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滋賀大会史上最多の6校連合が初戦敗退 村井昊明主将「他のチームではできない経験ができた」

スポニチアネックス 2024年7月7日 15時36分

 ◇第106回全国高校野球選手権滋賀大会 彦根翔西館17―0安曇川・湖南農・信楽・甲南・愛知・長浜農(2024年7月7日 マイネットスタジアム皇子山)

 安曇川・湖南農・信楽・甲南・愛知・長浜農は部員不足のため滋賀大会史上最多の6校連合で臨んだが、6回コールドで敗れた。

 5回終了時は0―7。6回表にコールドの規定となる10点差が付いて臨んだ裏の攻撃で、先頭の市瀬晴外野手(3年=甲南)が三遊間を破るチーム初安打。さらに、途中出場の宮下剛志外野手(2年=愛知)も連打で無死一、二塁に好機を広げたが、後続が倒れて無得点に終わった。

 選手たちは平日は自校で練習し、週末に初めて全員揃っての練習や実戦ができるという状況。そこで出た課題を自校に持ち帰り、グループラインといったSNSも活用しながらコミュニケーションを取ってレベルアップに務めてきた。

 坪内勇人監督が務める長浜農は選手が1人もおらず、部員は女子マネジャーの大野楓さん(2年)のみ。5校の選手が付けた背番号は長浜農のものだった。

 「きょうで一旦、この6校連合は解散になりますので、秋以降どうなっていくかわかりませんけれども、この子たちは礎になってくれたと思うので、それぞれの学校でまた伝統が続くようにやってほしいと思います」

 昨秋は安曇川を除く5校連合で臨み、初戦の2回戦で八幡商に0―31で5回コールド負けしたことを踏まえ、最後まであきらめずにプレーしたナインの成長ぶりを称えた。

 村井昊明(こうめい)主将(3年=愛知)は「負けてしまって悔しい。勝ちたかったが、最後まで気持ちをちゃんと出せた」と振り返った。

 野球を始めた時から慣れ親しんだ二塁手ではなく、連合チームのために高2から捕手としてプレー。坪内監督から「声を出し続けて引っ張ってくれ」と言われた通り、最後まで懸命に投手をリード。暴投と捕逸は1つもなかった。

 「短い期間なんですけど、1つの目標に向かって全員でっていうのは、他のチームではできない経験なんで、そういうところはこれから先も役に立っていくのかなっていうのは思います」

 スタンドでは春季大会で安曇川と連合チームを組んだ高島が友情応援。6回表の彦根翔西館の攻撃が長引き、水分補給のタイムが設けられた時も声援はしっかりと届いていた。

 「ベンチから出る時も拍手で送り出してくれて、最後までマイナスな雰囲気じゃなく、プラスな雰囲気でいけたのは、スタンドの力もあるんじゃないかなと思いました。悔いはないです」

 困難を乗り越えてプレーできたのも、支えてくれた人々がいたから。流れる汗をぬぐった村井主将の表情はすがすがしかった。

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