◇プロボクシンスーパーフライ級8回戦 重里侃太朗(志成)<○判定●>パイ・パーロップ(タイ)(2024年7月7日 東京・両国国技館)
日本スーパーフライ級2位の重里侃太朗(28=志成)が3―0判定勝ちで”兄貴分”WBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(35=志成)に勝利のバトンをつないだ。
重里は立ち上がりプレッシャーをかけながら上下に打ち分けて主導権を握った。ただ4回、コーナーでカウンターの左ストレートを浴びまさかのダウン。クリンチでしのぐと終盤は盛り返し判定で7勝目(2KO1分け)を挙げた。
「練習でやってきたことが出せずちょっと悔しい」としながら「まだまだ僕の実力はこんなものではない。一つ一つ積み重ねて勝っていくことが全て」と前を向いた。
試合前の調整では幼少期から「お兄ちゃん」と慕う井岡の米ラスベガス合宿に同行。4週間同じジムで汗を流し、最後の一週間は井岡と同じ宿舎で生活をともにした。
「井岡ジムにいた頃からいろんな指導をしていただいたことはあった。ただ、ここまで密に接していただいたことはなかった」と4階級制覇王者の所作から多くを学んだ。私生活から細部にもこだわり、時間管理を徹底する姿や整頓されたロッカーを見て「普段の生活がボクシングにつながることがよく分かった。米国から帰りたくなかったです(笑い)」と多くの学びを得た。
次戦は日本王座挑戦権を争う「チャンピオンカーニバル最強挑戦者決定戦」出場となる見込み。試合後は「井岡さんにはいつもお世話になっている。一翔君のためにご声援お願いします」と詰めかけたファンに呼びかけた。