」の特大グラブで虎のホットコーナーに壁を築いてほしい。